1回目に来たときは大手門の復元工事真っ最中で、二の丸は完全に工事現場でしたが、復元工事が終わってから再訪すると全く印象は変わりました。
跡地はほとんど学校になっていますが、それでも徳川御三家の城ですから、隠し切れない格式が感じられますよ。
お城:水戸城 茨城県水戸市
HP:水戸城跡 « 水戸市の観光情報サイト「水戸旅」【公式】水戸観光コンベンション協会
訪問日:2018年10月、2021年4月
概要
1193年、馬場資幹が源頼朝から大掾に任命され、居館を築いたのが始まりです。
1427年に馬場大掾氏の留守をついて江戸氏が占拠しました。
1590年、佐竹義宣が江戸氏を攻め、入城します。
佐竹氏時代は僅か13年でしたが、この間に曲輪を整え、出入口を移し、大手門などを作るなど、近世城郭に改修されました。
佐竹氏の秋田移封後は、何人かの城主を挟んで、家康の11男、頼房が入り、廃城まで水戸徳川家が治めました。
頼房時代に、三の丸や城下町が整備拡張され、二ノ丸に御殿や三階櫓が立てられました。
また、9代斉昭のころに藩校弘道館や偕楽園が作られました。
幕末の天狗党の乱や、廃城後の放火、太平洋戦争時の空襲により城内の建物の多くは焼失しましたが、弘道館や薬医門が現存しています。
また2021年に大手門が復元されるなど、復元整備事業も進められています。
訪問記
水戸駅~大手門
水戸駅から訪問開始です。
水戸駅前ペデストリアンデッキからすでに櫓が見えていて、テンションを上げてくれます。
こいのぼりにしか目がいかないって?奥の二の丸隅櫓ですよ。
まずはこの地図で真っすぐ右上に伸びる道を通って弘道館公園へ。
わざわざこの道を通ったのは、ここが深い深い堀跡だから。
櫓や二の丸の高さを見ても堀の深さがよく分かります。
左側が三の丸側
そして、あそこまで登るのかとげんなりさせてくれます笑
登るだけでも嫌なんですから、攻めるなんてもっての外ですね。
。。。さて、つべこべ言わずに登りますか。
登りきって弘道館前の広場に到着。
正面が駐車場。
知名度のわりに狭いですが、前回来たときは意外と停められました。
左手すぐに見える弘道館にも惹かれますが、まずは大手門から二の丸方面へ。
美味しいものは後に残しておくたちなので。
ちなみに、水戸城は三の丸、二の丸、本丸、下の丸が直線状に並ぶ連郭式。
行って帰ってくる形の散策コースになります。
橋を渡る前に斉昭公を見てスタートです。
もうちょっと大きくしてあげても良かったのでは。
上から先ほどの空堀跡を上から眺めつつ橋を渡ると
大手門
佐竹氏時代の1601年に建てられ、幾度かの建て替えの後、明治時代に解体されたと考えられています。
今の門は2021年に復元されました。さすがに、ピカピカ。良いにおい笑
裏はこんな感じ
個人的には少し遠目の土塁も含めた全体像が見える構図がお気に入りです。
高い土塁にこの屈指の規模を持つ門。美しい。
前回来た時は復元中。
土塁の上をまたぐ工事足場がかけられていて何もわからなかったので、再訪してよかった。
二の丸~薬医門
大手門の内側は二の丸。文教地区の綺麗な街並みが広がります。
たくさんの学校が立ち並ぶ広い広い曲輪ですが、城跡感は薄め。
でもちょいちょい名残はあるので、お散歩にはちょうど良いかも。
歴史ある門と思ったら、まさかの中学校の門
こういうところも含めて他にはない雰囲気が広がります。
もう少し行くと二の丸展示館
規模は小さいですが、かつての姿を再現したジオラマがあって無料とありがたい施設です。
こういうのを見ないとなかなかかつての姿は思い浮かべにくいですしね。
安積澹泊像を見つつさらに奧へ。
水戸城の天守にあたる御三階櫓跡がありますが、説明板だけ
跡地は完全に学校ですから、仕方ない。
学校の隙間にある二中見晴らし台と書いた門と看板が誘っていますね。何があるのかな。
ご自由に、とは書いてありますが門を抜けると学校のグラウンドが丸見えの通路。
これ平日に行ったら不審者になるやつ…
通り抜けた先には北に隣接する那珂川を望む景色がありました。
当時もこんな景色だったのでしょう。この眺望は確かに良いかも。
戻って先へ。二の丸御殿も説明板のみ
二の丸北東方向の入り口 杉山坂と、
その脇に杉山門が復元されています。
ただ、杉山坂は現役道路で、二の丸道路との合流はt当然枡形ではなく丁字路です。
一方で杉山門は、かつての枡形、今の杉山坂から90度曲がった場所に建っています。
もちろん枡形なので二の丸道路にもずれた場所。
つまり、杉山坂と二の丸道路の交差点脇に立つよく分からない状態になっています。
もともとの枡形の場所に正確に再建されているんですが、ちょっとかわいそうかな。
足元にかつての通路を書いてあげるとか。。。
本丸・薬医門
杉山門を過ぎるとすぐに二の丸の突き当たり。空堀を越えていよいよ本丸です。
といっても本丸は水戸第一高校なんですが、勇気を出して正門へ。
二の丸と本丸の間の堀には水郡線が走っています。
何も知らないとただの切通しに見えるんでしょうが、知っているとちょっと得した気分
学校の敷地に入るところにはきちんと説明の看板が建てられていました。
お互い気持ちよく居たいですよね。ちゃんと見学範囲が定められていてこれは安心
正門を過ぎるとすぐに薬医門
先ほども大手門もそうでしたが、規模が大きい。
こちらの薬医門は水戸城唯一の現存建築物です。
創建時期は、佐竹氏時代だろうと考えられています。
長らく城外に移されていため正確な場所が分からず、あくまで薬医門と呼ばれていますが、規模・風格からして本丸の表門だったと推測されています。
そして、本丸に移築復元されて今に至ります。
それにしても大きさと格式は本当にすごい。
高校の敷地内、部活中の生徒に見られるという、なかなかに入りにくいところにありますが、勇気を出して入ってよかった。
次回は、ここから折り返して弘道館へ。
茨城の百名城関連で、土浦城の訪問記です。