にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

続百名城 高天神城(147・静岡県掛川市)2/2-東峰の本丸へ

前回に引き続き、高天神城。今回は東峰を回ります。

全く様相が異なる一城別郭を間近に見られるのは貴重ですね。
西峰ほどの深い堀切はなくとも、断崖の上の東峰もやはり堅固な名城でした。

お城:高天神城 静岡県掛川市
HP: 高天神城跡 - 観光サイト
訪問日:2019年5月、2023年2月

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訪問記

東峰

西峰の探索から戻って二つの尾根をつなぐ井戸曲輪から再スタート。
再度、略図にご登場願います。

右側に描かれた東峰は、最高地点に築かれた本丸から御前曲輪、三の丸と並びます。
また、本丸ふもとに的場曲輪も持ちます。

的場曲輪から本丸、御前曲輪、三の丸、追手門へと逆順で進みましょう。

「現在地」から東峰に上がり、
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最初は的場曲輪から。
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虎口を抜けると、斜面に築かれた曲輪に出ました。
西峰で見てきた曲輪たちと比べて横に広がりを持っており、そもそも尾根上ではない立地も含めて西峰の曲輪とは全く異なる様相です。

的場曲輪、という名前から弓矢の練習をしていたとも言われます。
また、発掘調査では砂利を敷き詰めていたことが確認されており、重いものか、弾薬のような湿気対策が必要なものを置いていたのでは、と言われています。

的場曲輪の奥からは本丸に上る通路と、もう一つ下る通路があります。
下から進むと突き当りには大河内石窟
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徳川方の軍監だった大河内政局は、武田勝頼による侵攻の際、降伏に反対したため城主小笠原長忠により幽閉されました。

そのまま7年後の高天神城奪還まで耐え忍び、救出されます。
その忠義に対して家康は恩賞を与えたとされます。
その間、密かに世話をしていたのが、この戦いで辛くも城を脱出した横田尹松でした。

石窟で7年過ごした大河内政局は歩けなくなっていたとされます。
そこまでしても敵方に降らない忠義、驚きです。

石窟から戻って、もう一方の道を進むと本丸につながります。
ただ搦手のような方向から入るのもなんなので、一度戻って大手に近い側の虎口から。
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左手が本丸、右手は本丸と尾根続きの御前曲輪に続きます。

さすがは本丸と思える深い深い虎口。こっちから入ってよかった。
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このあたりも西峰とは違う様相です。

本丸全景
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的場曲輪と同様に、西峰の曲輪群とは異なりある程度の広さを持つ曲輪です。
居住スペースにも使われていたんだろうなと思わせる広さ。

細部を見ると、的場曲輪のある西側には低いながらも土塁が残り、
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東側は土塁はありませんが断崖絶壁です。
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的場曲輪から続く側にも低くなってはいますが土塁と虎口が見られます。
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堀こそありませんが、断崖を生かした守りであったことが窺い知れます。

南隣の御前曲輪へ
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本丸と高さはほぼ同じ、土塁と虎口で仕切られています。

御前曲輪に入る前に、高天神六砦の一つ、火ヶ峰砦を望むことができます。
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望むことができるというか、見えてしまうというか。
劣勢に立たされていく絶望のほんの一端を感じられるような気がします。

感傷に浸りつつ、振り返って御前曲輪を眺めます。
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急にポップになりました笑

大東町が設置した顔出しパネル、置くなら本丸ではと思いますが、奥に見える地元の方が作られた戦前の模擬天守跡のコンクリ足場とともに御前曲輪に鎮座されています。
本丸を避けるのは戦前も今も共通なんですかね。遠慮なのかな。

御前曲輪にはもう一つ、元天神社もあります。
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西の丸で見た高天神社はもともとここにあったそう。本丸至近ですし、納得です。

元天神社脇の虎口から通路に戻り、
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三の丸
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本丸、御前曲輪の南、一段下がった立地です。
三の丸は小笠原与左衛門清有が守ったことから与左衛門平とも呼ばれます。

外周はぐるっと土塁に囲まれています。
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追手門にほど近い比較的広い曲輪、かつ本丸、御前曲輪の直下ですし、防御も重視されていたのでしょう。

このまま追手門へ下ります。
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もう一つ下の曲輪には着到櫓
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その名の通り敵の襲来を見張りました。

狭い曲輪ですが当然眺めはよく
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また高い土塁にも守られています。
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これを越える高さの櫓があったのかな。

さらに下りると追手門
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と言っても看板はあれど、どこがそれかはちょっとわかりません。。

そのまま駐車場へ。f:id:tmtmz:20230223213934j:image
大手にあたりますが今は完全に裏口。
駐車場も看板もありますが、人は明らかに少ないですね。

大通りには立派な看板がありますが、
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最後の交差点はこのレベルですので、追手門から行かれる方は予習必須です。
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感想

満足度 4/5

堀がすばらしい西峰と典型的な山城が残る東峰
武田と徳川の歴史や攻城戦の工夫も垣間見えて一粒で二度おいしいような、一城別郭の名城でした。

山城ですがアクセスも容易で、一般の方もたくさん訪問されていました
よく整備して下さった旧大東町の方に感謝です。

アクセス

高天神城

  • アクセス
    電車・バス:JR東海道線 掛川駅からバス 土方バス停下車徒歩15分
    車:東名高速掛川ICより約15分
      無料駐車場あり
  • スタンプ・開館時間 
     大東北公民館
     開館時間:9:00~17:00
     休館日:月曜日、年末年始
     アクセス:
      電車・バス:JR掛川駅からバス 大東北公民館 下車すぐ
     (土方の一つ掛川駅よりのバス停です。)
      車:東名高速 掛川ICより約15分
        無料駐車場あり
    掛川観光協会ビジターセンター「旅のスイッチ」
     開館時間:9:00~17:00
     休館日:年末年始
     アクセス:JR掛川駅南口構内
    掛川南部観光案内処
     開館時間:9:00~16:00
     休館日:水・木曜日、年末年始
    アクセス:電車・バス:JR袋井駅からバス 西田町 下車すぐ
      車:東名高速 掛川ICより約30分
        無料駐車場あり
  • 城跡
    散策自由
  • 所要時間
    ~1.5時間
  • 付近のスポット
    近くの百名城はやはり掛川城

    tmtmz.hatenablog.com高天神城攻め関連で。

    tmtmz.hatenablog.comこちらも高天神城絡みの名城です。

    tmtmz.hatenablog.com時代は異なりますが、良いところでした。

    tmtmz.hatenablog.com

     

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