にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

続百名城 霧山城 (153・三重県津市) -北畠氏の本拠、戦時の詰城へ

北畠氏詰城のあとは、もちろんその奥の詰城、霧山城へ。

居館跡からほど近かった北畠氏詰城とは異なり、山奥深くに位置する、まさに戦時の詰城と言った様相の霧山城。

遠く高く登りましたが、疲れも吹き飛ばす素晴らしい遺構と、なにより良い雰囲気に出会えました。

お城:霧山城 三重県津市
HP:津市 - 多気北畠氏遺跡の概要
訪問日:2023年3月

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概要

1342年から8代にわたる北畠氏の本拠でした。
霧山城は、麓の北畠氏居館、その隣の北畠氏詰城からさらに奧に設けられた戦時の詰城でした。

1576年の三瀬の変で北畠氏は滅亡となりますが、その際、霧山城にも羽柴秀吉らの大軍が攻め込み、落城しました。

こちらもご覧ください。

tmtmz.hatenablog.com

訪問記

登城路

北畠氏詰城を見終わったところからスタートです。

写真は北畠氏詰城西端の竪堀。明確な加工はいったんここで終わります。

尾根道を山奥へ
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似た景色がしばらく続きます。
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道中は整備されていて急斜面も登りやすいですが、
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戦の世の詰城はかくあるべきというのを感じられる気がします。
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要は、どこまでも山奥へ行くということ。
それだけ攻め込まれることを恐れていたんでしょうね。
北畠氏詰城が居館からあまりにも近かったので、対比で遠く感じるのもあるかも。

こちらは途中にあった明らかな平場。なにかの曲輪かなと思ったら、
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ここは城跡ではないそう笑 まあ利用はされていたんじゃないかな。
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まだまだ登ります。最初にもこんな景色を見た気がします笑
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と思ったら、尾根から谷底に移ってきました。
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こういう道はいかにも狙われそうで嫌ですね。足元も滑りそうで。ちゃんとした靴を履いてきてよかった。

北畠氏詰城の竪堀から15分ほど。もう一度尾根筋に登って分かれ道に来ました。
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写真奥が先ほど左手に見えていた尾根に向かう方向ですが、がちがちの誘導で間違える心配はありません。

消された字がどうにも「熊にも注意」に見えるのは心配ですが。
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さらに登ること5分ほど。
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非常に曲輪っぽい地形を越えると、
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鐘突堂跡の看板が出てきました。ようやく霧山城に到着です。遠かった。。。
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南曲輪(鐘撞堂)

凄く簡略化された図と曲輪内にあった縄張図をもって、全体像を確認しましょう。
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霧山城は大きく南北2つに分けられます。
南が鐘突堂(鐘撞堂)。南曲輪とも呼ばれます。
北曲輪までは距離があり、そちらには本丸、矢倉の2つの曲輪が並べられています。

くねくねした道で描かれた麓からの道のりは1.2kmほどでした。
こうしてみると大した数字ではありませんが、比高は約240m。登りました。

こちらが鐘突堂、南曲輪の全景です。
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右側の木と切株のあたりからもう1枚
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北東から南西に長い曲輪は小さなもの。籠れる人数はさほどではないでしょう。
ただ、ピークに築かれていて、作るならここか、というのはよく分かります。

こちらは北曲輪・本丸方面
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左上、木の陰に見える稜線上が北曲輪。足元の道を通って向かいます。
同じ城に区分されていますが、別の城と言っても良いくらい遠いです。

こちらは北西方向だったかな。眺めがすばらしい。
ただ、山奥すぎて籠城時は孤独を感じそう。。。
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奥にはやや低い区画があり、鐘突堂の石碑が建てられています。
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その先は尾根筋になっていて、土塁+空堀で断ち切ってあります。
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たしかに尾根続きで南曲輪の中では弱点でしょうか。
こちら側は居館に対して裏側で相当な山奥ですが。

この先は難路らしいので南曲輪はここまで。
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こういう案内、無駄足を防げてありがたいですね。

北曲輪・本丸

本丸方面へ向かいます。道は一旦がっつり高度を下げます。せっかく登ったのに。。。
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自然地形にも見えますが、底部には浅くなっているものの堀があったようです。

下って登って少し進んで、北畠氏詰城からは25分ほどで北曲輪に到着です。
登り始めの北畠神社からは寄り道しなければ3-40分ほど、実際には1時間ほどかかりました。
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かなりの山城ですが、随所に案内があって助かります。本当に。

こちらが近くから北曲輪を眺めたところ。
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左手尾根にも小さな平場を臨みつつ、道は右奥の鞍部へ。
北曲輪に連なる矢倉と本丸の間の堀切につながります。

まずは、矢倉へ。
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霧山城では一番広いと思われる曲輪です。この後の本丸と違い平地が多めです。

縄張図には土塁が描かれていましたが、痕跡はかなり薄めです。
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一方で、最奥部、北東側に残る大きな堀は明確。
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方角は忘れましたが、南曲輪同様に素晴らしい眺望が印象的でした。
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折り返して本丸へ。
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奥に見える堀が最初にたどり着いたそれ。こちらも明確に残っています。

堀を越えて本丸へ。ここには虎口が置かれていました。
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逆光。。。

抜けて、本丸内部へ。
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明らかに矢倉とは異なり、周囲を高い土塁に囲まれた構造。広さよりも安全を優先したような印象で、虎口といい、突然高い守りの意識が感じられます。

こちらは順光の反対側から。たしか、右奥が本丸にやってきた虎口だったはず。
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黒飛びしていますが、霧山城址の石碑とともに。
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最初の方角からは左奥、西側には一段下がって米倉が置かれていました。
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こちらは土塁より広さを重視したのか、矢倉と同じく平らな曲輪です。
その先、小さな曲輪は見えますが急斜面、ということでこれで霧山城散策は終了です。

最後に、本丸土塁上にあった石碑を。
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良く登りました。達成感

この後は、仁柿峠を越えて次の城へ向かいました。
酷道レビューはしませんが、怖いもの知らずが過ぎたかも。対向車来なくてよかった。

感想

満足度 4/5

距離も比高も所要時間も結構なものですが、その分、戦国の世の詰城にかけた思いを感じられた気がしました。登った達成感も相まって、かもしれませんが。
ここまで本気で逃げ込もうと思うその気持ちと、逃げ込んだ時の孤独感と落とされた時の絶望感と。
ほんの一端を勝手に想像しただけですが、思いを馳せられたのは良かった。

単純に雰囲気も良いですし、北畠氏居館跡だけで終わらせずに再訪した甲斐ありました。

アクセス

霧山城

  • アクセスー多気北畠氏城館跡と同じです。
    電車・バス:JR名松線 伊勢奥津駅からバス 上多気交差点下車 徒歩10分
          JR名松線 竹原駅からバス 北畠神社前 下車すぐ
    鉄道、バスともに本数僅少のため、公共交通での訪問はかなり大変です。
    車:伊勢道久居ICより約60分
      駐車場あり
  • スタンプ・開館時間 
    北畠神社社務所
     開館時間:8:30~17:00
  • 城跡
    散策自由
  • 所要時間
    詰城込みで登り始めから降りるまでに1時間半でした。
    下りはかなり急いだので2時間みておくと良いかと。
  • 付近のスポット
    もちろんこちらの居館跡、詰城が一番近いスポットとなります。

    tmtmz.hatenablog.com

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    おなじ三重県の続100名城を。

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