天浜線歴史巡りの旅。
2回目は岩水寺駅を散策します。
お目当ては駅前にある駅名の由来になっている岩水寺でしたが、旧石器時代の遺跡との偶然の出会いもありました。
赤1:岩水寺駅 赤2:岩水寺 赤3:根堅遺跡
2本目 天竜二俣~岩水寺
前回降りた天竜二俣駅から旅再開。近くにお寺があることだけを調べて岩水寺駅へ向かいます。
今度の列車は音街ウナ号
写真は掛川駅で撮ったもの
こちらもキレイな列車でした。
駅や設備は古いものを大切に使っていますが、車両は更新されているのでしょう。
中は子供たちの書いた音街ウナで一色。
浜松では有名なキャラなのかな。
窓にラッピングがなくて車窓がキレイだったので音街ウナ号の方が好きでした笑
岩水寺駅までは3駅8分だけの乗車です。
最初の駅は二俣本町駅。鳥羽山城(訪問記)、二俣城(訪問記)への最寄り駅です。
正面の山がたぶん二俣城跡のあるところ。
西鹿島で高校生がたくさん乗ってきて車内が賑やかになりました。
乗り換え需要はあるようです。
賑やかな旅を続けたいところですが、もう岩水寺駅に到着。
列車を見送ったらスタートです。
去りゆく列車とともに。
線路が曲がっていますし、かつてはホームの反対側にも線路が敷かれていたのでしょう。
駅を振り返ります。
ホーム一本だけ。
駅舎もない小さな駅ですが、プラットホームと待合所は登録有形文化財です。
駅前の近隣マップでは「緑のまち浜松」になっていますね。音の街じゃないのかな。
駅前は相変わらず政令指定都市にあるとは思えない長閑な住宅街です。
奥の高架は新東名高速。山奥を走っている印象ですが、そんなところまで来たとは。
龍宮山岩水寺
岩水寺駅から10分ほどで、駅名の由来になった岩水寺に到着。
記事にまとめるにあたって調べた岩水寺の歴史を簡単に。
龍宮山岩水寺は、725年に行基菩薩が薬師如来尊像を刻み、開創されました。
815年には嵯峨天皇の疫病平癒を祈願し、健康を取り戻されたという伝説が残ります。
また、岩水寺にはもう一つの本尊として厄除子安地蔵も伝えられています。
非常に珍しい母親の仏様であるため、家を守るは岩水寺といわれます。
こちらは天竜川の龍神様の化身で、坂上田村麻呂と恋に落ち、子を産んだという伝説が伝わります。
駅名だけで選んだ訪問先でしたが、後から調べると思った以上に由緒のあるところでびっくり。
そりゃ人も多かったわけです。
そんな岩水寺の境内全体像はこちら。
思っていた以上に広い。
次の列車までの1時間で帰ってこられるか不安を感じつつ見学開始です。
まずは鐘楼堂
すぐに本堂が見えてきました。
こちらは仁王門
門をくぐって本堂(地蔵堂)へ
本堂前の敷地は狭め。そのスペースに参拝客がたくさんいて、地元では親しまれている様子がうかがえます。
ここに厄除子安地蔵が祀られています。もちろん秘仏なので公開はされていませんが。
お参りののち、先を見学。
境内奥にある薬師根本堂までは行こうかな。
途中には御神木の白山神社のクス
立派ですね。市の天然記念物に指定されています。
脇から登って白山神社へ。
上はちょっとわびしい雰囲気でした。。
十一面観音様は麓におられました。
白山神社の隣には金城稲荷社。
真っ赤な鳥居は写真に映えます。
それぞれ参拝を終えて、さらに先へ向かいます。
白山神社のふもとには赤池という池がありました。こちらも伝説のある池のようで、、
この奧にある穴を通って、子安地蔵尊さまが信州まで通われているそう。
太鼓橋
橋の向こうは森の様相で渡る勇気は出ませんでした。
薬師根本堂
ここまで来る人は少ないようでひっそりとしていて、心穏やかに参拝できました。
この先も気になるところですが、残りの時間は岩水寺への道中に見かけた遺跡に使います。
根堅遺跡
その遺跡が根堅遺跡。
岩水寺の入り口に看板が出ていて気になってしまったんです。
本州唯一とか、旧石器、浜北人とか気になるワード満載じゃないですか?
こういう偶然の出会いは大切にしたい。
看板に従ってたどり着いたのは山間の荒地
桜が植えられていて春先はキレイそうですが、遺跡はどこかな。
と、探していると看板。
看板によると、根堅遺跡とは昭和36年の石灰岩採掘中に偶然見つかったヒトの臼歯をきっかけに発掘された洞窟内の遺跡とのこと。
発掘の結果、1万4千年前と1万8千年前の旧石器時代の人骨、浜北人の骨が見つかったそうです。
旧石器時代の人骨と確認されている化石人骨は本州唯一です。
特に1万4千年前の方は、20歳代女性で身長143cmと縄文時代人に似た体形をしていると考えられています。
ですが、浜北人の骨が見つかった後も石灰岩の発掘が続けられたため、地形は大きく改変され、遺跡のあった洞窟も失われています。
なんと!
そりゃ何もない荒れ地な訳です。
石灰石を採掘される方の生活もありますが、貴重な遺跡なら。。。と思ってしまいました。
残念な気持ちを抱えつつ、駅に戻って次の列車を待ちます。
次はカモメの駅へ。
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