旅2日目も中山道の宿場町巡りからスタートです。
やってきたのは木曽十一宿で江戸から二つ目の奈良井宿。
ちょうど中山道の宿場町ではど真ん中に当たります。
今は人も少なく落ち着いた雰囲気の宿場町ですが、看板には日本一の宿場町の文字。
当時はかなりの規模の宿場町だったようです。
そう言われると確かに、妻籠や馬籠と比べても大きな宿場町でした。
奈良井宿散策
この日は伊那市のお宿からスタート。
山を越える必要はありますが、トンネル一つで40分ほど。意外と近いものです。
南北に広がる奈良井宿のほぼ南端の奈良井権兵衛駐車場(有料)から散策開始です。
ちなみに、道の駅奈良井宿や木曽の大橋にある無料駐車場も使えるようです。
この日は雨で人も少なかったので、そっちでも良かったかな。
駐車場にあった地図には日本一の宿場町の文字。
隣に鳥居峠という難所があり峠越えに備えて宿をとる人が多く、奈良井千軒と呼ばれる賑わいだったそう。
木曽十一宿で一番標高が高いという特徴もあるようですが、「日本一」の由来じゃないだろうな。
駐車場から歩いてすぐに街並みゾーンに到着。
土の色を模した舗装は、馬籠、妻籠とは違うところでしょうか。
9時半だったからか誰もおらず、落ち着いて散策できたのも良かった。
その分お店が全く開いていなかったですが、おいおい開いてきましたし。
まずは南西側、鳥居峠方面へ。
この旅何度目かの高札場
奈良井宿では町の南端、京側の入り口に設けてありました。
近くに宮の沢水場
これは今までに見なかった施設です。
当時の生活用水や防火用水、旅人の飲み水にも利用される重要な施設だったそう。
奈良井宿で6か所復元整備されています。
小さめですが、枡形も残されています。
当時の街の端というのがこれでもかと伝わってきます。
鎮神社
そんな当時の端の向こう側にも少し足を延ばすと、歴史のある神社。
奈良井宿に疫病が流行った際、それを鎮めるために下総の香取神社を勧請したため、鎮神社と呼ばれるとのこと。
ぜひ今その力にあやかりたいものです。
杉の大木の奧にある本殿
1664年に建てられた由緒正しき建築です。
昔から旅人の往来を見てくださっていたのでしょう。
お隣には楢川歴史民俗資料館
小さめでしたが、旧楢川村の歴史を感じる施設でした。
この先は一気に山道になってしまったので、ここが今の奈良井宿の端。
折り返して町の中心へ向かいます。
奈良井宿は南西の京側から、上町・中町・下町の3つに分かれていて、中町が本陣などがある中心でした。
今いる場所は上町で、中町に向かうことになります。
上町散策・中村邸
上町の見どころは中村邸
元は櫛問屋で、国の重要文化財に指定されています。
建物は典型的な奈良井宿の町屋造りとのこと。
低い二階の前面を張り出していて、一階の庇(ひさし)は木を重ねた鎧庇、その上に猿頭と呼ばれる木の支えが置いてあります。
中も隈なく見学可能で(二階や奥の蔵も見られたような)、かつての櫛問屋の資料も展示されており、いろいろと想像膨らむ施設でした。
2階の正面の小さな縁まで出れそうでしたが、さすがに勇気が出ませんでした(笑)
上町と中町の境目は鍵の手
ここでも宿場町の区割りが残っています。
道端には石碑と道祖神、と写っていませんが神社。由緒あるスポットのようです。
道路が屈曲しているのは、枡形と同じと思いますが、先ほどは枡形、こちらは鍵の手。
先ほどは石塁があったからかなと思いましたが、馬籠宿(訪問記)や妻籠宿(訪問記)でも石塁が無い道路の屈曲を枡形と呼んでいたような。。。
まだまだ勉強が必要です。
反対側には水場
この奧が奈良井宿の本陣ですが、残念ながら復元の手掛かりがない状態とのこと。
中町も変わらず趣ある街並み
写真にも車が写っているように、地元の方の生活がありますので、結構車は通ります。
経済を回さないと保存もできませんからね。
続いて訪れたのは上問屋資料館
こちらは、江戸時代、馬と人足を管理していた問屋でした。
時には庄屋も兼務していた名家で、広い部屋や数多くの展示品に名残が感じられます。
明治天皇がお食事を召し上がられた部屋も残されていました。
ちかくには下問屋
今は建物はそのままに、お宿として営業されています。
さらに下町方面へ。
水場や
石碑を見つつ進みます。
このあたりは昔ながらの土産物屋さんが多かった印象。
単に開店時間になったからかもしれませんが。
北東側の枡形も見ながら、
反対の端に到着です。
こちら側はすぐに奈良井駅があるので、鉄道アクセスも万全です。
中山道の杉並木
これで奈良井宿を一通り散策しましたが、もう少しだけ進みます。
宿場の少し向こう側の八幡社を進むと
雰囲気の良い杉並木。
こちらは江戸時代の中山道のまま。
人工物がほぼありませんので、当時の姿の想像が膨らみます。
普通に緑がきれいな道、でもあるので、うまく撮れば映えるかも?
近くには二百地蔵
明治期の国道開設や鉄道敷設時に集められたものだとか。
雰囲気良いですし、少し離れても来る価値のあるスポットです。
木曽の大橋
線路の向こう側も少し散策します。
気になる大きな太鼓橋は、木曽の大橋
木造ですし、太鼓橋ですし、名前からも歴史あるのかなと思ったら平成3年にできたものでした。意外と新しかった。
ただ、木曽檜をふんだんに使った作りや、急流に耐えるための橋脚が無い構造などインパクトのある橋であることには違いありません。
雨の日に歩くのはちょっと怖かったけど。
きっと、何十年後かには溶け込むことでしょう。
カフェ深山 100年前のカレー
最後に奈良井宿のカフェで100年前のレシピを再現したというカレーを頂きます。
訪れたのは木曽の大橋近くのカフェ深山さん。
相変わらずのずらし昼食で10時半に訪問したらほかにお客さんはいませんでした。
休憩を邪魔してしまって、ちょっと罪悪感。。。
気を取り直して早速お目当てのカレーを頼みます。
かなりのスピードで出てきたカレーは、優しいお味でした。
写真でも分かる通り、具材はほぼ溶け込んでいて見えません。
現代のカレーのようにスパイスの調和が、、、というものではありませんが、溶け込んだ野菜の優しいお味は美味でした。
r.gnavi.co.jpそんなこんなで奈良井宿は3時間くらい堪能した気がします。
さすがは日本一の宿場町でした。
次からようやく諏訪に向かいます。
この旅は馬籠宿からでした。