韮山城の後は、近くの守山地区守山中世史跡群を散策
後北条氏の韮山城の近くですが、こちらは大河で話題の鎌倉北条氏ゆかりの地です。
馴染みの無いよそ者も、頼朝・政子ロマンの路の案内で大いに興味を惹かれました。
訪問時は大河前で誰もいなかったものの、大河中はきっと賑やかでしょう。
江川邸で見かけた看板に惹かれて訪問。
下調べは下の地図1に駐車場があることだけ。
現地の看板に倣って、駐車場を起点に反時計回りに散策しました。
1. 北条の里駐車場 2. 光照寺 3. 伝堀越御所跡 4. 伝北条政子産湯の井戸 5. 北条氏邸跡
前もって知ってから回ればよかったなぁと思うくらいたくさんの史跡。
戦国の韮山城、幕末の江川英龍、反射炉と合わせて、歴史豊かな地です。本当に。
今回訪問したうちの堀越御所は室町の史跡ですし。
前編では水色をご紹介です。
光照寺
駐車場に車を停めて最初にあるのが光照寺。
周辺にも中世寺院群が立ち並んでおり、この地の歴史の深さを感じさせます。
今も観光地化はしておらず、いわゆる地域のお寺。
山門は赤くて派手な印象も持ちますが、
中はいたって静かなお寺。
お邪魔している身分ですので、静かにお参りしたら次に向かいます。
説明板も見つけられませんでしたが、北条時政が建築した願成就院の支院だったそう。
その昔は、源頼朝の宿館だったと推定されています。
近くの願成就院は、最後に訪問しました。次の回になるかな。
伝堀越御所
次に見えたのは伝堀越御所 すこし時代が下って、室町の史跡です。
今はただの公園。。
当日も小学生がキャッチボールしていて、看板が無ければスルーしてしまう所でした。
看板によると、将来的に史跡公園にしていく予定はあるようです。
発掘調査も済んでいるのに伝が外れないのは決めてが無いのでしょうか。
見た目が草原の分?看板は多め。
庭園の池や区画の様子はわかっているものの、建物はまだわかっていないよう。
月並みですが、見つかってほしい。
このあたりの歴史に疎かったので後で調べた簡単な歴史です。自分の勉強メモですね。
足利幕府が関東支配のために設置した鎌倉公方。
享徳の乱により古河に移った5代目鎌倉公方、足利成氏への対抗として室町幕府が派遣した足利政知が鎌倉に入れず築いた御所が堀越御所でした。
堀越公方前後の歴史も壮絶で調べるとキリがありませんが、詳しい人に任せるとして。
政知の後継、足利茶々丸の時、伊勢宗瑞が堀越御所を攻めて堀越公方を滅ぼし、韮山城を本拠地として伊豆統治につなげたと思うと、韮山城と合わせて回る気持ちもまた変わりそうな気がしませんか。
伝北条政子産湯の井戸
伝堀越御所の向かいにあるのが伝北条政子産湯の井戸の石碑
石碑があるということは右手の道の奥に井戸もあるわけです。
景色は普通の住宅街の路地ですが。結構遠くて不安になる距離ですが。
自分を信じて家々の前を抜けると、突き当たりの民家の前にありました。
伝北条政子産湯の井戸
先ほどの堀越御所もその昔は北条氏の屋敷跡だったと考えられています。
本当に昔から脈々とかさなる歴史を感じられます。
伝ではありますが、かつては妊婦さんがこの井戸の水を飲んで安産祈願する習わしがあったそう。
地域の方にはなじみ深い井戸なんでしょうね。
北条氏邸 (円成寺跡)
産湯の井戸から少し進んで、狩野川沿いに進むと北条氏邸(円成寺跡)に到着。
その名の通り、鎌倉北条氏の館と、すぐそばに鎌倉幕府滅亡後に北条氏の菩提を弔うために建立された円成寺の遺跡です。
と言っても、ここもやはり本格的な整備はまだ。
令和3年の春から暫定的な公開が開始された、出来立てほやほやの施設です。
真っ白な見学用通路を進むと、突き当たりが見学場所。
そして周りは、
原っぱ。
…ではないんです!
当時の様子をイメージできる透明パネルが置かれています。
パネルの赤丸と現地に置かれた杭を重ねるといい感じに当時の様子が浮かぶという代物
写真では民家と被って分かりにくいですが、現地ではもう少し分かりやすかったはず。
透明パネルは初めてみましたが、できる範囲で簡便に整備されていて好印象。
ちなみに、こちらは北条氏邸側
ちょうど鎌倉幕府成立前後、12世紀末から13世紀初めにかけての掘立柱建物や塀、井戸など、現地で見つかった遺構のイメージが分かるパネルでした。
もう一枚違う方向にもパネル
こちらは円成寺跡
円成寺のお堂と考えられる礎石建物と池の跡、大量の出土品が見つかっており、そのイメージがパネルに描かれています。
1333年、鎌倉幕府の滅亡後、戻った北条高時の母、円成尼(えんじょうに)が北条氏の菩提を弔うために北条邸跡に建てたのが円成寺でした。
今は跡地ですが、江戸時代までは尼寺として続いていたことが分かっています。
鎌倉幕府樹立に向かう華々しい時代を過ごした地に、幕府滅亡後に帰ってきた円成尼の気持ちを考えると少し切ない気持ちになりました。
さて、守山地区の散策はまだまだ続きます。次回は名前の通り、守山へ。
こちらも近くの江川邸はいかがでしょう。
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