初日最後は白山平泉寺を訪問。
夕立にあって途中で退散してしまいましたが、コケに包まれた境内は人も少なくとても静かで心洗われる場所でした。
雨さえ降っていなければ中世の石畳道まで行ったのになぁ。
白山平泉寺
HP: 開山1300年 福井県勝山市国史跡 白山平泉寺
訪問日:2020年7月
概要
神社の概要を書くのも恐れ多くて変な感じですが、ここはただの神社ではないので簡単に。
平泉寺は泰澄大師が717年に開かれました。
平安時代以降、比叡山延暦寺の勢力下にはいり、白山信仰の中心として栄えました。
その後も越前守護の保護を受けつつ、境内を中心に48社、36堂、6000坊の院坊が立ち並び、僧兵8000人を抱える強大な勢力になりました。
朝倉氏に比肩する勢力となりつつも、朝倉氏と近しい関係をつづけましたが、朝倉義景が滅ぶと混乱に陥ります。
紆余曲折あって越前一向一揆に襲われた朝倉景鏡をかくまうと、一向一揆の標的となり、一山丸ごと焼失、滅亡してしまいました。
9年後に顕海僧正が再興されましたが、往時の規模に戻ることなく現代に至ります。
明治時代の神仏分離令によって、寺号をすてて白山神社となりました。
訪問記
歴史も現在の姿もどちらもとても興味があり、この旅のメインスポットの一つでした。
ただ、境内と発掘現場がここまで広いとは知らず、そもそも予定していた時間が足りない上に、雨雲レーダーでは夕立がすぐそこに。
残り時間でどこまで回れるか考えつつ急ぎます。
車はとりあえず見つけた第2駐車場に駐車。
平日の夕方だったからかほかに車も人も係員さんも居ませんでした。(もちろんお金は料金箱に入れましたよ笑)
もう少し進んだところにも駐車場はありますが、歩いて数分の差なのでどちらに停めても大差ないでしょう。
駐車場にあった案内板。
最長の80分コースでも南谷遺跡発掘地が含まれていないことを見て、発掘地には行けないことを悟りました笑
駐車場から境内の入り口までは歩いて5分程度。
こちらは途中にあった東尋坊の屋敷跡。
あの有名な断崖絶壁 東尋坊の由来となった僧です。
力が強く乱暴な僧であった東尋坊が、一山門徒の反感を買ったため突き落とされた崖が東尋坊だそうです。
もともとそんな怖い由来があったなんて。
苔が見えてきて、白山神社の石碑。さながら入り口という感じです。
ここからの坂が精進坂。遠くに一の鳥居が見えます。
精進坂左手には顕海寺さん。
再興された顕海僧正の名前を持つこちら、あとから調べると1583年の平泉寺再興の際に建てられたのが始まりの由緒正しき堂塔でした。
中も見ておけばよかったな。
精進坂を進みます。
一の鳥居前の苔をアップで。
梅雨時で雨が多かったからか本当に緑が綺麗です。
先へ進んでも緑の参道。
人も少なく静寂の空間が広がります。
途中にあった八幡神社
緑に覆われていますが、どうやってお参りに行くのでしょうか。
参道の一角だけ草がこんもり。
桃山時代の伝説を今も受け継いで草を残している飼葉料という場所だそう。
今も駿馬が食べに来ていたりして。
奥は御手洗池
平泉寺の名前の由来になった池です。
二の鳥居を過ぎるとさらに苔がすごくなります。
左右ともに一面苔の景色が広がります。
何年かかったらここまでになるのでしょう。本当にきれいです。
写真で見るより実物の緑はもっとはっきりしていた気がします。ぜひ現地で。
そして正面には拝殿。
拝殿は1859年の造営。寄棟檜皮葺と呼ばれる構造です。
この拝殿の左右には平場が広がっていて、ところどころに礎石が残っています。
この礎石は一向一揆で全焼する前の拝殿のもの。
およそ83メートルあり、三十三間堂より大きな建物だったと言われます。
実際に今の拝殿から離れた場所にまで礎石が残っていて、サイズ感に驚きます。
拝殿の奧にある本社へ。
こちらは1795年に再建されたもの。
色は質素ですが、彫刻はとても繊細で手が込んでいることがわかります。
扉は33年に1度だけ開けられるのだとか。次は2025年だそうです。覚えてられるかな。
本社の左右には別社が2つ。
白山山頂の三山を祀っているために計3つの社が並ぶ形となっています。
こちらは大汝社。
石垣の下から見てみたいところですが、苔を越えてまで入る勇気はありません。
この先にもたくさん見どころはあるのですが、残念ながら夕立が降ってきてしまったのでここで終了。
次は発掘現場も回れるようにきちんと時間配分してこないと。
つぎは翌日の福井城です。
基本情報
- アクセス
電車: えちぜん鉄道勝山駅から市内観光バス「ダイナゴン」または大福交通バス 平泉寺神社前バス停下車
※ダイナゴンは土休日のみ運行(冬季:12月~3月第4金曜日まで運休)、大福交通バスは便数僅少かつ昼以降は予約便です。
車: 中部縦貫道 勝山ICから車で15分
有料駐車場が4か所(第1~第4まで)あります。どこでもそんなに距離に違いはありませんので、空いているところに停めるので良いと思います。 - 利用時間
見学自由
無休 - 所要時間
境内のみで約1時間
発掘現場見学にはさらに1時間 - 付近のスポット
勝山市で有名なのは恐竜博物館ですね。
あと、勝山城がすぐ近くです。
この旅は越前大野城からでした。