にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

百名城 山中城(40) 3/3 -本丸へ

3回に分けてお届けしてきた山中城の訪問記もようやく最終回。
本丸に向かいます。

前回はこちら

tmtmz.hatenablog.com

本丸がメインというお城も多い中、山中城はほかの見どころが多くて影が薄い気がしないでもない本丸。
ですが、やはりお城は縄張り全体を見て当時の考えを推し量りたいところ。
本丸、二ノ丸を見てようやく山中城の全体が見えた気がしました。

お城:山中城 静岡県三島市
HP:山中城跡公園 | 三島市観光Web
訪問日:2016年10月、2021年3月

訪問記

岱崎出丸、西ノ丸・障子堀と回ってきたあと、最後は本丸へ。
f:id:tmtmz:20210314222938j:image

この拡大図でいう右下の区画、北ノ丸、本丸、二ノ丸、三ノ丸を回っていきます。
f:id:tmtmz:20210515234710j:image
これだけでも普通のお城だと1周分ですね。

さて、現在地は地図の上部、西ノ丸。
北ノ丸へは山中の細い道を通って向かいます。
f:id:tmtmz:20210314224010j:image
このあたり、芝生とツツジの畝堀だったお城と同じ縄張り内とは思えません。

f:id:tmtmz:20210314224027j:image
谷を利用した堀(谷そのまま?)が走っています。

途中には谷を仕切った溜池が作られていました。
f:id:tmtmz:20210314224038j:image
ちょっと分かりにくいですが、、、やっぱり水の確保に向けた努力はすごい。

北ノ丸

空堀を見ながら進んでいくと、
f:id:tmtmz:20210314223829j:image

また畝堀が見えてきました。本丸堀
f:id:tmtmz:20210314224006j:image
写真左手の北ノ丸と右手の本丸を仕切る堀。
こちらは土が見えています。北の方にあるから草が生えないのかな。

まずは左手の北ノ丸へ向かいます。

北ノ丸は周囲を深い深い空堀に囲まれています。
f:id:tmtmz:20210314223924j:image

こう見ると一見浅そうですが、400年の歳月で埋まっていますので、ずっと深いはず。
f:id:tmtmz:20210314223838j:image
この辺りは畝堀ではないんですね。

北ノ丸全景
f:id:tmtmz:20210314224013j:image
割と広い曲輪。本丸側以外の三方に土塁が築かれています。

北ノ丸には、本丸とをつなぐ架橋がかけられていました。
天守櫓に次ぐ高地にあったことも含めて重要な曲輪だったと考えられています。

先ほどの北ノ丸堀。
f:id:tmtmz:20210314223952j:image
上から見るとその高低差がよく分かります。上がってくるのは厳しい高さですね。

天守

北ノ丸からの架橋で本丸方面へ。
f:id:tmtmz:20210314223959j:image
本丸に直結する橋というだけあって、万一の際には落とせる木橋が選ばれたんでしょう。

本丸堀から本丸(左)への高さもすごい。
f:id:tmtmz:20210314224138j:image

本丸に向かう前に天守に到着。
本丸からも一段高く、山中城では最高所に位置します。
f:id:tmtmz:20210314224126j:image
天守櫓には天守台が設けてあり、物見のための井楼、攻撃のための高櫓が立てられていたと推定されています。

ただ、現地では天守台はよく分からなかったかな。。

天守櫓と本丸の位置関係はこんな感じ。
f:id:tmtmz:20210314224048j:image
左手にみえる本丸と比べると天守櫓の高さがよく分かります。
あと、向かいに見える本丸北側の土塁の高さも。

当然ですが、北ノ丸もばっちり。
f:id:tmtmz:20210314223949j:image

見学ルートに沿って、次は本丸の一段下の兵糧庫のある曲輪へ。

途中には大杉 矢立の杉
f:id:tmtmz:20210314224103j:image
樹齢500年と推測されているので、当時からの生き証人です。
出陣の際にこの杉に矢を立てて勝敗を占ったことから矢立の杉と呼ばれているそう。

