昨年の12月に浜松市北部、旧天竜市の二俣地区にある城跡群を回ってきました。
初めてでしたが、よく整備されていて地元の方もたくさん。良いところでした。
まずは二俣城。百名城ではありませんが、天守台が有名です。
それ以外にも古い石垣や遺構が数多く、見どころ盛りだくさんでした。
お城:二俣城 静岡県浜松市
HP: 二俣城跡及び鳥羽山城跡/浜松市
訪問日:2020年12月
概要
二俣地域には今川氏と斯波氏の争いの頃から笹岡城が存在しましたが、二俣城はその近く1560年頃に築城が始まったとされます。
同時期に近くに迎賓館的な性格を持つ鳥羽山城も築城され、二城まとめて機能の違う一つの城のように使われた別城一郭であったと考えられています。
二俣城では1572~75年に徳川氏と武田氏の攻防が繰り広げられました。
本拠地浜松を守る砦として徳川氏にとって重要だった二俣城ですが、高台にあるため井戸がなく、天竜川河畔に水の手櫓を設けていたところを武田氏につかれて落城します。
が、長篠の戦いで武田氏が敗れたのちに再度攻防が起こり、徳川氏が奪還しました。
1579年には家康の長男、松平信康が武田氏との内通を疑われて信長の命により切腹させられるという悲劇も起きています。
その後大久保忠世や堀尾吉晴らが城主を務めますが、1600年に堀尾氏が出雲に転封すると、廃城となりました。
現在は公園として整備されています。
訪問記
この日も車で訪問。
平山城、山城だと駐車場が不安ですが、ここもご多分に漏れず駐車場への最後の数100メートルはすれ違いギリギリの細い道。
いつものように対向車が来ないことを祈りながら進むも、かつてないくらい車が来ました。。
攻めずに麓で駐車場探せばよかった。。。後悔。
色々ありましたが、改めて北曲輪付近の駐車場から散策開始です。
駐車場には看板がたくさん。勉強不足でも良く理解できます。
北遠にはたくさんの山城があります。これは通うことになるかも。
この看板を見ながらルートを検討。
図でいう左右、方角では南北に曲輪が並ぶ縄張りです。
北曲輪と本丸がメインっぽいので後に残して、南曲輪から向かいます。
石碑はピカピカ。最近国の史跡に指定されたからでしょうかね。
北曲輪には旭ヶ丘神社があります。
日露戦争に出陣された地元の英霊を祀っています。
この激階段は北曲輪に続くのでスルー。良かった。
先へ進むと綺麗な紅葉。
この辺だと12月中旬でも紅葉が見られるんですね。
足元はきちんと整備されています。
と思ったら、整備された道は右へ。フラグか…
本丸へ誘いますが、初志貫徹。南曲輪への看板に従って先に未舗装路へ。
すぐに蔵屋敷
一見ただの平場ですが、
南側は土塁
よく見ると石垣も。
虎口?から南曲輪へ
曲輪を隔てる堀切はありますが、荒れ果てていました。断念。
先ほどの分岐に戻って追手門へ
石垣が本当に立派です。
右と
左で
石の雰囲気が違いますね。右の方が揃っていて新しい印象。
二の丸は道で二つに区切られていて、南側は稲荷神社が建っています。
脇の土塁は登れるようになっていました。
蔵屋敷から見た真っ赤な木がすぐそばに。
二の丸の北側は土塁に囲まれた曲輪
二の丸の脇を通って本丸へ。
本丸の入り口にたぶん一の門跡 近くに二の門もあったらしいですが、分からず…
古い石積です。
栄光の後、という感じがたまりません。
そして本丸へ。
本丸には小さいながらも天守台が残っています。二俣城のシンボルですね。
広場にちょこんといて、なんだか可愛い。
まずは本丸周囲を見学。本丸も土塁で囲まれています。しっかりと残っています。
紅葉最盛期はさぞきれいなんでしょう。
北側の入り口は喰違い虎口
反対からはこんな感じ。ちょっと暗いですが。。
改めて天守台へ。
野面積みの古い雰囲気が良いです。
天守台上から本丸を。喰い違い虎口
反対側は天竜川への崖になっています。
こちら側の防御は万全ですね。
本丸のあと、西にある曲輪へ。鳥羽山城もこちらです。
二の丸と蔵屋敷の間の堀切も結構な深さ
これでも結構埋まったのでしょうから、当時の深さたるや。
西曲輪
遊具はありますが草ぼーぼー。竹も折れていて整備不良ですね。。
水の手曲輪
東屋だけの平場ですが、ここから水を汲んでいたのでしょうか。
今は曲輪の左手は住宅地ですが、かつてはここを天竜川が流れていたそうです。
改めて本丸へ戻り、北曲輪へ。
北曲輪 旭ヶ丘神社
今はきちんと管理された神社です。
最後は北曲輪と本丸の間の堀切
本丸側の高さからすると公園整備で切り開かれちゃったのかな。
このあと北曲輪の駐車場へ。
夕方に差し掛かっていましたが、来た時よりも車が増えてました。驚き。
続いて鳥羽山城へ。
感想
満足度 4/5
続百名城にも選ばれていませんが、天守台などの石垣、土塁跡など遺構が多く見ていて楽しいところでした。
近所の方がたくさん散歩に来ていて、城好き以外にも楽しめるところなのかもしれません。
城跡でこれだけ人がいるところはなかなか珍しい気がしますが、歩いてみると納得です。
次は紅葉の時期に行こうかな。