にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

続百名城 龍岡城 (129・長野県佐久市) -日本に2つ五稜郭 東信の城めぐり旅①

久しぶりの遠征の記憶は、長野の城めぐり
魅力的な山城も多い地で、今回は百名城中心に回っていきます。

最初は龍岡城。日本で2番目に有名な五稜郭でしょう。

地方に建てられた当時最先端の稜堡式城郭。
突っ込みどころは多くとも、当時の考えが感じられる名城でした。

お城:龍岡城(129) 長野県佐久市
HP:国史跡 龍岡城跡 | 佐久市ホームページ
訪問日:2022年5月

f:id:tmtmz:20220501212317j:image

概要

1864年三河奥殿藩主だった松平乗謨(大給恒)が信州に本領を移転、築城しました。
西洋の築城術を学んでいた乗謨は稜堡式城郭(星形要塞)を設計しました。

1867年、一部の石垣などを除いて完成します。
一部未完となったのは、乗謨が公務に多忙であったことも影響したとされます。

完成から幾ばくもない1871年に廃城となり、一部を除いて建物が解体されました。

跡地に建てられた小学校は2022年度末で廃校。当時に戻す計画がたてられています。

訪問記

五稜郭であいの館・続100名城スタンプ

時は、2022年のGW。久しぶりの旅行に向かったのは長野県。

本ブログでは4度目の長野旅行も、初めて野辺山を越えての訪問です。
何度行っても新しい土地に出会える長野県、さすがに広いです。

やってきたのは佐久市にある龍岡城
日本に二つしかない五稜郭。のうち、マイナーな方と言ってしまってよいでしょう。
f:id:tmtmz:20220501211859j:image
でも、地元ではちゃんと認知されている場所です。わざわざ日本に二つと書いちゃって。

まずは、お隣の五稜郭であいの館へスタンプと情報収集に向かいます。
f:id:tmtmz:20220501211942j:image
小さな公民館のような建物、それ相応の広さの駐車場でしたが、人出は多く、駐車場が溢れかけていました。さすがはGWです。
まぁ、多くは直接城跡に向かわれて、施設内はスタッフさんと話せるくらいでしたが。

スタッフさんから聞いた、松平乗謨の先見の明の話。
(確か中の解説の)一応の完成をみた、という面白い記載と、模型が印象的でした。
あくまで小学校として使われる今の姿ですが、はっきりと星形。
当たり前ですが、上から見ないと見えず、現地では分からないのです。

施設の外、お城側にスタンプがあります。いつでも押せる配慮がありがたい。
f:id:tmtmz:20230304144951j:image
モデルはもちろん全体像。展望台は雨で行けなかったんですよね。

龍岡城

情報収集後はもちろん城跡へ。

であいの館を出てすぐに木橋城址碑があります。
f:id:tmtmz:20220501212100j:image
ここが大手門。

入る前に看板の図を借りて全体像を確認です。
f:id:tmtmz:20220501211923j:image
きれいな星形要塞で、5つの稜堡とその間に5つの門を持ちます。
虎口を守るように半月堡を置くなどするものですが、ここはシンプルな縄張り。
後述しますが、堀が狭い、石垣が低い、山が近く砲撃の射程に入るなど、実戦を考えると防御性には疑問がつけられています。

水色で塗られた部分が水堀ですが、残りに堀はありません。
砲塔も図中右上の一ヶ所だけ。この辺りは一応の完成、を表しています。

突っ込みどころは多いですが、パンフでは「乗謨は分かっていたはず」とまとめられています。それだけ信頼される人だったんですね。

概要を頭に入れたら、堀伝いに外周から。大手門から反時計回りに北方向へ。
f:id:tmtmz:20220501212353j:image
こちらが外堀と土塁。
築城が最近で石垣がえらく綺麗なので公園のような印象を受けます。
土塁が低いのはそういう築城様式だから、ですが、堀が狭い。。
f:id:tmtmz:20220501211834j:image
その気になれば飛べる、とまではいかなくても、攻める意思がない自分でも越えられそうと思ってしまう。。

北側の稜堡の先から一枚。
f:id:tmtmz:20220501212317j:image
先の写真のジグザグの堀とここの尖りが、地上で星形を感じられる貴重な場所です。

この方面の堀は黒門を越えると無くなりました。
f:id:tmtmz:20220501212447j:image
一瞬、道路の下がりが堀かとも思いましたが、そうではなさそう。

堀がないと石垣が見やすくありがたいですね。もはや防御性はありませんが。
f:id:tmtmz:20220501211824j:image

この先は畑から川。行けるかも分かりませんが、素直に引き返して黒門から城内へ。
f:id:tmtmz:20220501212043j:image

今の城内は小学校。
f:id:tmtmz:20220501212234j:image
この日は祝日で開放されていましたが、平日は入れないですね。
でもすぐに閉校になるから心配ないか。部外者ですが寂しさを感じます。

大給松平氏は陣屋格だったので、龍岡城は正確には陣屋でした。
当時も天守などの防御設備はなく、御殿や小屋、火薬庫などがあった程度でした。
さらに、建物もほとんど瓦を葺くことがないまま「完成」となったありさま。
どこまでもあわただしい築城でした。

そんな建物もほぼ残っていませんが、1つだけ現存するのが御台所
f:id:tmtmz:20220501212333j:image
倉庫から校舎に転用され、貴重な遺構となりました。

校庭の隅に建てられていますが、当時は中央の御殿とともに建っていました。
f:id:tmtmz:20220501212201j:image
GWは内部が公開されていますが、タイミングが合わなかった。

あとは、土塁に囲まれた校庭をみたり
f:id:tmtmz:20220501212429j:image
野球ボールがどっかに行く心配がなくていいですね笑

お社を見たら
f:id:tmtmz:20220501212033j:image
大手門から再度外へ 反対側を見てまわります。

と言っても当然これまでと同じように低く狭い堀と
f:id:tmtmz:20220501212017j:image

稜堡先端
f:id:tmtmz:20220501211748j:image

そして稜堡の間の窪みに沿ってジグザグの堀が続きます。
f:id:tmtmz:20220501212052j:image
こちら側も堀を見たら龍岡城一周。

最後は展望台という名の山に登って上から見たかったところですが、雨が降り始めたので次のお城へ向かいましょう。

おまけ

せっかく長野まで来たので名物ランチも楽しんできました。

佐久平駅方面に少し進んだところにある手打ちそばのお店磊庵はぎわらさんで、水で楽しむ手打ちそばを頂きました。
f:id:tmtmz:20230304214156j:image
じつはそばつゆの奧には塩も置いてあります。

塩は分かりますが、水でお蕎麦をいただいたのは初めて。
太くて短い無骨な手打ちそばをよく楽しめる食べ方でした。
f:id:tmtmz:20230304214153j:image
お蕎麦レベルが足りず、天ぷらの方がより楽しめたところもありますが(笑)

r.gnavi.co.jp

感想

満足度 3/5

規模は小さくツッコミどころも多いですが、はっきりと形が残っていますし、こういうものを作りたかったんだろうということがよく分かりました。
地元の方の乗謨への信頼のようなものが垣間見えたのも良かった。

エピソードでいえば満足度はもっと高いですが、内部は遺構が少ないのが玉に傷。
外周でいろんな意味で上がったテンションのやり場が。。。

アクセス

龍岡城