七尾城訪問記の後編です。
二の丸から本丸、そのあと降りて本丸や桜馬場石垣を近くから見ていきます。
紅葉の二の丸に加えて謙信絶賛の眺望は、言わずもがな素晴らしかった。
晴れた日でよかった。
前編はこちら
お城:七尾城 石川県七尾市
HP:七尾城跡について - 七尾城史資料館・懐古館情報
訪問日:2016年8月、2021年11月
訪問記
二の丸
改めて全景を確認
図中央に曲がって描かれた曲輪群を二の丸(上)から本丸(右)へ向かいます。
二の丸には北端から侵入。振り返ると良い眺望でした。
ここから本丸までは一続きの曲輪群。いよいよ中心部に侵入です。
二の丸全景
七尾城中心部の北端に位置する広い曲輪は、本丸に次ぐ拠点として、多数の曲輪に囲まれていました。
往時の姿CGはこちら。
当然ながら門も土塀も建物も残っていませんので、CGは本当に助かります。
翻って今の二の丸は紅葉が本当にきれい
三の丸もきれいでしたが、二の丸が映えていたかな。
紅葉の木々に、紅葉の絨毯
11月下旬に来てよかった。
温井屋敷
二の丸を降りると温井屋敷
その名の通り、重臣であり畠山七人衆の一つであった温井氏の屋敷跡
二の丸側は石垣がつくられています。
桜馬場同様に段々の石垣で高さを稼いでいるのでしょう。
このあたりの広い曲輪に温井氏の屋敷の中心があったのでしょうか。
屋敷跡に大木の育った様子を見ると栄枯盛衰を強く感じるのは私だけでしょうか。
ちなみに、十分に近い場所ではありますが、長屋敷、遊佐屋敷はより本丸に近い場所にありました。この時の温井氏の位置づけが分かるような。
温井屋敷跡の本丸側には大手門があったとされます。
そしてその搦手の虎口に置かれているのが、九尺石
その名の通りの大きな石は城内最大。城の鎮護のかなめ石として置かれていました。
いわゆる鏡石でしょうが、こんな山の上にこれだけ大きな石を運んだとは。
全盛期の能登畠山氏の力が伺えます。
九尺石の先が新大手道にあたりますが、進むことはできませんでした。
実際には九尺石も豪雨で近年崩落しており、修復工事を実施頂いた後の姿です。
虎口から見た先ほどの温井屋敷跡
門を守る役割が与えられていたんだろうな。
桜馬場跡
本丸へ進むと、桜馬場跡
軍馬の訓練を行った馬場と言われます。
ここの下に、スタンプのモデルになった段々の高石垣が築かれています。
上から見ても分かりませんが。
遊佐屋敷
桜馬場の隣は低い石垣で仕切られた遊佐屋敷
この上には土塀がありました。当たり前か。
本丸の隣、堀すらない立地ということで想像できる通り、遊佐氏は当時、城主に次ぐ守護代の地位にありました。
そう思うとこの石垣も、他にはない意匠で遊佐氏の権威を感じるような。考えすぎか。
遊佐屋敷全景
と、CG
やっぱりよく分かってありがたい。
門の跡や
本丸へつながるルートもそのままです。
見えているルートから本丸、へは向かわず、天邪鬼を発揮して裏から本丸へ。
本丸
こちら側には本丸外枡形が残っていました。
外側の門跡
枡形内部と内側の門跡
かなりの広さの枡形虎口がこんな山の上にあるとは。
CGの通り、
内側の門跡土塁は石垣の細工が残っていました。
搦手側だとは思いますが、大手かのような厳重さ。
そしてようやく本丸へ
東西50m、南北40m。土塁もない開けた曲輪のようですが、
入ってきた搦手側には高い土塁も設けてあって、守りの意識もしっかり。
一方の土塁は神社になっていました。
このCGの通り
北側は3段の高石垣。
これは高い。こちら側に土塁まではいらないですね。
おいおい降りて詳しく見ていきます。
と、その前に謙信も絶賛したという眺望を見ましょう。
色づいた山々に能登島と七尾湾
遠くまで見晴らせる眺望は本当にきれい。
眺望が良い山城はたくさんありますが、ここはその中でも指折りではないでしょうか。
ついつい長居してしまいました。お弁当食べても良いかも。
最後は、帰りつつ本丸北側を見ていきます。先ほどの3段の石垣です。
綺麗でほれぼれするような石垣です。
桜馬場や二の丸の石垣と比べると角が残っている印象です。時代が違うのかな。
一段一段の高さはほどほどですが、
その本領は下から見たときの威圧感でしょう。素晴らしい。
まるで一段の高石垣に見えるように工夫をされているんでしょう。
この山上にこれだけの高石垣。今でも威圧されそう。
桜馬場石垣
最後は、桜馬場から降りて、5段石垣を近くから観察しに行きます。
巨石ゴロゴロの門跡を抜けると、
5段石垣
やっぱり本丸の石垣より角が取れていて丸い印象を受ける野面の石垣
こちらの方が一段は低くて、苔が良い味を出しています。日陰で頑張っているような。
最後は下から全景。
一段一段を見るとかわいらしさも感じましたが、引きで見ると一変。高石垣の威圧感。
一粒で二度おいしいような段々の高石垣。何度見ても良いものでした。
これで七尾城見学終了。引き続き、能登観光へ。
感想
4.5/5
最大5段に分かれた野面の高石垣の何とも言えない雰囲気が本当に印象的でした。
本丸からの眺めも素晴らしいですし、二の丸、三の丸も大堀切や紅葉など見どころ盛りだくさんでした。
さすがは5大山城、百名城です。
その立地、アクセス道路が細長くて怖いことだけが玉に瑕ですが、このおかげで残ったと思うと逆に感謝してしまうような。
アクセス
七尾城
- アクセス
電車・バス:JR七尾駅からバス 城史資料館前下車 本丸まで徒歩約60分
城史資料館までJR七尾駅のレンタサイクルで行くこともできます。
車:能越道 七尾城山ICから約10分
無料駐車場あり - スタンプ・開館時間
七尾城史資料館
開館時間:9:00~17:00 最終入館16:30
休城日:月曜日(祝日の場合翌日)
入館料:大人200円、高校生・大学生 160円 - 城跡
散策自由 - 所要時間
約1時間(城跡散策のみ) - 付近のスポット
百名城関連だと高岡城、金沢城、増山城が近くです
この旅は氷見の魚介からでした。
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