岡山の旅、最後は備中松山城へ。
雲海に猫城主に話題が尽きない城ですね。
城好き的には三大山城や唯一の山城現存天守も言われますし。
でもそれだけではないところがよく分かりました。
あと、猫城主はかわいかった。
お城:備中松山城(68)岡山県高梁市
HP:備中松山城 - 高梁市公式ホームページ
訪問日:2021年8月
概要
1240年、秋庭重信が臥牛山の大松山に築いた城が始まりとされます。
元弘年間(1331~34年)、高橋宗康が城主の間に小松山まで縄張りが拡張されます。
その後、城主や縄張りは変化し、特に1574年の備中兵乱では三村氏の本城として要塞化されていることが記録されています。
備中兵乱の後は毛利家東方進出の拠点となりました。
江戸時代、小堀正次、政一親子の修築、水谷勝宗の大改修で最終的な形となりました。
廃城令に従い二束三文で売り渡されますが、場所が悪いことから建物は放置されます。
昭和初期に地元の中学校教師が荒廃した山城を調査し、記録を刊行することをきっかけとして修復の機運が高まり、当時の高梁町によって修復され、今に至ります。
訪問記
ふいご峠~大手門
吹屋散策から引き続きの訪問。
この日は登城整理バスがなかったのでふいご峠駐車場まで車で訪問。
すれ違いができない細い道が続きますが、スタッフさんもいてくれて安心です。
道中、日本猿の群れがいたのには驚きました。多いらしいですね。
山に近い方のふいご峠駐車場(下の方の赤四角)もまだ中腹。ここから歩きです。
この山道は雨だったらつらかったかもしれない。
少し登ると中太鼓の丸跡
石垣を配した2段の曲輪からなります。
こちらが下の段
こちらが上の段。
立派な石垣
と、端には中太鼓櫓の櫓台が残ります。
防御に加えて、山麓と天守との通信の中継点の役割もありました。
ですので、登城はまだまだ中盤なのです。
さらに5分ほど登って、大手門を通らずに裏門に続く犬走りの虎口を過ぎると、
大手門に到着
両側の石垣も大きくて圧倒されますが、さらに目を惹くのは
右手に幾重にも重なる石垣と巨岩とのコンビネーション。どうやって作ったんだろう。
これはすごい。本当に要塞ですね。
現存天守と猫城主程度の前知識で来てしまったことが恥ずかしくなりました。
大きな虎口を堪能します。
上から。
気分はまさに見張り番。そんな気分になれる眺めです。
当時は櫓門だったと考えられています。ここにどんな建物が建っていたのでしょう。
大手門の脇には二の平櫓という隅櫓もありました。
今は礎石が残ります。
このあたりから大手門虎口を振り返ると余計に要塞感があります。
高低差がよく分かるお気に入りスポットです笑
三の丸~二の丸
奧に続く土塀も一部は現存。なかなか見ないですね。
登った右手が三の丸
足軽番所、上番所などがありました。
反対側には三の平櫓跡
ここまでの登りっぷりを考えると見晴らしよかったんだろうな。
黒門跡
ここにも礎石が残っていました。
大手門よりはさすがに小さめですね。
黒門の脇は小さめの厩曲輪
馬をつないでいた曲輪。現代でいうところの駐車場だそう。パンフの説明が分かりやすい。
こんな山の上まで馬を連れてくるなんて、という山道でしたが行けるところまで楽をしたいのはいつの世も変わらないのかな。
黒門を過ぎた登城路から見上げる二の丸の石垣が城内でも最古のもの。
整ったきれいな野面です。
二の丸への入り口には鉄門
こちらにも礎石がしっかり。大きな門だったんですね。
二の丸
縦長の曲輪は城内最大の広さを誇ります。
どうしても現存天守に目が行ってしまいますね(笑)
気持ちにあらがわずにさっさと本丸へ向かいます。
今は本丸上にたくさんの建物があってとても雰囲気良いですが、天守と見えていない二重櫓だけが現存で、後は最近復元されたもの。
手を加えていただいたおかげで一層雰囲気が増したようで、良いです。
本丸への階段先の券売所からが有料区域。そしてスタンプもあります。
もちろんモデルは天守ですね。
さんじゅーろー
有料区域に入ってすぐにさんじゅーろーがいました。
少し丸めの猫城主は民家の飼い猫でしたが城に居ついたためにこちらが住処となりました。
観光客に対しても我関せずスタイルを貫きます。さすが。
天守
フライングしてしまいましたが、まずは本丸を散策。
本丸東御門
引き戸の門で勝手口にあたる門です。
五の平櫓、六の平櫓は本丸南御門と再建されましたが、八の平櫓は石碑のみ。
この狭い城域に櫓が盛りだくさん。当時の雰囲気が気になります。
目玉の現存天守へ。
三層にも見えそうですが、二層二重のこじんまりした天守
それでも威厳は変わりません。
1683年からあると言われますが、良い意味で年季を感じさせない整備も素晴らしい。
残ったのは撤去が大変だったからという後ろ向きな話もありますが、なんであっても残ってくれてよかった。
内部へは付櫓から入ります。
内部もそれほど広くはありませんが、所々珍しいものもあります。
籠城時の食事や暖房用に作られたと考えられる囲炉裏
こんな火事につながりそうなもの本当に使っていたのかな。
装束の間もあります。
籠城時の城主一家の居室かつ、万一の際の死に場所でもありました。
二階は御社壇という神棚があります。
これまた珍しい。
ちなみに2階からの眺めはそんなに。
監視は隅櫓たちが担っていたのでしょう。
二重櫓
最後にもう一つの現存建築、二重櫓へ。
本来は天守裏から行けたはずですが、今は二の丸経由で向かいます。
二重櫓への道中には搦手門跡の枡形。
奥は水の手門脇曲輪と後曲輪
ちょっとした曲輪たちと、
二重櫓でこちら側の守りを固めています。
巨石をうまく取り込んで作られた石垣が特徴的。
こちらはいかにも現存という年の取り方をしていますね。
さらに大松山城への矢印が出ていましたが、雨もあったのでここで終了。
大松山城はまた次の機会に。
そしてこれで岡山の旅も終了です。
感想
満足度 4/5
現存天守と猫を目当てに行きましたが、大手門の石垣など、これだけの山上にこれだけ良いものがあるとは思っておらず、予想以上の満足感でした。
その分、登城はしんどいですが、頑張る価値アリです。
猫のおかげで城にあまり興味がない人の同意も取り付けやすいのではないでしょうか。
アクセス
- アクセス
電車・バス:JR伯備線 備中高梁駅から天守まで徒歩90分
または備中高梁駅からバス松山城登山口下車 天守まで徒歩50分
車:中国道 賀陽ICから約30分
登城整理バス運行時は城見橋駐車場、非運行時はふいご峠駐車場を利用
登城整理バスは城見橋駐車場からふいご峠駐車場まで運行。
ふいご峠駐車場から天守まで徒歩20分
城見橋駐車場から歩いた場合、天守まで50分 - スタンプ・開館時間
備中松山城券売所
開館時間:9:00~17:30 (4~9月)
9:00~16:00 (10~3月)
休城日:12/29~1/3
入館料:大人500円、小中学生200円 - 城跡
同上 - 所要時間
~1.5時間(ふいご峠駐車場からの歩き含む) - 付近のスポット
百名城関連だと津山城や岡山城、備中高松城が近くです。
津山城がこの旅のスタートでもありました。
tmtmz.hatenablog.com中国地方ではこのあたりも回っています。
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