西濃地方へ遠征。まずはいろいろな意味で有名な有名な墨俣城へ。
一夜城伝説、あらかじめ組んだ木材を流して建てた秀吉の大手柄は非常に有名ですね。
信憑性の議論も吹っ飛ぶような現地の現状ですが、周辺には興味深いスポットもチラホラ。
散策してみると良いところでした。
お城:墨俣城 岐阜県大垣市
HP:墨俣一夜城(大垣市墨俣歴史資料館) | 大垣市公式ホームページ/水の都おおがき
訪問日:2022年8月
概要
墨俣の地はもとより要衝で、斎藤氏が築いた洲俣要害がありました。
1561年、織田信長が美濃を攻め、洲俣要害を奪い、改修したことが記録されています。
1566年、豊臣秀吉がプレハブ工法を用いて一夜城を築いたとされます。
有名な伝説ではありますが、その信憑性には疑問も呈されています。
1991年、大垣城をモデルとした模擬天守を持つ歴史資料館として整備されました。
訪問記
墨俣城
犀川さくら公園の駐車場から散策スタートです。
天守目の前の橋のたもとにも数台分の駐車場はありますが、こちらも十分近いですし何より広いので、こっちの方が便利かな。
駐車場からは早速模擬天守が見えています。
遠くからでも存在感があります。
地域おこしで作りたくなる気持ち、分からなくはない、、、かなぁ
川を利用した堀と天守、のような立地ですが、コンクリートがちがちで自然なんだか人工なんだかよく分からない景色。
この天守が当時の墨俣城と全く違うというのは大垣市のHPにも書かれていることですし、それっぽければ良いんでしょう。
モデルとなった大垣城がすぐ近くにあるのはどうなんだろうとは思いますが。
右側に見えていた橋は太閤出世橋という名前。もちろんここでは秀吉全面推しです。
橋の向こうが本丸、なのかな。
千成びょうたんに
秀吉像もお出迎え。
そのまま窮屈な立地で天守入城口に到着です。守りも何もあったもんじゃない笑
できて30年くらいたっていますが、まだきれいすぎるかな。
中に入る前に周りも見ていきましょう。
思いを託す千成びょうたん絵馬に
なんだかよく分からない出世の泉
裏には一夜城の碑もありました。表にもあったような…
当たり前ですが、遺構らしきものはありません。
天守内に入りましょう。
内部は歴史博物館。もちろん秀吉の出世と墨俣城を絡めた展示となっています。
全面的に前野家古文書に基づいていて、潔い。論争なんて感じさせません。
また当然ながら展示されている墨俣城のイメージ図には、今いる天守はありません。
ここは何の建物なのか笑
突っ込みどころは満載ですが、全体的にはそれなりに読ませる展示でした。
最後はもちろん最上階からの眺望
大垣城方面と
岐阜城方面
特に岐阜城は雨でもくっきり見える近さ。
侵攻の拠点になりそうな近さであることは間違いなさそうですが、実際のところはどうだったんでしょうかね。
墨俣宿
今の墨俣城では少し歴史成分が足りませんので笑、近くまで足を延ばします。
墨俣宿。東海道と中山道をつなぐ脇街道であった美濃路の宿場町でした。
石碑も置かれて少しそれっぽく整備されています。
反対側には常夜燈と本陣跡の石碑も。
今は川の堤防になっていて本陣跡の雰囲気が全くないのがちょっともったいない。
美濃路から一本南の通りへ。
寺町と呼ばれる界隈で、その名の通り寺院がたくさん立ち並びます。
こちらは明台寺さん。
1126年の開山。由来はさらに遡る由緒正しきお寺です。
先へ進むと寺院に囲まれた、まさに寺町の様相に。
広専寺さんとお向かいは
本正寺さん
雰囲気のある山門と思ったら、墨俣宿脇本陣の門を移築したものでした。
お隣、突き当りには等覚寺さん
さらに隣は光受寺さん
こちらはしだれ梅がきれいだそう。8月は青々、というか鬱蒼としていました。
どこまでも続く寺町、というほどではないにせよ、雰囲気は良いです。
墨俣城の天守が無くても良い観光地では。。。
寺町を抜けて本陣の通りに戻ると、墨俣宿脇本陣跡
いわゆる脇本陣の跡地に趣きある民家が建てられています。
当時の建物が濃尾地震で倒壊した後にほぼ同様の構造で再建されたもの。
さきほどの本正寺さんの山門はここにあったものが移築されたものです。
大垣市景観遺産には、(安藤家)と登録されていますが、これは代々脇本陣役を務めた西美濃三人衆、安藤守就の御子息を指しています。
今は民泊となりましたが、宿場町だけあってさすがの歴史です。
空き地や建て替えられた箇所も多いですが、ところどころ雰囲気を残すカフェなんかも残っていました。
下の地図の通りすぐですので、墨俣城訪問の際は少し足を延ばしてみても良いのでは。
感想
満足度 2/5
作った側も再現するつもりはなかったところとは言え、現地に行くとやはりこれじゃない感を感じざるをえませんでした。
どうせやるなら城内に描かれたイメージ図に近いものにすればよかったのに、と思ってしまいますが、それはそれで一般受けしないでしょうし、あったなかった論争の火種にもなりそうではあります。
細かいことを気にしなければ、有名なエピソードのある城っぽい何か、ですし、軽く観光するにはいいところかも?
と思うと、ふるさと創生になってはいるんですかね。
今の城の立ち位置は観光地だからいいのかな。
アクセス
- アクセス
電車・バス:JR東海道本線 大垣駅または岐阜駅からバス 墨俣バス停下車 約12分
車:名神高速 安八SICから約15分
岐阜羽島ICから約20分
無料駐車場あり
橋近くにも小さな駐車場はありますが、犀川さくら公園駐車場が便利です。 - 城跡
開城時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
休城日:月曜日 祝日の翌日(土日月の場合変更) 年末年始
入城料:一般200円、18歳以下無料 - 所要時間
1時間 - 付近のスポット
天守から見えた岐阜城はいかがでしょう。
遺構が少なく、模擬天守が目玉になっているあたり、清州城もちょっと近いかもしれません。近くの本陣跡も。ただ、こちらは歴史が明確ですね。
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