にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

天竜浜名湖鉄道 歴史探訪の旅5 堀川城 -家康による撫で斬りの地

天竜浜名湖鉄道途中下車の旅もようやく最終回です。

前回に引き続き気賀駅周辺を散策。
googleマップでたまたま見かけた堀川城へ向かいます。
そんな堀川城では堀川城の戦いという凄惨な戦がありました。
遺構はありませんが、大事な地域の歴史を知ることができました。

そのあとはもう一方の起点駅、新所原駅まで最後の乗車。
こちらは車窓の移り変わりが楽しい列車でした。

f:id:tmtmz:20210109085731j:image


緑1:堀川城 緑2:三ケ日駅 緑3:新所原駅

堀川城

観光施設の方の気賀関所から歩いて数分。
田畑を通る道路脇に堀川城はあります。

現地や後から学んだ知識で、堀川城の概要です。

1560年、桶狭間の戦い今川義元が戦死した後、今川家が弱体化し、遠江に武田、織田、徳川らが進出を狙い始めます。
そんな中、遠江の中でも信濃三河に近い気賀の人々が選んだ勢力は今川家でした。

堀川城は、そんな情勢で徳川家康遠江侵攻に備えて築かれた城であったと言われます。

こちらがそんな堀川城の全容。
f:id:tmtmz:20210109085708j:image
まっ平な道端に存在していて、本当にここで戦ったのか不安になるような立地ですが、
当時は浜名湖岸の干潟に位置し、満潮時には道が沈む難攻不落の立地だったとのこと。

今は遺構が何もないため、車で走っていたら見過ごしてしまうような小さな区画です。
一応道端に車を停められるちょっとしたスペースはあって、この時もちょうど1台車が出ていったところでした。

柵のそばには市が設置した看板
f:id:tmtmz:20210109085756j:image
城跡名は伝堀川城跡。

解説板はかなり詳しく記載されています。
予習なしでも十分に背景が理解できるレベルでありがたい。

裏は堀川城の戦いについて記載。
f:id:tmtmz:20210109085639j:image
こちらも詳しい。

堀川城の戦いは以下のような戦いでした。

1568年12月、家康井伊谷の軍勢を味方につけ、遠江に侵攻します。

堀川城近傍にあった刑部城 (おさかべじょう) 、今の浜松市街地にある曳馬城訪問記を落城させ、堀川城にも攻撃の手は及びますが、地元の土豪と農民たちが立て籠り激しく抵抗しました。
掛川城攻めが長引いたこともあり、家康は堀川城を落とすことなく、いったん三河に引き返します。

翌1569年に再度遠江に侵攻した家康は、堀川城を徹底的に攻め、落城させます

一説には、立てこもった2000人の城兵の半数は撫で切りにされ、残りのうち700人は戦闘終了後半年間に渡って探し出され、女子供まで斬首、首をさらされたとされます。

これが堀川城の戦いと呼ばれる戦いです。
首をさらした地は、獄門畷として今も気賀の地に残ります。

そこまでして自分たちの地域を守りたかった気賀の人たち、そこまでして遠江を落としたかった家康。
現代の感覚では到底理解できませんが、そこまでしなければならない何かがあったのでしょう。

さて、堀川城の柵の中に入ります。
f:id:tmtmz:20210109085653j:image
といっても非常に小さい敷地ですが、

今の堀川城跡には城址碑とともに首塚が残ります。
f:id:tmtmz:20210109085731j:image
気づくと自然と手を合わせていました。

遺構はありませんが、その地でしか知ることのできない地域の歴史をよく知れたのはよかった。来た甲斐ありました。

5本目 気賀駅〜新所原駅

さて、気賀駅に戻って最後の列車に乗車。

一気に豊橋側の起点駅、新所原駅へ向かいます。
f:id:tmtmz:20210109085818j:image
やってきたのは天浜線ベーシックカラーの列車でした。
そういえばここまで全部ラッピング列車だったので、最後の最後でようやくベーシックカラーを見られました。
写真は新所原駅で撮影

新所原までは45分くらいの列車旅。ラストランです。
当然ベーシックカラー列車の窓はラッピングがなく、車窓はとてもきれいです。
車窓のラッピングに悩まされてきたこの旅最後の車窓がきれいで嬉しい。

もう一度浜名湖佐久米を通ります。
f:id:tmtmz:20210109085749j:image
相変わらずカモメの大群がお出迎え。

さらに先へ。
ミカンで有名な三ケ日駅に到着
f:id:tmtmz:20210109085705j:image

f:id:tmtmz:20210109085830j:image
この駅もレトロな雰囲気の駅舎が残っています。

そしてやはり登録有形文化財になっています。
駅ナカにはやはり飲食店。ハンバーガー屋さんが入っています。
少し前に買いに行った時の記憶はこちら。

tmtmz.hatenablog.com

三ケ日を過ぎると線路は南下。一路東海道線へ向かいます。

この辺りから車窓にはミカン畑が見えてきました。
f:id:tmtmz:20210109085739j:image
ちょっと躍動感あふれる写真になってしまっていますが。

f:id:tmtmz:20210109085650j:image
三ケ日みかんは東海地方では有名なミカンです。
斜面が一面みかん畑というところもあって、さすがは産地、という車窓。
これだけみかん畑が広がっていたらそこら中で三ヶ日みかんを見かける訳です。

のどかな田園から浜名湖、そしてみかん畑と、路線が長いだけあって車窓もバラエティに富んでいます。

終点の新所原駅に到着。
f:id:tmtmz:20210109085623j:image
この駅も駅ナカに飲食店。鰻屋さんが入っています。

もう少し見て回りたいところですが、時間もないので新所原から即帰宅。
ですが、名残惜しいのでJRへの乗り換え口からもう一度天浜線を眺めます。
f:id:tmtmz:20210109085825j:image
やっぱり一両の列車がちょこんといる雰囲気がとても良いです。
もう一回乗って帰りたくなりました。笑

感想

天竜浜名湖鉄道は、第三セクターに典型的な地方ローカル線ではありますが、駅舎自体も駅の周辺にも見どころがたくさんある良い鉄道でした。
途中下車できていない面白そうな駅もたくさんあるので、まだまだ旅に使えそう。
また行こうかな。

旅の最初はこちらから。

tmtmz.hatenablog.com

↓気が向いたら押してやってください

にほんブログ村 旅行ブログへ