関西遠征最後は滋賀県の坂本城へ。
2021年冬に話題になっていたあの石垣を見に行きます。
一列に並んだ石列は少しでも、あると無いとで大違い。
今につながる大きな手掛かり、良いものでした。
お城:坂本城 滋賀県大津市
HP:坂本城址 | 滋賀県観光情報[公式観光サイト]滋賀・びわ湖のすべてがわかる!
訪問日:2021年12月
概要
1571年、比叡山焼き討ちの後、織田信長の命を受けて明智光秀が築城しました。
安土城と並び称される壮大な城郭でした。
本能寺の変の後、山崎の戦いで敗れた明智光秀は坂本城に戻る道中で命を落とします。
安土城にいた明智秀満はその報を聞き、坂本城に入城。
堀秀政に包囲され、城に火を放って自刃しました。
その後、丹羽長秀が城を再建。杉原家次、浅野長政が城主となります。
長政時代の1586年頃、大津城に移転。資材を移し、廃城となりました。
訪問記
関西城めぐり最後のスタート地点は、さらに飛んで滋賀県の比叡山坂本駅。
こんなブログを見に来られる方はお察しかもしれませんが、お目当ては石垣です。
2021年冬は琵琶湖の水位が記録的に下がり、湖面に現れていたのです。
というわけで、比叡山坂本駅から比叡山方面の観光地には目もくれず琵琶湖岸の坂本城へ向かいます。
明智塚
駅から歩くこと20分、何の変哲もない住宅街で最初に通りかかった関連史跡は明智塚
坂本城落城の際に、光秀の脇差や宝物を埋めた場所とされます。
由緒もなかなかですが、地主さんが個人的に管理されていることもなかなか驚き。
綺麗に管理頂いて、案内まで立てていただいてありがとうございますです。
湖に残る石垣
明智塚で良い感じに雰囲気を作って、いざ石垣へ。
お目当ての石垣は道路から脇へ逸れた湖岸にあります。
明智塚から県道558号線を南下、ガソリンスタンドや企業の事務所を過ぎたところ。
大きな看板の足元の、お手製感ある小さな看板が目印です。
このあぜ道を進むわけですね。
入口は心細い感じですが、中はしっかりと踏み固められた道
左折先は先が見通せず一層不安ですが子供向けひまわり迷路のような道を抜けると到着。
こちらがその石垣跡
湖岸の石と比べて明らかにおおきな石が湖に向かって真っすぐ並びます。
これが石垣の根石。
この日の水位は-45cmくらい(だったかな)。それでこのような見た目でした。
写真では縦に4つですが、現地では左に向かう石列も少し見えていました。
水も綺麗で現地だとよく分かるのですが、写真では水面下は見えませんね。ぜひ次の機会に現地で(笑)
胴木も残るそうですが、そちらはさすがに肉眼でも見えませんでした。
報道直後は人も多かったらしく規制線も張られていましたが、この日は私だけ。
話題になったころはさらに20cm以上水位が下がっていましたから、その時と比べたら全然見えていないんでしょうけど、それでも根石の角がはっきり。
ここまで歩いてきた住宅街か畑にほぼ遺構がないこととの対比もあって、本当にここに城があったんだという感慨を一層得られます。
たった数個の石でも思うところはあるものです。
この石垣のある敷地をお持ちの事業所正門には、本丸あとの石碑も置かれています。
テカってよく見えませんが(笑)、目印の一つとして。
あぜ道の入口とは少し離れていますので要注意です。
坂本城址公園
引き続き、坂本城の石垣からさらに南に進んだところの坂本城址公園へ。
立派な石碑とそこそこの駐車場。車で来られる方はここを使ってもよさそうですね。
訪問時は混雑避けで利用禁止になっていましたが、さすがにもう収まったのでは。
ここからだと石垣のある曲がり角の経路図まで完備です。
きっと周りのあぜ道に入っちゃう人がいたんだろうなぁ。気を付けます。
公園には、古くからの浜があったり、
坂本城を全力で推す掲示板、
坂本城跡の案内板があります。
が、これを見ていただいても分かる通り、実はここ(赤丸)は坂本城の外。
坂本城の跡地は住宅街化していてほぼ遺構はありません。残念。
デフォルメ強めの明智光秀像もいますが、
城巡りを忘れて琵琶湖を眺めてのんびりする公園、と言ったところでしょうか。
海と言われても信じそうなさすがの景色。ぼーっといくらでも見ていられます。
最後は、比叡山坂本駅までなるべく城域を通りながら戻りましょう。
坂本城址公園からすぐの場所にあるのが、東南寺
延暦寺から見て南東にあるから東南寺。
お寺には深い伝統があり、さらに坂本城とのつながりも。
中には坂本城落城時に戦死した兵を弔う首塚も置かれています。
ただ、この日は入れず。その日に一目見ておきたかったところです。
最後は、二の丸跡に設けられた城址碑
こちらは公園とは違ってかつての城域と推測される場所に置かれています。
と言っても、やっぱり周りの雰囲気からすると城址碑というより一里塚か何かかと思ってしまう環境。
水路や道路はかつての名残かと思うところもありますが、今一つ自信を持ちきれず。
すごすごと駅へと退散です。
感想
満足度 3/5
遺構はほぼ無いので点数も付けられませんが、石列ははっきりと残っており、ここに城があったことをしっかりと伝えてくれます。
一列だけの遺構ですが、静かに過去に思いを馳せることができました。
良い機会に見に行くことができて良かった。