にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

田原城 (愛知県田原市) -復元された門と街中に残る崋山の名残

三河地方は渥美半島の付け根、田原市にある原城へ。

かつて渥美半島に力を持っていた戸田氏が築いた城郭は、復興建築を携えつつ、遺構も残った城址公園となっています。
綺麗に整備されていて散策している方もいて、地元の愛着を感じる城跡でした。

お城:田原城 愛知県田原市
HP:田原城跡 | 観光スポット・観る | 渥美半島だより【渥美半島観光ビューロー公式サイト】
訪問日:2021年10月

f:id:tmtmz:20211016222629j:image

概要

1480年ごろ、戸田宗光が渥美半島統一の拠点として築きました。

戸田氏は、今川氏、織田氏松平氏に囲まれる中、服従、反抗を繰り返して生き残りを図りましたが、1550年ごろ今川氏に攻撃され、落城します。

桶狭間の戦いの後、徳川(松平)家康が攻略、家康の関東移封の後は、秀吉の家臣、吉田城主の池田輝政重臣筆頭、伊木忠次が城主となります。

江戸時代に戸田氏が城主に戻りますが、1664年に三宅氏に交代、明治維新に至ります。

かつては海に面しており、形状が巴文の形に似ていたことから巴江城とも呼ばれます。

訪問記

原城田原市博物館の無料駐車場をお借りしてスタート。
そのまま行くと田原城の見学からとなりますが、周辺の名残も見てみたいところ。

ちょうど地図の中心に書かれた惣門跡から見ていきましょう。
f:id:tmtmz:20220206171801j:image

惣門跡-田原市報民倉

大手通りに沿って、離れる方向に歩みを進めること5分ほど。

復元建物に目が行きがちですが、年季の入った石垣も見えるこのあたりが惣門跡。
f:id:tmtmz:20211016222654j:image
原城の総構の門がこのあたりにありました。
東側の総構えの石垣が残るのみ、とのことなので、年季の入った石垣がそれなのでは。

石垣につながるような土塁もありましたが、これは違うのかな。
f:id:tmtmz:20220206171804j:image

建物も見てみましょう。田原市報民倉 いわゆる備蓄倉庫です。
f:id:tmtmz:20211016222757j:image
このネーミングはかつての田原藩の備蓄倉庫に由来します。

1835年、田原藩渡辺崋山の指導で、飢饉に備えた備蓄倉庫、報民倉を作りました。
これは、身分・年齢・性別を超えた事業であったとされます。

1836, 7年に天保の飢饉が発生しますが、田原藩は餓死者、流出者を出しませんでした
この結果、幕府からも表彰を受けたそうです。

備蓄倉庫自体は現代では常識ですが、歴史を現代に伝えるネーミングは良いですね。
ちなみに、実際の報民倉はもっと城よりにあったそう。まぁそのあたりはご愛嬌かな。

大手通りを通って、中心に向かいます。

歴史を感じる枡形から
f:id:tmtmz:20211016222722j:image

真っすぐ伸びる大手通りを進みます。
f:id:tmtmz:20220206171806j:image
大手通り左手には小学校があります。この位置にかつては藩校成章館がありました。
f:id:tmtmz:20220206171756j:image
同じ場所に学校を置く。この辺の歴史を継承する感じもなんだか嬉しいですね。
近くには、こちらは名前を受け継いだ愛知県立成章高校も。少し前に甲子園に出ていましたね。

原城 -桜門・二ノ丸櫓

改めて田原城を見学

最初に縄張りを確認しましょう。
f:id:tmtmz:20211016222744j:image
本丸の周囲、南に二ノ丸や三ノ丸、北に藤田曲輪など複数の曲輪を置き、さらに堀に囲まれた縄張りでした。
今は周囲は住宅街になっていますが、当時は海に面した城でした。

このうち、本丸、二ノ丸、三ノ丸と周囲の空堀、南2つの池が残っています。

今回は南から北上するので、最初の遺構は南側の水堀。東側は袖池
f:id:tmtmz:20211016222800j:image
古そうな野面の石垣と土橋。ここの石垣が田原城で最古のもの

チラッと門も見えていますが、まずはもう一方の水堀へ。
メインディッシュは後に残すタイプなので。

池という名前ですが、大きくて奥が見切れているので大きな水堀のような印象
f:id:tmtmz:20211016222754j:image
狭間の入った土壁も復元されていて、良い雰囲気です。

