引き続き常総線を北上しながら城めぐり。
次は少し飛んで大宝城。時代も飛んで南北朝時代の重要地点です。
さすがに住宅街になっていますが、それでも土塁など要所は残っていて、地形も含めてここに築いた理由が透けて見えました。
駅の良い雰囲気も相まって来た甲斐ありました。
常総線の写真は複数回分を混ぜています。
お城:大宝城 茨城県下妻市
HP: 大宝城跡|茨城県教育委員会
訪問日:2021年3月
概要
特に1341年春日中将顕国が入ってからは、南朝方の拠点となりました。
北朝の猛攻を受けて1343年に落城、城主であった下妻政泰も討ち死にしました。
この戦いは関城・大宝城の戦いと呼ばれます。
北東西の三方を大宝沼に囲まれた台地の端に設けられた堅城でした。
現在、跡地は住宅街や大宝八幡宮の境内となっています。
訪問記
常総線で大宝駅へ
守谷駅から関東鉄道常総線に乗って一路大宝駅へ向かいます。
守谷ではニュータウンの路線でしたが、少しずつローカル色を増していきます。旅人としてはこっちが嬉しかったり。
こちらは乗り換えだった水海道駅
古くから架かっているであろう看板のレトロなデザインが良い。
取手、守谷方からの列車は水海道駅で折り返すものが多く、終点下館まで通しと書かれていてもここで車両交換になる列車があります。
水海道以北は単線になりますし、降りる方も多かったので、このあたりまでが東京への通勤圏なのでしょうか。
つくばエクスプレス開業で広がったりしていないのかな。
分かりにくいですが、右端に写るように構内踏切が現役。
なかなか見ないので気になっちゃいました。
水海道を越えると一気に乗客の入れ替わりが無くなり、風景ものどかに。
快速停車駅以外は乗降も少なく、乗客も高校生中心でした。
1両でほかのお客さんもいたので車窓の写真は撮れませんでしたが、
中妻駅や三妻駅、下妻駅など妻の字がつく駅名が多い理由を気にしたり、
下妻物語を思い出して懐かしんでいたらあっという間でした。
石下駅や下妻駅近くにも城跡があるので、機会があればまた訪問したいところ。
そんなこんなで45分ほどで大宝駅へ
見渡す限りの田園風景と夏の陽ざし、良いです。
この田園地帯、元は大宝沼という沼でした。
見渡す限りの田んぼがここに大宝城が築かれた理由です。
この駅も構内踏切でしたので、こんな写真が撮れてしまいます。
CMとか撮れそうじゃないですか。言い過ぎ?
駅舎は小さいですが、重厚感のある造り
この小さな駅に駅舎があることに、管理への力の入れようを感じます。
大宝城散策-南側土塁
駅を出て、大宝城へ。
飛んでいますが、左手に写る石碑が大宝城のそれ。
この坂を上がったところは大宝城の跡地で、まさかの駅徒歩ゼロ分。
駅舎の小ささを考慮すると三原城より短いのでは笑
ただ、遺構まではもう少し。まずは台地のへりに沿って南へ向かいます。
5分ほど歩いて、ちょっとした坂を上がって到着です。
今は大宝八幡宮の敷地になっていますが、この道路が土塁の切れ目の入り口です。
石碑から右手を見ると、緑の壁が広がります。
この緑の壁は全て高土塁が緑に覆われたものです。威圧感 笑
内側から見るとこんな感じ
かなりの年月を経てもこの高さ。強烈です。
守りを固めたかったと思われる南側。ここだけが大宝城で高低差が無い方角でした。
土塁を端まで堪能し(て蚊に刺されまくっ)たら北側の遺構を目指します。
大宝八幡宮北側までが大宝城の城域でしたが、今は完全な住宅街。
かなりの数の家が建つほど広い曲輪は一体どういう状態だったのか、気になります。
話は逸れますが、この時期はオリンピック前でした。
ブルンジ代表は来られたんでしょうか…
大宝城散策-大宝八幡宮
歩いて数分で大宝八幡宮に到着
701年創建という関東最古の八幡宮です。大宝城の現役時代と被っているんですね。
今も訪れる人が多く、古からの信仰が根付いている様子が見て取れました。
随身門
からの境内と拝殿
大きいということはなくても手が行き届いた良い八幡様でした。
拝殿は映える仕掛けも。
こういう取り組みができる柔らかさも良いですね。
一方で、拝殿奥の本殿が下妻城主多賀谷尊経の再建だったりと歴史もしっかり。
境内右手にあった歴史とあじさい道に誘われて奥へ
大宝城の歴史もきちんと紹介して下さっていたのが印象的でした。
大宝城最後の城主、下妻政泰の碑と
さびさびですが、大宝城跡の看板を見つつ城跡散策再開。
このあたりで大宝城の大地のへりっぷりを確認できます。
西側も
北側も
結構な高低差。なかなか切り立った地形です。
ただ土塁はないのであまり攻め込まれることは考えていなかったのかな。
遺構は主に東寄りの大宝保育園裏手に残っています。
虎口のようなうっすらとした盛り上がりと
北向き斜面にはっきりとした土塁
いくら高低差はあっても土塁は欲しいよなと思っていたらやっぱりありました。
Googleマップによると広い城主郭と搦手口とのこと。
南に長い台地を考えると一番奥でいわゆる本丸にあたるんでしょう。
ああ説明板が欲しい笑
土塁保護のためにあじさいが植えられています。
整備されたこのあたりは多分かつての沼の中。
かなりの量で時期があえば綺麗なんだろうなぁ。ちょっと遅かったけど。
土塁と地形に思いを馳せつつ次の城へ。
感想
満足度 3.5/5
散在する遺構は少なめ、かつ調べないと分かりにくいですが、分かってみると面白い。
分かってから見るとちゃんと残っていますし。
大宝八幡宮もとても歴史を大切にされていて、よく知ると面白いことが多いですね。
地形含めてイメージするのがミソでしょうか。
アクセス
大宝城