にわかお城ファンの旅行記

にわか城好きの歴史探訪記

周りに影響されて城巡りを始めました。百名城スタンプ目当てだったのに気がついたら沼にハマっていました。

大井川鉄道井川線④ 井川の夢のつり橋・井川大仏

前回にひきつづき、大井川鉄道の終点、井川駅を散策します。

相変わらず山中のハイキングですが、これでも県庁所在地、静岡市葵区なんですしつこい

今回は大井川の支流にかかる夢のつり橋山中にある井川の大仏を巡ります。
前回にもまして秘境感マシマシの散策です。

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緑1. 夢のつり橋 緑2. 井川大仏 緑3. アルプスの里

夢のつり橋(井川版)

大井川・夢のつり橋と普通に検索すると、先に出てくるのは絶景寸又峡にかかる夢のつり橋でしょう。
青く輝くダム湖にかかるつり橋はしょっちゅうテレビや雑誌に取り上げられています。

oi-river.com

ですが、今日は大井川の支流にかかる、井川駅の夢のつり橋を渡ります。
本家も渡ったことないのに。

井川の夢のつり橋がかかるのは廃線小路から少し進んだ道路わき。

そう、道路わき。
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ちょっと思っていたよりワイルドかな。

野性味あふれる道が最後のアクセス。えらいところにあります。
直前まで舗装路だったんですが、突然野に還るスタイル。

ただ、足場はしっかりしているので、歩いていて危険は感じませんでした。

こちらが夢のつり橋(井川版)
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これで夢のつり橋とは、夢みたいですね。

正直どこが夢なのかは分かりませんが、正式名称だから仕方ない。
まぁ本家も何が夢なのかはわからない気がします。
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定員5名。大井川にかかる他のつり橋の半分。大家族なら一度に全員渡れない。不安。。

でもこちらの夢のつり橋にも本家に勝る良いところがありました。

大行列ができる本家と違って、全く待つことなく渡り始められたのです。

この時は前の人がゆっくり渡っておられたので少し待ちましたが、定員からすると乗ってしまっても全然大丈夫。

という訳で、前の方もほぼ渡り切られたので恐る恐る渡り始めます。

吊り橋は、、、結構揺れますね
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足元も板2枚だけですし、スケスケ。

渡り始めると同時に前を進まれる方の足がいっそう遅くなりました。
というかもうほとんどすくんでいる状態。

あまり距離を詰めるのも良くないので、橋の上からの景色を堪能します。

上流側はがっつり崩れかけの谷でしたが、下流側はこんな感じ。
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高所恐怖症の人にはかなりきつそうですが、高い分景色は綺麗です。
遠くにきれいな湖面は見えますが、流石に本家には負けますかね。

そうこうしているうちに前の方が渡り終えて、我々もスタート。
そして後ろからは次の方が渡り始めました。

あれ?今までになく揺れる?

どうやらもう一組乗っていると驚くほど揺れるようです。

だから自分たちが渡り始めてから前の人の進みが遅くなったんですね。
ごめんなさい前の人。後ろの人が来て初めて知ったんです。

いやーなかなか怖いですねこれは。
定員5名の心もとない橋が大きく揺れて、気持ち悪い気持ち悪い。
急いで渡るしかありません。

なんとか渡り切ると井川本村側にはそれっぽい看板と、
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謎のトンネルが。
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これどこにつながるのでしょうか。

大井川鉄道は堂平駅からさらに延伸する計画があったようですし、これも大井川鉄道関連なんでしょうかね。

井川大仏

吊り橋の恐怖体験の次は近くの井川大仏へ。

事前調査なしでの訪問です。
地図にも取り上げられていて、旗もたくさん出ていますが、果たしていかほどのものか。

あと、井川本村に行く時間はないので、せめて上から景色だけでも見えないかな。

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相変わらず道路から脇の斜面に切り込んでいきます。
でもこちらはコンクリの階段なので、いわゆるお寺の参詣道ですね。

結構な急斜面ですが、まぁ大仏を見に行くならこんなもんかなという感じ。
これだけの勢いで登れば眺めの良いところに着くのでは。

5分ほど歩くと大仏に到着。

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お寺かと思ったら境内には東屋と大仏だけでした。
お寺とは関係ないようです。