兵糧庫

本丸南側には兵糧庫や弾薬庫と言い伝えられる曲輪があります。

本丸からは一段低い曲輪に、
f:id:tmtmz:20210314223832j:image
平たい石と穴が検出されていて、礎石を用いた建物が建っていたと考えられています。

また、用途不明の大穴も4基検出されています。このあたりロマンが残っているポイント。
f:id:tmtmz:20210314223850j:image
今は兵糧庫っぽい形をしたトイレと、

f:id:tmtmz:20210314223804j:image
礎石が展示されています。

東側には諏訪駒形神社も置かれています。
f:id:tmtmz:20210314224130j:image

本丸

一段戻って本丸へ。

本丸は二段の曲輪からなっていて、周囲は高い土塁と堀に囲まれています。
f:id:tmtmz:20210314224134j:image
写真右手が北側の、奥が西側の土塁。いずれも高いです。
江戸時代の絵図では、藤棚が置かれているあたりに本丸広間が描かれているそう。

f:id:tmtmz:20210314223910j:image
下から見た北側土塁の高さも分かりますかね。

西側は二ノ丸につながる虎口
f:id:tmtmz:20210314224035j:image
こちらも厳重です。

そして本丸堀を挟んで二ノ丸へ。
f:id:tmtmz:20210314223801j:image
この本丸堀は、二ノ丸への土橋を挟んでV字の薬研堀と箱堀からなります。
箱堀側はここも畝堀。

二ノ丸と本丸の間には、途中で分断された土橋が検出されていて、当時も簡単な橋を架けて通っていたと考えられています。
f:id:tmtmz:20210314224117j:image
ということで現代も木橋と土橋でつなげられています。
本丸虎口が直線的というのは違和感ありますが、特別な施設は認められなかったとのこと。

二ノ丸

本丸から二ノ丸に入るとすぐに二ノ丸櫓台
f:id:tmtmz:20210314223835j:image

f:id:tmtmz:20210314224023j:image

二ノ丸櫓台から二ノ丸を眺めます。
f:id:tmtmz:20210314223758j:image
二ノ丸は全体に傾斜した広い曲輪です。
本丸と比べるとずっと広く、本丸の機能の一部を持っていたと推測されます。

こちらもやはり北側は高い土塁に囲まれています。
f:id:tmtmz:20210314224106j:image
西側虎口を抜けると、最初に通った元西櫓や西ノ丸、障子堀方面への道にたどり着いて、ようやく山中城の復元された区画を一周です。

三ノ丸(宗閑寺 北条・豊臣武将の墓)

終わる前にもう少しだけ。三ノ丸を回ります。

三ノ丸は今は公民館やお寺ですが、ここに当時の北条、豊臣武将の墓が置かれています。
f:id:tmtmz:20210314223821j:image

苔むしたお寺の片隅に置かれています。
f:id:tmtmz:20210314223945j:image

f:id:tmtmz:20210314224003j:image
大きな戦をした両軍が並んで祀られているのが、なんというか。

宗閑寺の参拝で、今度こそ山中城見学終了です。
f:id:tmtmz:20210314223808j:image

感想

満足度 5/5

障子堀をはじめとする畝堀群は有名になるだけあります。
また、それらを見学できるように継続的に整備していただいている点も含めて、満足度は非常に高いです。
ちゃんと寄付とかして協力しよ。

山城なので建物はありませんが、特に城好きでない方にも観光地としてお勧めできるスポットです。

行くときは事前に縄張り図を見て曲輪の配置を頭に入れておくと、いっそう見ていて楽しいと思います。

アクセス

山中城


  • アクセス
    電車・バス:JR三島駅からバス 山中城跡バス停下車すぐ 
    車:伊豆縦貫道 三島塚原ICより15分
      箱根新道 箱根峠ICより10分
      無料駐車場あり
  • スタンプ・開館時間
    山中城売店
    店内および店前においてあるため、24時間押せます。
    売店は10時~16時、月曜定休日です。
  • 城跡
    散策自由
  • 所要時間
    1~2時間
  • 付近のスポット
    近くの百名城だと小田原城、石垣山城、興国寺城でしょう。

    tmtmz.hatenablog.com

↓気が向いたら押してやってください

にほんブログ村 旅行ブログへ