にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

百名城 松坂城 (48・三重県松阪市) 2/2 -蒲生氏郷の高石垣 搦手から御城番屋敷へ

引き続き、松坂城を散策。
今回は天守台の後、きたい丸から搦手口方面、さらには今の城域を少しはみ出して御城番屋敷も回ります。

この御城番屋敷、とても美しい外観かつ、今も現役バリバリの武家屋敷というかなりレアな物件。はみ出して見てみて良かった。

その1はこちら

tmtmz.hatenablog.com

お城:松坂城 三重県松阪市
HP:国指定史跡・日本100名城 松坂城跡 - お肉のまち 松阪市公式ホームページ
訪問日:2017年3月、2023年3月

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訪問記

きたい丸

天守台から下りて、きたい丸方面を散策するところから再開です。
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縄張図で見ると、中央の天守台から南西のきたい丸へ降りたところ。
ここから北を回って、南東の搦手口方面へ向かいます。

きたい丸全景。
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変わった名前のきたい丸、その名は3代城主、古田重勝の子の幼名にちなみます。

振り返って見ると天守台はかなりの高さ。
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本丸から見たときはかなり低く感じましたが、やはり天守台はこうでないと。
本丸上段は、きたい丸から見ても結構高い位置にあるということですね。

きたい丸は今は梅園となっていて見通しがきかないですが、
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四隅にはいずれも櫓が建てられていました。
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ただ、いずれも名前の説明すらなし。
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略図にも記載がなかったことを思うと、何か理由があるのでしょうかね。アピールに使えたらなーと部外者は思ってしまいますが。
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天守台、本丸上段を見上げながら大手に戻ります。
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天守隣の敵見櫓台の石垣は隅石だけ新しく修繕されていました。
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さらに進むと藤見櫓。ちょうど北角にあたります。
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背後は本丸上段の北角。ちょうど本丸で見た排水溝が顔をのぞかせていました。
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足元までぬかりなく加工されています。

隠居丸・二ノ丸・裏門

ここから少しワープして、中御門へ。搦手筋を見ていきます。

本丸下段、太鼓櫓脇から見た中御門の枡形。
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こちらは本丸より整った石垣。打込接ぎかな。ちらほら大きな石も紛れています。
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二ノ丸まで下りてもう一枚。
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右手が太鼓櫓。正面最上段が本丸上段です。
搦手だからか通路は狭め。往時は櫓や多聞が密集していた感じだったのかな。やっぱり足元は気になります。。。

下りて西側は隠居丸。当時は道具蔵、宝蔵、米蔵がありました。
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今は本居宣長旧宅が城下から移築保存されていて、見学も可能です。

東側は土戸御門を挟んで、二ノ丸へ続きます。
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二ノ丸全景。
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こちらも広い。かつては二ノ丸御殿(徳川陣屋)がありましたが、明治10年に焼失してしまいました。
今は野外劇場や大きな藤棚が置かれています。

ここから松坂城南隣に広がる御城番屋敷が良く見えます。
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長く伸びる2棟の長屋がそれ。かつての三ノ丸にあたり、今もなかなかすごい場所です。詳しくは後ほど。

二ノ丸から裏門へ。
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どこまでも高くて立派な石垣で
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威圧感を感じます。

両脇の石垣も高くて美しい。
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最後は正面に延びる御城番屋敷へ

御城番屋敷

裏門を出てすぐに御城番屋敷に到着。二ノ丸からも良く見えた2棟の武家長屋です。
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その名の通り、松坂城の城番(城の守衛にあたった兵士)20名とその家族が住んだ屋敷で、1863年に築かれました。

明治維新の後、ここに住まわれていた城番たちは屋敷の維持管理のための会社、苗秀社を設立、今に至るまで屋敷に住んで維持管理にあたられています。
苗秀社の社員は今も直系子孫たち。そこまでするにはそれ相応の誇り高き出自がある訳ですが、さすがに長くなりすぎるので、苗秀社なりで検索いただければ笑

ここでは現場に戻って、屋敷の北端にある蔵を見ていきます。
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こちらがその蔵。元は松坂城の隠居丸に建てられていた米蔵で、明治期に苗秀社に払い下げられたと言われており、松坂城唯一の現存建築の可能性があります。

その大きさとともに、きれいさにも驚きます。さすがの管理レベル。。。

先へ。建物前方の美しい槇垣が広がります。
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この屋敷群は先述の通り今も現役。という訳であまりじろじろ見る訳には行きません。

が、ありがたいことに松阪市が1棟借りて公開して下さっています。

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この日は閉館に2分間に合いませんでしたが。。。

最後は、御城番屋敷越しの松坂城を。
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遠くの石垣と近くの槇垣、石畳のあまりの美しさと雰囲気に映画のセットのように感じますが、現役の住宅と間の路地。井戸端会議みたいなこともあるのでしょう。きっと。
もちろん気苦労はあまりあると思いつつ、ちょっとの間、住んでみたいと思ってしまったりもします。

感想

満足度 3.5/5

蒲生氏郷流の築城術、複雑な縄張りや荒々しくも高い石垣は良いものでした。縄張りを語る知識はありませんが、素人の妄想が捗りました笑

御城番屋敷は言わずもがな素晴らしく、是非足を延ばしていただきたい。現役なので静かな見学必須です。

櫓跡など要所に案内はありましたが、解説もあったらもっと嬉しかったかも。今のままだとお肉の待ち時間に足を延ばすには少し玄人向けかなぁ。
足元直すよりそちらを対策してほしかった…

アクセス

松坂城

  • アクセス
    電車・バス:JR・近鉄松阪駅から徒歩約15分 
          または市役所前バス停下車 徒歩約3分
    車:    伊勢道 松阪ICより約15分
          専用ではありませんが、無料の松阪市駐車場がほど近いです。
  • スタンプ・開館時間 
    松阪市立歴史民俗資料館
     開館時間:9:00~16:00(4月~9月は~16:30)
     休館日:月曜日(祝日除く)、祝日の翌日、年末年始
    本居宣長記念館
     開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
     休館日:月曜日(祝日の場合、翌平日)、年末年始
    上記いずれも松坂城内に立地します。
    休館時は、豪商のまち松阪 観光交流センター、松阪駅観光情報センターで押印可能です。
  • 城跡
    散策自由
  • 所要時間
    約1時間
  • 付近のスポット
    同じ松阪市の名城です。ハイキングスポットとしても人気

    tmtmz.hatenablog.com

    松阪駅からこちらに向かうこともできます。乗るハードルは高いですが、雰囲気の良いローカル線です。

    tmtmz.hatenablog.com

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