引き続き水戸城を散策。
続いてはスタンプも設置されている弘道館から三ノ丸を回ります。
1回目の記事はこちら
お城:水戸城 茨城県水戸市
HP:水戸城跡 « 水戸市の観光情報サイト「水戸旅」【公式】水戸観光コンベンション協会
訪問日:2018年10月、2021年4月
訪問記
弘道館
本丸の薬医門から戻って弘道館を見学です。
弘道館は9代藩主の徳川斉昭の藩政改革の一環として1841年に創設されました。
藩校としては当時最大級の規模を誇りました。
藩内抗争や戦災でたくさんの建物を焼失しますが、正庁と至善堂は焼失を免れ、現代までその姿を残しています。
というようなことが正門前の看板に書いてあります。
さて、こちらが正門
歴史ある佇まいは1841年の創建時のもの。
向かって右の門柱には穴が開いていますが、これは弘道館の戦いの弾痕
歴史を感じます。
さすがにこの正門は通してもらえないので、向かって右手の今の正門から中へ。
この先の券売所に百名城スタンプがあります。
百名城スタンプはこんな感じ。
モデルは薬医門と堀でしょうか。弘道館ではないんですね。
弘道館の敷地内の配置
現存の正門、正庁、至善堂以外にも、さまざまな建物が復元されています。
有料ゾーンの外にもありますので、しっかり見ていかないと。
入ると早速正庁
今の入り口は上の写真のところですが、多分こっちがかつての正面、かな
正庁は、藩主や重心が列席して試験や儀式をおこないました。
中は撮影せずに見て楽しみました。
歴史ある施設は雰囲気を含めて見て楽しむのが一番。
ここも落ち着いていてとても良い雰囲気でした。
普段は入口の向こう側にかけられている「尊攘」の掛け軸を間近で見られたのが記憶に残っています。
全く下調べなしで訪問したらたまたま限定公開の日にあたったらしく、珍しくラッキー
中を見終わったら外を散策
梅林になっているところにはもともと文館がありました。
梅の季節は綺麗なんでしょうね。
こちらは至善堂だったかな
至善堂は藩主の休息所や諸公子の勉学所として使われました。慶喜公の謹慎した部屋でもあります。
対試場越しの正庁
対試場では武術の試験が行われました。
今もその時の様子が目に浮かぶような気がしますね。
写真では見づらいですが、対試場に面した正庁の縁側には游於藝(げいにあそぶ)の扁額が掲げられています。
六芸と呼ばれた礼儀作法、音楽、弓術、馬術、習字、算数を文武に凝り固まらずに悠々と極めるということを意味しています。
鹿島神社
弘道館の有料区域を出て外周へ。
北側には立派な堀が残されています。
弘道館の当時からあった遺構です。
その一端にあった土橋を越えて中へ。
看板や敷地は完全に鹿島神社のそれですが、弘道館とともに建てられた建物が復元されています。
弘道館は神需一致の精神をもって建学されたため、儒学の祖、孔子を祀る孔子廟が鹿島神社とともに設置されています。
見えている戟門と土塀以外は第二次大戦時に焼けてしまいましたが、復元されました。
そしてこちらは鹿島神社
弘道館の本開館式と同時に遷座祭が行われました。
常陸の国の一之宮である鹿島神宮から分霊を祀っています。
現在の建物は、第二次大戦時に焼失したのち、昭和49年の伊勢神宮式年遷宮の際に風日祈宮の旧殿一式を譲り受けて、伊勢神宮で造営されていた時とほぼ同様に移築されたものとのこと。
鹿島神社の境内にはまだまだ当時のものが残されています。
八卦堂
弘道館見学の精神の象徴である弘道館記碑を収めています。
要石歌碑
斉昭自筆の和歌が刻まれています。
学生警鐘
その名の通り学生に時刻を知らせるための鐘です。
鐘にも斉昭自筆の和歌が刻まれています。
こちらは戦災にも耐え、当時のものが弘道館内で展示されています。
それぞれの由来を知ると、斉昭の弘道館にかけた思いも見えてくる気がします。
そしてこの敷地の端には少しだけ虎口も復元されています。
何の気なしに通るとただの公園の入り口(というか突き当たり)ですが、土塁や通路が再現されていて、頑張れば想像できなくもないかも。
繋がってはいませんが、喰い違い虎口から三ノ丸外に出る北柵御門も復元されています。
三ノ丸周囲を散策
弘道館の敷地見学を終えた後は、水戸駅に帰るついでに三ノ丸をぐるっと一周
途中見かけたハイカラな建物は配水塔でした。
昭和7年から平成11年まで使われていました。
こちらは東武館という武道場
開館は明治なので弘道館よりは少し新しい時代の建物です。
と、普通の街歩きになりそうなところですが、折れて裁判所前の道を歩くと立派な堀
当時から空堀だったと考えられているので、ほぼこんな景色だったのかな。
広さ深さともに非常に立派。やっぱり水戸城だとこれくらいの規模の堀になりますよね。
これなら堀底に道路や線路を通したくなる気持ちはよく分かります。
感想
満足度 3/5
二の丸、本丸は学校になっていて広い敷地のわりに遺構は少ないですが、それでも大手門や薬医門など、間の空堀から感じられる格式は別格のものがあります。
弘道館だけを回っていたらもったいないですね。
鹿島神社側はほぼ神社の見た目なのでコアなファン向けですが、三ノ丸西側の堀は一見の価値アリです。