甲州は武田家の本拠地、武田氏館の訪問記です。
どちらかというと躑躅ヶ崎館の名の方が有名かな。
今は主郭跡地に作られた武田神社の印象が強いでしょうか。
でも脇を進むと立派な居館跡が残っていますよ。
まずは初回、王道武田神社を回ります。
お城:武田氏館(24) 山梨県甲府市
HP:信玄公のまち 古府を歩く|躑躅ヶ崎の館
訪問日:2017年7月、2021年3月
概要
1519年、武田信虎がそれまでの本拠地であった石和から居館を移したことに伴い、建設されました。
その後、信玄・勝頼に至る3代62年の本拠地として使用されました。
勝頼の代、長篠の戦いから続く動乱期に新府城(訪問記)を新たな居館として移転しますが、間もなく武田氏は滅亡しました。
その後は、徳川家康らが甲斐統治の拠点として使用しますが、1590年、甲府城(訪問記)に、役目を譲りました。
1919年、跡地に武田神社が創建され、新たに正門が築かれるなど改変されますが、1940年に国の史跡に指定され、現在に至ります。
要害山から流れる扇状地の頂部に築かれ、四方を堀と土塁に囲まれた主郭と付属の曲輪の跡が今も良く残ります。
訪問記
武田氏館は甲府駅からまっすぐ伸びる武田通りの突き当りにあります。
バスなら武田神社のバス停まで甲府駅から10分くらい、車でも神社至近に駐車場があるのでアクセス便利です。
この時の武田通りは桜満開でした。
正門わきの駐車場に車を置いて散策開始です。
早速穴山信君屋敷跡の看板。
武田氏の館跡なので当然ですが、敷地周りには武田二十四将の屋敷跡が点在しています。
脇には武田氏館跡歴史館も。
面白そうですが、時間の都合でまた今度に。
翻って武田神社正門。
こちらも桜満開かつ抜けるような青空で来てよかった。
見た目は完全に神社ですが、前述の通り、かつての武田氏館の主郭に建立されました。
まさにここが今の正門なんですが、当時の大手門は全く別の場所。
ここは石垣を崩して作られました。
だから櫓台かのような高い石垣が左右にある訳ですね。
厳かな雰囲気が醸し出されているので今の姿はそれはそれでよいものかと。
神社の全体図。
建物が書かれているあたりが神社の部分。
それ以外の緑色の部分はかつての館跡が残っています。
堀の外の曲輪は書かれていないので、そこも含めるとかなりの広さです。
という当時の屋敷の配置も含めた絵図も設置されているのでご興味ある方はぜひ。
こういうの見ると先に進めなくなっちゃうんでダメなんですよね笑
境内内部へ
堀を渡って境内へ。
水堀は今も立派です。
もう一つかつての姿の絵図がありました。
こっちはだいぶ館跡に寄せてあるので、当時の姿がイメージしやすい。
というか、これくらいしか縄張りが分かる図はなかったような。
登る手前にひっそりと史跡を表す石碑も置かれています。
神社の石碑の半分以下のサイズなので、影は薄いかな。
階段下から眺める石垣
主郭の石垣だけあって高さも十分です。
境内もいたって普通の立派な神社。
さすがにここに当時の面影はないので、今の姿を楽しみます。
手水鉢はもちろん武田菱。
でもそれより気になるのは上に掲げられた謎の数学問題。なぜここに?
拝殿も立派。
まずはお参りです。
この拝殿の奧に本殿もあります。
それにしても参拝客が非常に多かった。地元に愛される神社ということがよく分かります。
スタンプ
拝殿右手を進むと宝物殿。
こちらにスタンプが置かれています。
モデルは全景ですね。ちょっとスタンプの解像度わるめ?
スタンプを押したときは宝物殿にしかスタンプがなかったと思うのですが、2021年の再訪時には、拝殿脇の神符授与所にも置かれるようになっていました。
宝物殿はお休みもあるので、助かる配慮です。
はい、2度目の訪問では宝物殿はお休みでした。
もう少し境内を散策。
信玄公ご使用の井戸がありました。
こちらは当時から残る井戸。
主郭の中心部付近にありますし、名前だけでなく本当にご使用されていたのかもしれません。
拝殿向かって左手へ。
武田水琴窟
良い音はしていますが、何か縁はあるのでしょうか。
近くにもう一つ井戸。
こちらは姫の井戸。
主郭のうち生活の中心になる場所に置かれた井戸で、信玄公の御息女の産湯に使用したことによりこの名がついたという話もあります。
この書き方だとコロナウイルス蔓延前は水を使用できたんでしょうね。
もう一つ、境内で目を引く大きな建物が甲陽武能殿
この舞台での能楽など、見てみたいものです。
と、ここまで武田神社を見てきましたが、この甲陽武能殿脇の道を進むと、
立派な土塁を通り抜けて、突然自然豊かな場所が広がります。
何も知らずに見ると公園のようですが、このあたりから武田氏館跡のゾーンに入ってきます。
こちらは西曲輪。
城好きとしてはここからを見に行かないと。
というところからまた次回へ。
山梨県の百名城でこのあたりはいかがでしょうか。
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