静岡県袋井市にある医王山薬王院油山寺へ。
遠州三山と呼ばれる遠江の三古刹の一つです。
701年に行基菩薩が創建されました。
749年、孝謙天皇の眼病が治癒したという伝承から目の霊山とされます。
いたるところに「め」の字が書かれた絵馬がかかった薬師本堂が印象的でした。
お城好きとしては掛川城大手門が移設された山門も大きな見どころです。
油山寺
HP:目の霊山 油山寺
訪問日:2021年1月
訪問記
2021年初詣ツアーと称して1月の週末に訪問。
参拝自体も楽しみですが、山門の見学がもう一つのお目当てです。
初めて知りましたが、3が日に行かなくても初詣になるんですね。その辺厳しそうな印象もありましたが、意外と柔軟。
そういえば友達のお寺の息子も大らかだったかも。
油山寺へのアクセスとしては、一応コミュニティバスはあるみたいですが、なかなか公共交通でのアクセスは厳しい立地。。
その分、広めの無料駐車場は完備されています。
山門
車を停めて見学開始。早速お目当ての一つ、山門が見えています。
前述のとおり、山門は掛川城大手二の門を移築したもの。
もともと、1659年に井伊直好公が建立しました。
1873年の廃藩に際して、時の城主・太田備中守が眼病全快のお礼として移築しました。
1970年の昭和の大修理を経て当時の姿に復元されたこともあり、とてもきれいな状態。
いきなりこんな威厳のある門があって、ここだけ見ると城巡りに来たかのような気持ちになります。
この門が元あった掛川城の訪問記はこちら
門をくぐると完全にお寺。ちょっとテンションがついていけません。
それでも、この木々に囲まれた静謐な雰囲気はとても良いです。
秋には紅葉も楽しめるそうです。ここは本当にきれいでしょうね。
ちなみに、写真にほとんど人が写っていないように、人はとても少なかったです。良いところなのにもったいない。
境内案内図もすぐに出てきます。
最初に右手に描かれた祈祷所を覗いて、中央上の薬師本堂へ向かいます。
本坊宝生殿祈祷所
正面の礼拝門をくぐると祈祷所へ直ぐに到着です。
正面に宝生殿。右手に本坊。
「め」と書かれた絵馬が文字通り目を引きます。
下の健足の絵馬も特徴的なはずなんですが、めばかりに目が行きます。
よく見ると「め」ってインパクトのある字面していますよね。
お札やおみくじは薬師本堂を参拝した後に、と思ってここで引き返しましたが、実はさっきの写真で左手に見切れている書院が横須賀城から寄進されたものだったそう。
もったいないことをしました。
横須賀城はこんなところです。
るりの滝
薬師本堂へ登っていきます。参道が山道の雰囲気を出してきました。
すごい谷に来たと思ったら天狗谷という由来ありそうな名前。
自然の雰囲気がとても良いです。お寺の敷地というより山にハイキングに来たような。
良いところなのに人がいない分、動物がいたかな。
天狗谷を抜けて少し階段を上るとるりの滝に到着。
こちらがるりの滝
何も知らずに見るとただの細い滝ですが、この滝の水で孝謙天皇が洗眼したところ、病が完治したと伝えられています。
つまり、目の霊山の由来となった滝ということです。
歴代色々な方が建物を寄進されているので、たくさんの方がここで目を洗われたんでしょう。
三重塔・薬師本堂へ
るりの滝からもう少し登ると薬師本堂に到着。
境内案内図では山の上のように書かれていましたが、そんなに登ることなく着きました。よかった。
到着するとすぐに三重塔がお出迎え。
静岡ではなかなか見ない立派な三重塔だなと思っていたら、
1190年に源頼朝公が眼病全快のお礼に薬師本堂とともに寄進された由緒正しき三重塔でした。
1611年に再建され、滋賀の長命寺と京都の宝積寺とともに安土桃山期の三名塔に数えられているそうです。
なんだか由緒正しき建物が多すぎる気がします。それだけ効能が強いのかな。
それなのに、なんでこんなに人が少ないんでしょう。もったいない。
この先に薬師本堂。
こちらも1190年に源頼朝が寄進したものです。
さらに1738年に徳川吉宗が病気平癒のお礼に再建したとされます。
有名な人が出てきすぎて麻痺しそう。
薬師本堂で参拝して、中を見学。
中には歴史ありそうな絵とともに「め」の絵馬がたくさん。
「め」に囲まれるとなんだか見つめられている気がして落ち着きません。
不思議な感覚でした。
最後は飛んでふもとのお地蔵さんへ。
ここは現代風な映えスポットですね。これはこれできれい。
初詣と山門を目的に参拝しましたが、想像以上に境内は広く、見どころも豊富で、古くから親しまれたお寺ということがよく分かりました。
森の静寂を感じつつ、お参りもできてお寺が好きな人にはとても良いスポットでしょう。
眼病になったらすぐ来よう。
アクセス
油山寺