名前からも分かる通り、お城ではなく陣屋です。
小藩だったので城として作ることを許されなかった、、、はずなんですが、立派な防御機構が備えられていて、外見はさながら城跡の様相でした。
現存の御殿書院まであって、これは穴場ですね。
城館:小島陣屋 静岡市清水区
HP: 国指定史跡 小島陣屋跡:静岡市
訪問日:2021年6月
概要
駿河中東部に1万石の所領を持った譜代大名、小島藩の陣屋として、松平信治が1704年に築きました。
その後、明治までの164年間、藩政を執り行いました。
東海道から甲府に至る甲州往還にほど近い場所に築かれ、陣屋でありながら城郭を思わせる高石垣などが良好に残り、国指定史跡に指定されています。
陣屋の建物のほとんどは明治維新以降、小学校として使用されたのち取り壊されましたが、書院建物は、移築され地元の公会堂として使用され、今も現存します。
訪問記
陣屋北側の酒瓶神社側から訪問です。
入口を探していると、住宅街の脇道に大手門への看板を発見。
知ってる人にしか伝わらない気はしますが、大変ありがたい看板。
看板もなしにこんな路地裏通る気は起きませんし。
この先もずっと住宅街の路地。
洗車しているお父さん方をわき目に、不審者じゃないですよ・・・と念じながら進みます。
普通に歩けば良いんですが、右側住宅の奧には馬場石垣が見えているのです。
早速の遺構にテンションは上がりますが、カメラを構えたら完全に空き巣の下見なので我慢我慢。
突き当りまで進むと大手に到着。
看板とパンフレットが備えてあります。
そしてその奥には緑に覆われていますが、石垣、
これが見えていたら家の奧でもチラ見しちゃいますよね。
パンフレットにはしっかりと散策ルートが書かれていて、とても助かります。
モデルルートに従って、大手石垣、枡形、石垣、井戸と回りましょう。
という訳で左に目を移すと大手石垣
高く綺麗な石垣。4mにも達するところもあります。
これだけ見ていると本当に城跡に来たかのような印象になりますが、ここは陣屋。
戦いよりも政治や住居に重点を置いているはずなのですが。。
もはや陣屋と城の違いとは何なのか状態ですが、家の守りを固めたい気持ちは分かるかな。
先へ進むとすぐに表門枡形虎口
高い石垣に囲まれて、なんだか城の本丸に入っていく気分です。
この奧にたくさんの家が並んでいるかのような。
虎口を曲がって抜けると。。。
立派な石垣
見えている部分で3重の石垣。思わず声が出てしまう立派さです。
岩村城の六段壁を思い出しますが、あそこより小さい分アクセスしやすいです。静岡県民だけ?
曲輪は三段になっていて、総合するとこちらも結構な高さです。
単なる仕切りというよりは城と共通する防御思想を感じてしまいます。
南端には川も流れていますし。
曲輪を登ります。
登る道はさすがにシンプル。
一番上の曲輪には井戸が残されていました。
一番上の曲輪。
今はだだっ広い原っぱですが、ここに書院建物などが建てられていました。
相当な広さということがお分かりいただけるでしょうか。
この裏は直接道路となっています。
このあたりに裏門があったようですが、さすがにわからないかな。
パンフレットなどもありますので、こちらから散策を始めることも可能です。
主役はあとに置いておきたい人はこちらから。
東側の通路を通ってスタート地点へ。
見下ろした先が甲州往還、身延道。
監視したい思惑もあったのかな。
こちらのルートは石垣がよく見えます。
ところどころ積み直した雰囲気も感じますが、このあたりは古そう。そしてきれい
下りきったら大手枡形虎口に到着。
これで小島陣屋を一周ですが、もう少しだけ続けます。
書院建物
小島バス停まで歩いてきました。5分くらいかな。
ここに、当時から残る現役の書院建物があります。
それがこちら。
注意しないと見落としてしまいそうな昔ながらの公民館風の建物ですが、こちらが当時のもの。
小島陣屋御殿の書院です。移築後は本当に公民館として使われていたようですが。
見学もできるようですが、この日は外から見るだけ。
それでも当時の建築素材が原状をとどめている、という点はよく分かりました。
家紋入りの欄間などもまた見てみたいものです。
頑張って接写してみました。
歩道が狭い。。。
感想
満足度 4/5
陣屋なので評判が良いと言ってもどうなんだろうと思っていたら、これはこれは。
評判がよくなるのも納得でした。
石垣や枡形の残り具合は大満足。
普通に車道沿いに歩くと裏門からの見学となりますが、その場合もぜひ大手までちゃんと見て回ってください。
ちょっと足を延ばす必要はありますが、御殿書院も含めて見学をぜひに。