前回に引き続き、松本城を見学です。
天守の姿に目を奪われがちですが、それ以外の見どころも回りますよ。
前回はこちら。
天守内を見学
天守六階から一通り外の景色を堪能したところからリスタート。
もちろん次は内部の見学です。
六階には古い書類が飾られていました。
天守櫓拝借懇願書と建言書
よくある古い書類かと思いきや、松本城天守を守るために昔の人が動いた大切な証拠でした。
版籍奉還後、全国の城郭の大部分は破却されました。
松本城も例外でなく、競売にかけられ400万円ほどで落札、取り壊されることになります。
ですが、結果的に有志が買い戻したことで、取り壊しから免れることができました。
この書類は、買い戻し資金の調達に向けて、有志が松本城天守で博覧会を開催するために天守の借用を依頼した際に提出されたものです。
結果的に5回博覧会を開催、寄付金も併せて天守を買い戻すことに成功したため、今の松本城の姿があると思うと、感謝しかありません。
天守6階の梁の上には、二十六夜社が祀られています。
お告げに従って1618年から明治維新に至るまで毎月26日にもちをついたものを供え続けてきたものです。
火災がないのは信心の賜物かもしれません。
ちなみに、井の字に梁が組まれた構造は桔木(はねぎ)構造というもの。
てこの原理を利用して重い瓦屋根の軒先を支えています。
このあたりは解説によく書かれています。
五階には千鳥破風、唐破風が設けられ、内側からも外の様子を眺めることができます。
戦の際に重臣たちが作戦会議を行う部屋と考えられています。
一気に三階へ。
写真の暗さからも分かるように窓のない階で、外からは見えない階となっています。
二重目の屋根の裏にある。倉庫として使われていたとみられています。
下りて、辰巳附櫓へ。
ここからは江戸時代に増築された部分。
これまでとは雰囲気が違い、周囲には石落としはありません。
窓は格式高い花頭窓
奧へ進んで月見櫓。
薄い板戸に明るい開放的な作りになっていて、平和な時代を感じさせます。
月見櫓が残るのは岡山城と松本城だけ、天守と一体というのはここだけです。
徳川家光の善光寺参拝にあわせて増築されたものの、結果的に訪問はなくなってしまったそう。
時の城主には申し訳ないですが、そのおかげで今素晴らしい櫓が見られるので、造って頂いてありがとう、ですね。
月見櫓で天守内の見学は終了。
改めて天守を眺めつつ残りを眺めます。
太鼓門、二の丸御殿跡
天守にばかり目が行っていましたが、ようやく落ち着いてほかの見どころを巡ります。
こちらは太鼓門。
ですが脇目にまずは二の丸御殿跡へ。
こちらも現存してはいませんが、平面復元されています。
もともと副政庁として使われていましたが、本丸御殿の焼失後は正政庁として使われました。
こちらもかなりの広さですが、本丸御殿よりは小さかったので窮屈だったとか。
明治維新の後は筑摩県庁として使われていましたが、こちらも焼失してしまいました。
太鼓門へ向かいます。近くには太鼓門の礎石
明治維新の際に近所の肴問屋さんが譲り受けたものを大切に保管されていたそう。
太鼓門枡形一の門
門全体も威厳がありますが、巨石が何よりすごい。
玄蕃石と呼ばれます。
太鼓門二の門は高麗門
この二つの門で枡形を形成しています。
太鼓門への土橋は鵜の首と呼ばれる、門に近い側が細い形をしています。
侵攻してきた敵兵の動きを鈍らせる仕掛けです。
今の太さだとあまり影響がない気もしますが、当時はもうちょっと細かったのかな。
ここまでで天守付近の遺構見学は完了です。
もう少しだけだ周辺の遺構の散策に続きます。
感想
満足度 4.5/5
偉大な天守だけで満足度は最高ですね。
周りにも有名な観光地が多いですし、何かにつけていけるのも良い。
良いものは何度行っても良いです。
天守周りも、当時のまま残っている建築物は少ないですが、二の丸までの縄張りはかなり残っていて太鼓門などの復元もあるので見ていて想像が膨らみやすいです。
もうちょい空いていて入りやすければ良いのになぁ笑
基本情報
- アクセス
電車:JR篠ノ井線 松本駅 徒歩20分
または松本駅から周遊バス 松本城・市役所前 バス停下車 徒歩3分
車:長野道松本ICから約20分
有料駐車場は多数ありますが、満車になることもあるようです。
公式HPで空車状況を見られます。 - スタンプ・開館時間
松本城管理事務所
8:30~17:00(入場は16:30まで)GWとお盆は延長あり
観覧料:大人700円、小・中学生300円
年末以外無休 - 城跡
同上 - 所要時間
1.5時間 - 付近のスポット
百名城関連だと高島城が比較的近く。
百名城関連は長野県は松代城、上田城、高遠城、小諸城、龍岡城などたくさん。
観光地としても開智学校、安曇野、上高地などなど。松本観光で一日使っても十分楽しめます。
この旅は善光寺からでした。
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