今回の長野遠征その4は城めぐりからいったん離れて街並み散策
向かったのは海野(うんの)宿です。
北国街道の宿場町としてガイドブックにも載る観光地ですが、その割に過度に観光地化されておらず、昔を想像できる風情ある街並みを落ち着いて楽しむことができました。
表通りはもちろん、路地裏まで素晴らしい景色でした。
白鳥神社
旅の2日目、海野宿の散策は東端の第1駐車場からスタート。
GWで混んでるかと思っていましたが、中日の平日だとそうでもない様子。
海野宿は千曲川沿いの宿場町、すごく自然を感じられる様子で川が流れています。
ただ、2019年には台風の被害もあったよう。
やたら綺麗な道路に台風の爪痕も感じつつ、復興整備が終わったのは一安心です。
散策で応援もできれば。
宿場町に入る前、東の端に立派な神社、白鳥神社があります。まずはそちらから。
大きなご神木を抱えた立派な神社 ご神木の樹齢は700年以上だとか。
もちろん神社も由緒正しく、1191年に海野幸氏が建立したとされます。
この付近は海野氏の本拠地であり、こちらの白鳥神社は海野氏はもちろん、その流れを汲むともされる真田氏の氏神としても祀られています。
もちろんお参りしてから宿場に向かいますが、
移動する前に気になるのがこちらの旗
白鳥神社の近くは木曽義仲挙兵の地、白鳥河原の勢揃いの舞台でもありました。
流れは変わっているでしょうが、白鳥河原は最初の写真のようなイメージでしょうか。
ここに2000、3000騎が集結していたら、、、
今でもすごいと思いますが、当時はさぞ圧巻でしょうね。
そのあたりの時代も勉強しようかな。。
海野宿の街並み
改めて海野宿の街並みを見ていきましょう。
早速足元含めて雰囲気の良い街並みが待っていますね。良い感じ。
街並みに入って最初にあるのが、媒(なかだち)地蔵尊
縁結地蔵とも呼ばれる、人と人の中に立つ、媒地蔵さま
こちらも海野氏にゆかりがあります。
海野氏の家臣が安置した地蔵に始まり、もとは地蔵寺がありました。
残念ながら火災で廃寺となってしまいましたが、お地蔵さまは今も信仰されています。
この旅にも良い出会いがありますように。
先へ進むと本格的に海野宿の街並みが始まります。
風情ある建物に囲まれて、まるで映画のセットのよう。
このあともずっと変わらず素晴らしい風景が広がっていました。
しかも観光地化が進んでおらず、落ち着いた雰囲気。
街並みの風情はかなりのものです。
ただ、困ったこともあって、海野宿は食べる場所が少ない。。。
この時ランチができるお店は白鳥神社近く、東端のお蕎麦屋さん2軒くらいでした。
上2枚の写真に写るお店で全てなのです。
カフェはありますが、海野宿でお昼を食べるなら、この2軒がやっている早めに訪問されることをお勧めします。私は1軒品切れで選べなくなりましたので。
食べ物の恨みを一通り語ってすっきりしたところで(笑)、散策していきましょう。
先述の通り、このあたりは海野氏の本拠地でしたが、上田城築城で街が移された後、1625年に北国街道の宿場町として改めて整備され、紆余曲折を経て再度発展しました。
こちらはそんな江戸時代の旅籠屋造りの建物を利用した海野宿資料館
屋号の看板かのように「資料館」と掲げられていますが、これも海野宿の特徴。
他の建物でも同じように屋号を掲げるものが多数ありました。
他にも江戸時代の茅葺の町屋から続く、銅板や鉄板の町屋もたくさん見られました。
ただ、それだけではなく、時代の新しい明治、大正などの建物も特徴を残しながら溶け込んでいるのが面白いところ。
こちらは明治以降に宿場が廃れた後、海野宿の主産業となった養蚕業の特徴。
蚕を飼うための保温に伴って設けられた換気用の小屋根です。
一見同じような建物が並んでいるかに見えて、違った特徴を持っているのは面白い。
しかもどの家もその名残をよく残して調和しています。
もちろん繁栄の名残、うだつも上がっています。
たぶん、手前が明治以降の袖うだつで、奥が江戸時代の本うだつじゃないかな。
海鼠壁や格子窓の雰囲気も良いです。
写真には写っていませんが、二階に設けられた長短交互の格子窓は海野格子と呼ばれ、江戸時代のものだそう。
建物もとても面白い海野宿ですが、もう一つ特徴的なのが、最初から写りこむ用水路。
江戸時代から同じ場所を流れていたという通称「表の川」
一段下がった洗い場も設けてあり、かつての生活を感じられる存在です。
用水路があるからこそ、このすばらしい景色が一層雰囲気を増してくれるんでしょう。
街並み全体にも言えますが、今のご時世、車の通行の妨げなどといくらでもケチがつきそうなところ、よく残してくださいました。
観光地化されていないとは言いましたが、周囲に溶け込みつつ、お店もいくつか出されています。
右手の建物がなつかしの玩具館
こちらはうんのわという交流施設
私は軽く立ち寄る程度でしたが、時期によってはランチも出されているようです。
本陣こそ跡地になっても
馬の塩舐め石が残っていたりと、ちょいちょい目を惹くものも残されています。
何より一歩路地に入れば歴史ある建物に囲まれる経験ができますし。
こんな路地そうそうないですよね。
さながら江戸時代、かな。通りを髷を結った町人が通り抜けていきそうな。
海野宿、ご飯に文句は言いましたが笑、その雰囲気はなかなか素晴らしい。
江戸にも明治にもタイムスリップできる、そんな景色が調和した良いところでした。
アクセス
海野宿
アクセス
電車・バス:しなの鉄道 大屋駅、田中駅から徒歩約15分
車:上信越道 東部湯の丸ICから約15分
無料駐車場3カ所あり
この旅は龍岡城からでした。
長野の歴史ある街並みを巡る旅の記憶です。
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