静岡の山城、丸子(まりこ)城の訪問記です。
このブログを始めるまでは全く興味がなかった山城にどんどん突き進んでいっています。
沼にハマっている気がしますが、大丈夫かな笑
こちらも甲斐武田流築城術が楽しめるお城でした。ところどころより古い今川氏の頃の遺構もあります。
小高い山の上に非常に立派な堀や土塁が残っていて、見どころたくさんのお城でした。
お城:丸子城 静岡県静岡市駿河区
HP:丸子城跡|【公式】静岡のおすすめ観光スポット/駿府静岡市~最高の体験と感動を
訪問日:2020年9月
概要
築城年代は定かではありませんが、今川氏が駿河を支配したころから駿府の西の入り口の抑えとしての役割を果たしてきたと考えられています。
1568年の武田氏の駿河侵攻ののちは、武田氏家臣の山県昌景が入城し、今川方の侵攻に備えました。
この頃に武田流の改修を受けたと考えられています。
1582年、徳川家康の支配下に移り、家臣が入城しますが、1590年の関東移封に伴い、廃城になったと考えられています。
今川氏の北城と武田氏の南城を連結した構造をしていて、市街地から遠いこともあってか、当時の遺構がほぼそのまま現存する、全国でも貴重な中世山城遺跡となっています。
訪問記
丸子城の登り口はいくつかありますが、この日は大手側から登城。
今でいうと駿府匠宿側の登り口です。
細い道ですが、ちゃんと看板があるので歩きなら見落とすことはないでしょう。
左手の道は歩道ですので、車はどこかにおいてから向かいましょう。
ちなみに反対側の誓願寺側の登り口はこんな感じ。
小さい看板を見落として民家に突っ込んでしまいました。
この排水溝の蓋がルートとは。
大手側に戻ります。
ただ、きれいな雰囲気は最初だけ。すぐに山に突っ込んでいきます。
とはいえ、散策路は整備されていて歩きやすいです。
がつがつ登っていきます。
ずっと一人分の階段が続いていました。この狭い道でイノシシは怖いけど、クマよりましかな。
直ぐに見晴らしの良い高さにたどり着く急斜面。良い運動になります。
10分ほど登ると丸子稲荷神社奥宮に到着
実はこの左手は崖なので正面に回りこむのはとても大変なんです。。。
奥宮には丸子城の説明板と縄張り図。後ほど本丸で出てくるものよりリアルなタッチです。私にはちょっと難解。。。
でも後から思うと、「長大竪堀」の記載など、本曲輪周辺が正確に書かれていてこっちの方が参考になるかも。
今はちょうど北東の端から来ていて、西へと曲輪を回っていき、途中で折れて南の本曲輪に向かうわけですね。
奥宮の周りの平場は外曲輪。駐屯地だった場所です。
先へ進むと今川氏時代の本曲輪に続く入り口に土橋
その右手には立派な三日月堀があります。
最初の立派な遺構で深さに驚きますが、まだまだ序の口でした。
土橋を越えて大手曲輪へ。
ここは開けていますが緩斜面で、木とササも生えていて想像しにくいかな。
さらに進みます。
脇にある深い竪堀を見ながら進むと北曲輪。
振り返ると低くなっていますが、虎口で仕切られていました。
改めて北曲輪。今川氏時代の本曲輪です。
こちらは非常に開けています。もともと本曲輪ですからね。
ベンチは、ちょっと虫が多いからいいかな。
北側は土塁で守られています。
今でもこれだけ残っているということは当時はどれだけ高い土塁だったのでしょう。
さすがに守りも堅いですね。
先に進むと二の曲輪
縄張り図によると三の曲輪もあるはずですが、境目は分かりませんでした…
その先にはもう一つ深い堀切。
これは本当にしっかりした堀切です。
これだけしっかりと守ってあるということは、当然次は。。。
と思ったら升形虎口。やはり守りが堅い
この虎口もよく残っています。
そして枡形虎口を抜けてようやく本曲輪、武田氏時代の本丸へ。本曲輪はとても広い。
そしてデフォルメされた縄張り図。
こっちの方がぱっと見で理解しやすかった。
本曲輪にこんな縄張り図があるのはありがたいですね。
虎口が三か所と西側の空堀が気になるところ。
ちなみに、丸子城は散策路としても紹介されているので、ハイカーには本曲輪はちょうど良い休憩場所ですね。一人も見かけませんでしたが。
改めて本曲輪を見て回ります。
低くなっているものの土塁に囲まれています。
そして、2か所めの虎口。
こちらは東の平虎口。
その先には袖曲輪と書かれた曲輪がありましたが、境目はよく分かりませんでした。
そもそも写真では平虎口がアップすぎてよく分からない説もありますね笑
こちらは西側の喰違い虎口。
広いうえに虎口がたくさん残っていて見どころが多いですね。
そして一番の見どころへ。
先ほどの縄張り図にも書かれていたように、丸子城は南北に続く曲輪群の西側をずっと空堀が守っています。
そんな空堀を横切る土橋を渡って大鈩曲輪方面へ下りていきます。
土橋から見た本曲輪の西側の大きな空堀。
よほどこちらの斜面からの攻撃に神経を使っていたんですね。
堀から先ほどまでいた本曲輪があんなところに。
気づくと相当下りてきていました。
そして、巨大な竪堀がたくさん見えてきました。「長大竪堀」と書かれていたあたりです。
このあたりの竪堀はとても深くて草木も少なく見えやすい。
そして今も残る立派な竪堀だらけで感覚がマヒしてきそうです。
付近にはほかにも立派な竪堀がたくさん。
さらに進んで見どころの大鈩曲輪の三日月堀
左手の大鈩曲輪からの落差がすごい。
堀自体は浅くなっているのでしょうが、それでも数百年しても立派に形状を保っています。
よく山の中にこれだけのものを作ったものです。
大鈩曲輪からの帰りに見かけた竪堀は麓まで続くそう。
このあと、登り始めた駿府匠宿側の登り口まで帰りましたが、その途中にも西側の空堀は続いていました。
緑と緑の間が空堀。写真でも暗く見える、急峻な堀が残っていました。
本当に守りが厳重です。これは登れない。
感想
満足度 4/5
最初は曲輪や虎口、土塁を楽しんでいましたが、途中からはひたすら立派な空堀に圧倒されました。
山の中なのでなかなか入りにくいですが、見どころの多い城跡でした。
一見の価値ありです。
本曲輪にあったデフォルメ版の縄張り図が構造の理解には役立ちましたが、実は見どころはそこには書ききれていないので、下調べが大切ですね。
基本情報
- アクセス
電車:JR静岡駅よりバスで約25分 吐月峰駿府匠宿入口バス停下車 登山口まで徒歩10分
車:東名高速静岡ICより約25分
駐車場なし 近くの有料駐車場に停めましょう。 - 城跡
散策自由 - 所要時間
~1時間 - 付近のスポット
百名城関係だと駿府城、同じような山城だと花倉城など。
tmtmz.hatenablog.comtmtmz.hatenablog.com歴史遺産で宇津ノ谷峠の明治のトンネルも近いですね。
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