にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

続百名城 芥川山城 (159・大阪府高槻市) 2/2-三好政権の首都 西曲輪群と大手道へ

引き続き芥川山城を巡ります。
眺めの良い主郭に、二重堀切の田の丸、石垣の残る大手道と見どころ盛りだくさんの後編です。
特に大手道は急ですので、足元にはお気をつけて。

お城:芥川山城 大阪府高槻市
HP:続日本100名城 芥川山城跡 - 高槻市ホームページ
訪問日:2022年3月

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訪問記

西曲輪群

鞍部を抜けて、西曲輪群の腰曲輪へ。
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今まで鬱蒼とした山城でしたが、急に視界が開けて印象が変わります。

遠く大阪都心部や
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麓の市街地の眺望も楽しめます。
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素晴らしい景観で登った疲れが吹っ飛びます。
ビル群は違うにせよ、当時もこうして見下ろしていたのかな

主郭方面へ登ります。さすがにこの先は虎口になっていて
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抜けてもまだ腰曲輪 主郭の手前という雰囲気が漂う作りです。
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こちらの腰曲輪は縦長で広い。奧は北側の腰曲輪に続いているようです。

今は幼稚園の自然観察園となっているので散策は遠慮して、中ほどから主郭へ。
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主郭への道中も当然虎口が置かれています。
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この虎口は主郭と少し下がった隣の曲輪の境に置かれていて、抜けると上下に曲輪が広がります。

こちらは右手、上段の主郭。全景です。
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山城の主郭としてはなかなかの広さ。
礎石が検出され、4つ以上の部屋を持つ本格的な建物があったと考えられています。
山城と言えば居館は麓で山上には簡単な建物のみというのが通例ですが、それに反する珍しい事例。ここまで皆に行脚させていたのでしょうか。しんどそう。。。

向かって左手。下段の曲輪
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高低差はありますが、実質的には連続した曲輪でしょうかね。

今の曲輪内部には三好長慶を祀る祠や
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三好長慶に触れる看板がたくさん置かれています。
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ここまでもそうでしたが、私有地とはいえ整備して頂いています。ありがたい。

主郭の南側斜面からも変わらず絶景が望めます。登り切ったーと言いたくなります(笑)
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このあと主郭を散策したものの、北方向は立ち入り禁止になっていたので、おとなしく戻って西曲輪群の南西方向へ向かいます。

田ノ丸

また鬱蒼とした小径を抜けると
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二重堀切
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写真では2本目が隠れていますが、明確に堀が2本走っていて、
斜面に落ちて行っています。
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通路右手は藪で見えず、一見よく分からない場所に堀があるように見えますが、縄張図上は右手も斜面まで2重空堀が続く様子。主郭とを切る重要な堀だったのでしょう。
黄色のお手製看板でも「堀切(ダブル)」と書かれています。ダブルにはちょっと笑ってしまいました(笑)。

堀切の先は田の丸という曲輪ですが、規制線+薮で中は見られず。芥川山城では珍しく名前の付いた曲輪で、広さもあるようですが、ちょっと残念。

田の丸の下の曲輪へ続く通路もありましたが、お手製看板でキケンと書かれていて、本当斜面に張り付く狭い通路だったので素直に引き下がります。
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そのさらに下にも曲輪が続くようですが、縄張図で見ても素人ではちょっと厳しい。

大手石垣

折り返して西曲輪群と中央曲輪群の間の鞍部に帰ってきました。
ここから大手道を下ります。
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ここにもお手製の案内が置かれています。今までは緩やか、もう一つにはキツイの文字。
これからキツイへ向かいます。本当にきついので準備は入念に。

急な坂道を下っていくこと5分
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見えてきたのは大手石垣
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この時代の山城には珍しい石垣がありました。それも大きな石を用いたもの。

急な大手道沿いに築かれた石垣は見せるためのものでしょうが、この坂道を必死に登った最後にこれが見えたら、効果は抜群です。
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崩れたであろう石とともに見上げる構図でもう1枚。
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キツイコースにあえて入ってよかった。

この後は、キツイコースが本領を発揮。
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急坂に悪い足元に倒竹に倒木にとなんでもありに。倒木倒竹はさすがにこの時だけでしょうが。

縄張図に描かれた道沿いの曲輪は全くわからず獣除けの柵まで到着
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そのまま最後まで下りきりました。

入り口の看板にはマダニやマムシのことも書かれていました。登られる方は要注意です。
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でもせっかくなら石垣が見られるルートを通られることをお勧めします。

最後は全然違う場所にある続100名城スタンプを押しに高槻市しろあと歴史館へ
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こちらは高槻城の三の丸跡地に建つ建物。
「しろあと」は高槻城を指しますが、芥川山城のことも少し紹介されていました。

なにより入館無料でありがたい(笑)

スタンプはこちら。
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大手石垣がモデルです。きついコースを乗り越えた人だけ見られる遺構ですね。

感想

満足度 3/5

登り口までの道中は渋滞に遭うわ時雨に振られるわと、関係ないところでテンションマイナスからのスタートでしたが、登り切った主郭からの眺めと最後の大手石垣で全て吹き飛びました。

城域は広大で見られたのは一部でしょうが、全体の雰囲気に、竪土塁や竪堀、石垣など随所に残る見どころから当時いかに権威を誇っていたか、一端を感じられた気がします。

ただ、私有地だけあって解説はほとんどなし。広大な城域を縄張り図から推測するのも大変で、黄色いお手製看板にはとても助けられました。
そのあたりを準備すると、なお楽しめるかと思います。

アクセス

芥川山城

  • アクセス
    電車・バス:JR高槻駅から高槻市営バス 塚脇バス停下車 山頂まで徒歩約30分
    車:    新名神高速 高槻ICより約5分
          名神高速 茨木ICより約20分
          専用ではないうえに遠いですが、摂津峡公園下の口駐車場が利用可能です。
  • スタンプ・開館時間 
    高槻市しろあと歴史館
     開館時間:10:00~17:00(最終入館16:30)
     休館日:月曜日(祝日の場合翌平日)、祝日の翌平日、年末年始
     芥川山城からはかなり離れた場所です。
    高槻市観光協会事務所
     開館時間:9:00~17:00
     休館日:年末年始
     阪急高槻市駅に立地します。
    高槻市観光案内所
     開館時間:10:00~17:00
     休館日:月曜日(祝日の場合翌平日)、年末年始
     JR高槻駅に立地します。
  • 城跡
    散策自由
  • 所要時間
    上り下り込みで約1.5時間
  • 付近のスポット
    同じ三好氏の飯森山城が最も近いでしょうが、まだなので、、、
    近場の百名城、続百名城をどうぞ

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