段々と寒くなってきて、紅葉がきれいな季節になってきました。
どこかに紅葉も見に行きたいですが、今年は行けるかな。身近な公園で楽しもうかな。
さて、ブログの話題は福井城巡りが一段落したので、身近な県内スポット訪問に戻ります。
最初は静岡県は中部の吉田町にある小山城。
諏訪原城、高天神城などとともに武田氏の駿河侵攻の際の城跡です。
三重の三日月堀、丸馬出など、見どころも多いところでした。
模擬天守はいろいろ言われていますが、展望台と割り切るならありなのかなと。
お城:小山城 静岡県榛原郡吉田町
HP:展望台小山城/ようこそ吉田町へ
訪問日:2020年10月
概要
築城年は定かではありませんが、今川氏が築いた砦が土台になったとされます。
武田信玄が駿河侵攻ののち、駿河侵攻の拠点として砦を改築、小山城と名付けました。
勝頼の代に築かれた諏訪原城(訪問記)とともに高天神城(訪問記)攻城の足掛かりとしましたが、その後、徳川軍からの激しい攻撃にさらされました。
小山城自体は攻め落とされなかったものの、高天神城落城などの戦況の悪化により1582年に放棄され、落城しました。
1987年に能満寺山公園として整備され、公園の展望台として模擬天守を築きました。
今では町のいたるところに天守の絵が描かれていて、天守を被ったゆるキャラもいて、町のシンボルになっています。
訪問記
能満寺山公園南側の駐車場から登城スタートです。
大手門とは裏から入ることになります。
前述のとおり、敷地全体が能満寺山公園として整備されています。
城跡もきれいに整備されていますが、地図はデフォルメされたものばかりで初見だと構造がよく分かりません。。
結局、縄張りの構造は模擬天守内のミニチュアで初めて理解しました。予習するか先に模擬天守に入ってしまうのがおススメです。
登城路も案内がきちんとしていてわかりやすいです。
まずは公園の名前の由来になっている能満寺さんの境内へ。
能満寺さんは1262年に開かれた由緒正しいお寺です。
境内もきちんと整備されていました。
そして能満寺さんの名物は門の脇に鎮座する大ソテツ。立派ですね。
日本三大ソテツの一つで、国指定特別天然記念物に指定されています。
日本三大ソテツなんてあったんだ。。
高さ6m、幹の周囲が2m、枝分かれして東西8m、南北11mに広がる大きなソテツで、995年に安倍晴明が中国から持ち帰って植えたと伝えられます。
遠州七不思議の13ある話の一つにもこちらのソテツは登場します。
徳川家康が立派なソテツに魅了されて、駿府城に移植したら、夜な夜な能満寺に帰りたいと泣いたので、かわいそうに思った家康がソテツを戻した、のだそう。
七不思議が13ある時点でどうなんだろうとは思いますが、どこまで信じるかはあなた次第、ですね。
境内を抜けると展望台への階段。
もはや完全に展望台扱いですが、城跡に向かっています。念のため。
最初の階段を上るともっとしんどい階段が出てきます。
ちなみに、写真右端にちょっと写っているスロープを使っても登ることができます。
若者なら階段を使わないと、と思って突き進んだら途中で後悔したので、スロープがおススメです。(傾斜がきつくて高所恐怖症が発動するとは。。。)
最初からこれを見たら素直にスロープを使ったのに。
登りきると到着です。
赤い橋に芝生にと山の上の公園という雰囲気ですが、堀でイメージはつきます。右が本郭、左が二の郭です。
堀はちょっときれいすぎる気はしますが、埋まっていたそうなので、この復元は良いですね。
振り返ると堀ごしの模擬天守。こんなところにこんなものは当時はなかったでしょうが、今の小山城ならベストショットかも。
まずは本郭からまわります。
本郭は山の端に作られて、周囲を崖に囲まれた造りになっていますが、今は芝生広場という装い。
真ん中でカップルが楽しいひとときを過ごしていたので早々に退散して二の郭へ。
色々ごてごてしていますが、真ん中に見えている丸馬出へ向かいます。
本郭との間には、今は目を引く赤い橋が架かっています。
もちろん当時のものではなく、下の土橋が当時は使われていました。
丸馬出から二の郭の対岸を眺めます。当時の城兵になった気分ですね。
三日月堀にフォーカス。こちらも復元整備されたもの。立派です。
引きの画。本郭から二の郭への位置関係がよく分かります。
三の郭へ続く虎口
土塁は低くなってますが、土橋と両側の堀はちゃんと残っています。
三の郭からの堀。かなり浅くはなっていますが、イメージはできますね。
そして三の郭には小山城最大の見どころ、三重の三日月堀があります。
写真だと分かりにくいですが、深い堀が3本走っているのが分かるでしょうか。
もいっちょ。幅、深さ、長さどれをとっても立派な堀です。
これだけ立派な堀が三重で走っていたら、攻め込むのは大変ですね。だから落城しなかったのかな。
三重堀の脇を進むと大手口方面への道が続きます。
おそらくこの辺に復元大手門があったはずですが、跡形もありませんでした。
散策を終えて、模擬天守へ。
内部は歴史資料館になっていて、当時の縄張りの模型などの展示があって、とても理解が進みました。
さっさと入っておけば分かりやすかったのに笑
そして最上階からの景色を楽しみます。展望台の本領発揮ですね。
見た目は気になりますが、この景色を見るための台と割り切ると良いのかも。
本曲輪と二の曲輪を眺めます。館内の模型と合わせて構造がよくわかって良いです。
こちらは三重堀方面。さすがに林の中で見えません。
駿河湾方面。海までの距離を思うと、ここが要所だった訳が分かる気がします。
諏訪原城や高天神城方面は見てもよく分かりませんでしたが、往時に想いを馳せられる良いところでした。
感想
満足度 3/5
思うところはありますが、曲輪の構造はよく残っていたり、整備されていたりと見どころは十分です。
三重の三日月堀が1番のメインだと思いますが、あんまり注目される作りになっていないんですよね。もったいない気がします。
模擬天守は、展望台と割り切るならわざわざ似せなくてもよかったのに笑
基本情報
- アクセス
電車:JR静岡駅、島田駅または藤枝駅よりバス 片岡北吉田特別支援学校バス停下車 徒歩5分
静岡駅からは約40分 30分に1本
島田駅からは約30分 2時間に1本
藤枝駅からは約25分 おおむね1時間に1本(時折2時間間隔)
車:東名高速吉田ICより約10分
無料駐車場あり - 開館時間
9:00~16:30(最終入場16:00)
定休日:月曜 祝日の場合は翌日 12月28日から1月5日
入城料:大人200円、小中学生100円 - 所要時間
~1時間 - 付近のスポット
百名城関連だと、諏訪原城、高天神城ですね。
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