緊急事態宣言の狭間に訪問した小牧山城の訪問記です。
普通に登ったらなんてことのない山かもしれませんが、麓で勉強するだけで興味深い山城と感じるんだから面白い。
実は昨年末に訪問したのですが、そのあとずっと宣言が出ていたので寝かせた結果、季節が正反対の訪問記になってしまいました。
まぁ涼を感じるということで。
お城:小牧山城(149) 愛知県小牧市
HP: れきしるこまき(小牧山城史跡情報館)
訪問日:2020年12月
概要
1563年、織田信長が美濃攻略の拠点として築き、清州城から移り住んだのが始まりです。
城とともに南側には城下町も作りましたが、1567年に稲葉山城を陥落させると信長は岐阜城と改名して移り、廃城となりました。
1584年、小牧長久手の戦いの際、徳川家康・織田信雄軍が小牧山城を本陣とし、城の周囲に堀や土塁を巡らせます。
戦ののち再度放棄され、江戸時代には徳川家の聖地の一つとして立ち入りが制限されました。
訪問記
山麓〜れきしるこまき
小牧山北駐車場に車を置いてスタート。
駐車場は2時間だけ無料。すべて見切れるでしょうか。
散策開始前に、まずは現地の看板で順路を確認です。
ネットではなかなか順路を見つけられませんでしたので。
東側の曲輪を、れきしるこまき まで歩いて、大手道から登りますかね。
近くに土塁断面の展示がありました。
この土塁は小牧長久手の戦いの時に家康軍によって築かれたもの。
隣の説明板を見ると、色の違う部分ごとに作り方が変わっているそう。
色の違いは分かりますが、それ以上はちょっと難しかった…
土塁を抜けて、麓部分は曲輪がたくさん並んでいます。
これは発掘調査に結果に基づいて小牧長久手の戦いの頃の姿を再現したものとのこと。
とはいえ、公園の芝生広場の装いで、なかなか難しい…
進むと曲輪脇に井戸の復元
信長時代の武家屋敷の井戸が発掘された場所です。
東側の虎口
土塁でなんとか分かりますが、こちらも難しい。。
先へ進むと今度は堀で仕切られた区画。この曲輪は分かりやすい。
堀の向こうはおそらく小牧山城で最も大きな曲輪で、信長の屋敷跡と推測されている所、だったかな
南東側の虎口
こちらも非常に分かりやすい。通ってみたくなる形をしています。
この周囲に模型があるので、ここから散策開始してもよさそうですね。
そして、れきしるこまきに到着。
中身は三英傑関係の城や小牧山城の石垣の紹介など、いわゆる歴史資料館ですが、最新技術を駆使した展示がわかりやすく楽しかったです。
資料映像を非接触で選択できる仕組みはポストコロナの時代にマッチしてますね。
ここで予備知識を入れたおかげで、上で石垣を見たときの感動が変わりました。
大手道から主郭・スタンプへ
先へ。大手道に向かいます。
途中には改めて土塁
写真では分かりにくいですが、この土塁は本当に高かった。
そして、ようやく大手道。
ここから登り始めます。
整備はされていますが、土の道なのでハイキングコースと言ったところです。
大手道で山を登って天守に向かう設計は安土城(訪問記)に通ずるものを感じますね。
登る前にもう少し周りを観察。
というのも当時の大手道は反対側にも伸びているから。
正面は小牧市役所ですが、車回しに市役所の建物に向かってまっすぐ伸びる線があります。
これが当時の大手道跡。市役所一階の床にも続いているそうです。
大手道を登り始めます。
途中からどんどん自然の道に還って行くと思ったら、いつの間にか大手道を外れていました笑
でも、お陰で立派な空堀を見られました。
これは深い。家康の頃に築かれたと思われます。
さて、大手道に戻ります。
まさかこの道の途中、舗装が変わっているところで90度折れているなんて。
改めて大手道を登り切ると主郭です。主郭の目玉は石垣。
主郭に差し掛かると、石垣からの転落石がたくさん。
いやー大きい。
発掘で見つかった石垣の裏込め石も残されていました。
よく見ると平成22年の発掘で出てきたそう。調査期間の長さに驚きです。
主郭西側には石垣が見えています。
使われている石の大きさがすごい。
安土城もそうですが、権力というか派手好きというか。よくこの山の上まで運んできたものです。
これを4年しか使わなかったとはもったいない。
その上は模擬天守
当時を模したものではなく、小牧市歴史館として建てられた資料館です。
中は小牧の歴史に関する展示などなど。よくある昭和の歴史資料館という感じで、れきしるこまきを見た後だとちょっと時代を感じます。。
スタンプはここの入り口です。
天守がモデルですね。
なんだか白いのは押しミスかデザインか。
模擬天守最上階からの景色。眺望は最高ですね。
天気も良かったので岐阜城や犬山城を探しましたが、肉眼では流石に厳しかった。。
名古屋空港もFDAの飛行機も見えました。
静岡空港にしかいないと思っていたFDAにこんなところで出会うなんて。
帰りは搦手門方面へ。
途中にはブルーシートに覆われた区画がありました。
今も発掘が続けられている現場でしょう。
最近見つかった三重の石垣かな?
そしてこちらには立派な堀
もう少し降りると虎口、土橋もありました。
この辺りは完全に山城の風情ですね。お手軽に山城を味わえるのは良いです。
最後は搦手門。
この後、スタート地点の駐車場へ。
いろんな景色を見られつつ、無料の2時間以内に帰ってこられました。
感想
満足度 2.5/5
麓の曲輪や土塁、山上の石垣や空堀など見所もありますが、続百名城としては一見分かりにくいところかもしれません。
個人的には石垣はもちろんですが、搦手側の堀や虎口、土橋がよかったかな
見所を「れきしるこまき」で勉強してから登るのがオススメです。
基本情報
- アクセス
電車:名古屋鉄道小牧線 小牧駅から徒歩20分 またはバス約10分 小牧市役所前 下車すぐ
または、名古屋鉄道犬山線 岩倉駅からバス約30分 小牧市役所前 下車すぐ
車:東名高速 小牧ICから約6分
駐車場2か所
小牧市役所駐車場:無料
小牧山北駐車場:有料(2時間無料)
2時間あれば見られるので、実質どちらも無料駐車場だと思います。 - スタンプ・開館時間
小牧市歴史館
小牧山山頂です。
HP:れきしるこまき(小牧山城史跡情報館) 開館時間:9:00~16:30
休館日:第3木曜日、年末年始(12/29-1/3)
入館料:大人100円、中学生以下無料(麓の れきしるこまきと共通です。) - 城跡
散策自由 - 所要時間
れきしるこまきを含めて1~1.5時間 - 付近のスポット
近くの百名城だと犬山城、名古屋城でしょう。