こちらは反対の枡池
f:id:tmtmz:20211016222805j:image
こっちは小さいので、まんま池ですね。

城内に入りましょう。今の田原城のシンボル桜門。いわゆる大手門です。
f:id:tmtmz:20211016222735j:image
イチョウが立派すぎてあんまり見えない。。。平城なのに冬が時期なんて。

気を取り直してもう一度
f:id:tmtmz:20211016222629j:image
かなり豪勢な門。
作り物感を感じなくもないですが、復興でも建物があるとないとで雰囲気は違うので良いんじゃないかな。
ただ、当時の姿が気になるなぁ。

門をくぐって右手には三ノ丸
f:id:tmtmz:20211016222651j:image
ほどほどの広さを持つ曲輪は、今は護国神社となっています。

もう一度通路に戻ります。
二ノ丸の入り口に古い石垣。

そして復元された建物 二ノ丸櫓が置かれています。
f:id:tmtmz:20211016222620j:image
実際には桜門をくぐってすぐに見えて、一番高い建物。象徴だったのでしょう。
今は木がすごくて写真映えしないんですけど笑

今の二ノ丸櫓は、古写真とは様相も違い、錆も見えて、見た目はイマイチですが、中は無料で見学できて、模型もあって寄ったほうが良いところですよ。

二ノ丸には、田原市歴史博物館が建っていて雰囲気はなし。
f:id:tmtmz:20211016222752j:image
原城の展示が見られるかと思ったら、渡辺崋山と芸術の企画展中心でした。意外。

本丸へ向けてだいぶ太いですが、土橋を通って進みます。

三ノ丸北側には立派な空堀が残っています。
f:id:tmtmz:20211016222737j:image

二ノ丸側も同様に深い空堀
f:id:tmtmz:20211016222802j:image
今は駐車場につながっていて簡単な冠木門がありますが、当時は三の丸側と同様に水堀につながっていました。

階段になっているので降りてみます。
f:id:tmtmz:20211016222712j:image
堀を降りたところには井戸
水堀から続く空堀なので水は得やすそうですが、雨の時は大丈夫だったのでしょうか。

堀底から1枚
f:id:tmtmz:20211016222647j:image
深さ、登れなさがよく分かります。

あと、この階段から本丸石垣がよく見学できます。
f:id:tmtmz:20211016222742j:image
このあたり袖池石垣とともに田原城の遺構で一二を争う見どころじゃないかな。

本丸・巴江神社

御殿が建っていた本丸は巴江神社となっています。
枡形があったようですが、分からなかったな。f:id:tmtmz:20211016222725j:image

まずはお参りしてから見学
f:id:tmtmz:20211016222642j:image

一見大きな神社に見えますが、周りをよく見ると、f:id:tmtmz:20211016222622j:image

土塁に囲まれています。
f:id:tmtmz:20211016222624j:image

このあたりが分かりやすいかな
f:id:tmtmz:20211016222632j:image
さらに北側まで行ってみましたが、道路になっている藤田曲輪との間の堀は見えず。
もう一度本丸から堀を通って、田原城見学終了です。

感想

満足度 3/5

象徴となっている桜門や二ノ丸櫓は見栄えはしますよね。
当時の姿と違う所はありますが、そういう成分は石垣や空堀で補充できますし。

それなりに歴史を大切にされている感のある周辺散策も良いものでした。
その割に二ノ丸櫓はなんで全く違う形にしちゃったかな笑

アクセス

原城

  • アクセス
    電車:豊橋鉄道 三河田原駅より徒歩15分
    車:東名高速 豊川ICより約60分 
        または浜松ICより約80分
      無料駐車場あり
  • 城跡
    散策自由
    城内の田原市博物館の開館時間は以下の通り
    田原市博物館HP
    開館時間:9:00~17:00(最終入館16:30)
    休館日:月曜日(祝日の場合、翌日)、年末年始(12/28-1/4)
    入館料:大人310円、小中学生150円
  • 所要時間
    ~0.5時間
    周辺も散策する場合、1時間程度
  • 付近のスポット
    豊橋市中心部の続百名城、吉田城

    tmtmz.hatenablog.com以前、伊勢湾一周旅行をしたこともありました。

    tmtmz.hatenablog.com


    ↓気が向いたら押してやってください
    にほんブログ村 旅行ブログへ