大井川鉄道井川線の旅、最後はだいぶ戻って長島ダム付近を散策。
大井川鉄道公式の沿線ガイドマップでも紹介されている旧井川線トンネルミステリーウォーキングをしに行きます。
長島ダム建設に伴って付け替えられた旧線を利用したハイキングコースで、対岸の現役線も良く見えます。
http://oigawa-railway.co.jp/pdf/ensen_guide.pdf
奥大井湖上駅~接岨峡温泉駅のハイキングコースはアドベンチャーウォークなのに、こちらはミステリーと、ちょっとかわいそうな気もしましたが、かわいい仕掛けがあって確かにミステリーウォークでした。
長島ダム見学
井川駅から1時間ほど、長島ダム駅まで帰ってきました。
駅数ではほぼ真ん中、距離では半分過ぎて起点の千頭駅よりに帰ってきたところです。
目前に長島ダムを見据える、全くミステリーとは思えないこの駅からミステリーウォーキングスタートです。
下る列車もアプト式機関車を付けるので見物客がたくさんいましたが、降りたのは私だけ。
終電1本前ですし、攻めたことする人はいないのかな。時間は十分あるのですが。
アプト式の急勾配を外から見て楽しむのも乙じゃないですかね。
長島ダム駅は割ときれいな駅舎がついています。
もうちょっと早い時間ならダム見学のお客さんがいるのかも。
年季が入っていますが、ちゃんとウォーキングマップもありますよ。
普通は駅周辺の見どころマップと謳うところ、ウォーキングマップとは、ではありますが。
前方には長島ダム。そして今から進むしぶき橋が見えています。
結構な標高差で。下りでよかった。
列車はお先にアプトいちしろ駅へ。
できればもっと勾配が分かるところで見たかったですが、さすがに追いつけないなぁ。
さて、改めて下から長島ダムを眺めます。
近くで見ると迫力が違う気がします。
ダムがたくさんある大井川流域ですが、長島ダムは唯一水力発電を行っていません。
洪水調節や大井川の正常な流量維持と取水がその目的です。
また、比較的最近(2000年完成)建設されたダムらしく、地域に開かれたダムを目指していて、予約をすればダム内部の見学もできるとのこと。
その一環でダム直下のしぶき橋を渡って歩くことができるんですね。
という訳で橋を渡ります。
見ての通りしぶきがかかるのでしぶき橋。
長島ダムの放流のしぶきを
まともに受けつつ歩きます。
いやーびしゃびしゃ。地面と同じくらい体も濡れました。
夏なら良い経験ですね。冬には寒いかな。
ミステリートンネルを抜けて現役線を眺める
橋を渡った先にはミステリーウォークの見どころミステリートンネルがあります。
なかなかポップな看板があるので全く迷わずに進めると思います。
このミステリートンネルも井川線の廃線跡。
長島ダム建設に伴い切り替えとなった川根市代駅(現:アプトいちしろ駅)~川根長島駅(現:接岨峡温泉駅)の区間を利用しています。
この区間の大部分は長島ダムの湖底に沈んでいますが、現在の長島ダム駅付近から川根市代駅までの区間は沈んでおらず、このミステリーウォークの遊歩道として整備されています。
前回の井川駅の廃線小路(訪問記)に続いて、この旅2度目の廃線探訪スタート。
早速トンネルが見えてきました。暗い。
当たり前ですが、トンネルには照明はありませんので真っ暗です。
長島ダムふれあい館とアプトいちしろ駅に貸し出し懐中電灯があるそうですが、ノー懐中電灯で突っ込んでしまいました。
でも、もはや戻れないので、スマホの照明を頼りに暗闇を進みます。
なんかいる?
これは小さい子には怖いかも。
チ○ちゃん。流行に敏感です。
最初のトンネルは短め。5分もかからずに走破できました。
そのまま鉄道トンネルだったことを思うと、当時の車両の小ささがうかがい知れます。
そして、正面がアプト式鉄道の勾配がよくわかるポイント
足元のキャンプ場や川と比べて山中の線路がおかしな向きを向いているのが分かりますか?
この傾斜をものともせずに車両が走っているところを見たかった。
キャンプ場を過ぎると、2つ目のトンネル
ドッキリありの看板が文化祭感を醸し出していて微笑ましい。
こちらも真っ暗。375mもあって、こっちは懐中電灯が欲しくなる長さでした。
途中のドッキリもこっちの方が手が込んでいました。
ドッキリなのでネタバレはしませんよ。
しばらく歩くと終点へ。
真正面の現役トンネルからの流れや足元の線路が廃線跡という感じを醸し出します。
今歩いている場所は線路敷き。
右手の草むらには旧川根市代駅の駅名板も転がっていました。ここが駅跡地なんですね。
一方で右手奥には出番を待つ現役のアプト式列車。移り変わりを感じます。
この後は道なりに進むとすぐに現役のアプトいちしろ駅へ到着。
アプトいちしろ駅からのルートにも看板が出ていますが、こっちは分かりにくいです。
ホームから線路を渡って駅舎へ。
線路沿いを千頭駅方面に少し戻ったところにこの看板。
その後突き当りを左手前に戻ったところがさっきのトンネルです。
アプトいちしろ駅 -アプト式鉄道を間近で見学
さて、次の列車まで30分。何をして過ごしましょうか。
駅といってもこれが駅舎全景。
線路の向こうは川。時間をつぶす場所がありません。。。
駅員さん以外誰もいない駅で、駅員さんにまで心配されましたが、仕方ないのでアプト式列車を眺めて待つとしましょうか。
踏切の少し向こうにはラックレールの始点。
アプトいちしろ駅にはたくさんのアプト式機関車が留置されています。
眺めながら行きに買ったアプト餅を頂きます。これは温かいうちに食べたほうが柔らかかったかな。
のんびり駅を眺めていると、留置されていた一台が動き出して、
駅員さんだと思っていた運転士さんが操作をして、
目の前を過ぎ去っていきました。
我々が乗る列車のお迎えですね。よろしくお願いします。
それにしても、ここからでも傾きはすごい。
本当に誰も居なくなったアプトいちしろ駅。
なぜか踏切の隣に置かれた一台を近くから眺めるとしましょう。
真正面から見る機会はなかなかないのでは?
とくに詳しいわけではありませんが、やっぱり見たくなるのは歯車
しゃがむと見えるではありませんか。
あの歯車で我々を安全に運んでくださっているんですね。感謝。
そうこうしている内に先ほどの列車が返ってきて、今度こそ終電。
旅も終了です。
近くでこれだけの秘境感を味わえるなんてすばらしいところでした。
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