結構なサイズの真っ白な大仏。真っ白って珍しい気がします。
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なんでここに大仏があるのかと思ったら、地元の歯医者さんが建立されたのだそう。
昭和に建立されたとのことで、そこまでの由緒はないんですね。ちょっと残念。

歯医者さんの大仏ですし。歯の健康を祈願しておきました。

もう一つのお目当ての井川本村は全く見えませんでした。
ちゃんと歩けと言われた気がしますが、時間が無いので井川駅へ。

アルプスの里

井川駅への帰り道、道の駅のような雰囲気のオクシズの駅アルプスの里へ寄り道。
お土産になるようなお菓子か工芸品でも買えないかな。

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と思ったんですが、お目当てのようなお土産はありませんでした。こちらも残念。

お食事を食べている方はたくさんいて、ご飯はとても美味しそうでしたが、売っているものは基本的に農産物。
今日はそういうものは求めていないんですよね。。持ち帰るには遠いですし。

という訳で、さらに30分ほど歩いて井川駅へ。いやホントに遠いです井川駅
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帰りの列車は終電1本前なので、もう少し途中下車します。
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次回、長島ダム駅前を探索します。

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ローカル線つながりで天竜浜名湖鉄道はいかがでしょうか。

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この旅は千頭駅からスタートしました。
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大井川鉄道井川線③ 井川駅前散策 廃線小路

大井川鉄道井川線の旅、第3弾は終着駅の井川駅前散策。

静岡駅前の繁華街と同じ静岡市葵区に属するんですが、まるっきり違う街です。
さらに井川駅は井川地区の中心部からも離れていて、相変わらずのなんでこんなところに駅が感がすごい。

明らかな非日常、秘境にお手軽に訪れることができました。
でも、もうちょっと頑張って井川本村まで行きたかったなぁ

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赤1. 井川駅 赤2. 井川ダム 赤3. 廃線小路 赤4. 堂平駅跡

奥大井湖上駅井川駅

井川駅までは4駅。相変わらず個性的な駅が揃います。

接岨峡温泉駅

奥大井湖上駅から5分ほどで到着。
一部の列車はここで折り返す、比較的大きな駅です。

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駅舎もちゃんと駅しています。いやまぁそれが普通なんですけどね。

駅前には森林露天風呂があったりもします。
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この駅は比較的開けた集落になっています。
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断崖絶壁の駅を見すぎて感覚がおかしくなっているかも
元は川根長島駅が、ダム建設で集落とともに移ってきた駅です。

盛駅

比較的開けた接岨峡温泉駅の次は、名うての秘境駅盛駅

プラットホームの奧は斜面。
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反対も森
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というか、この駅に通じる道はありません
かつてはダム建設で賑わっていたそうですが、今は人家も道も全くない状況。
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きっと大半の時間、人よりたぬきの方が多いんでしょう。

次の閑蔵駅までの間には日本一高い関の沢橋梁
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川底までの高さは70.8mだそう。
ゆっくり走ってくださったので、ぜひ体感してみてください。まぁまぁ怖かった笑

閑蔵駅

井川線最後の途中駅ですが、ここもなかなかの場所。
バスが来ると聞いていたのでそこそこ大きな駅かと思ったんですが、
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どこに建物はあるのでしょう。反対側には道路はありましたが。

やっぱりたぬきの方が多いかも。
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最後は、終点井川駅へ。

ここまでもすごかったですが、最後の閑蔵~井川の間だけでトンネルを20本くらい越えたんじゃないでしょうか。
今まででも一番の秘境を走っている感覚。

小さなダム(奥泉ダム)を眺めたり、
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山間の峡谷を眺めたり、
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トンネルも多いですが、車窓と車掌さんの観光案内で18分もかかる行程も意外とすぐ。

井川ダムが見えると井川駅はすぐそこです。
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井川駅

終点の井川駅に到着。
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終着駅なので広いところかと思いきや、
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トンネルを出てすぐの狭いところに無理やり作ったような立地。
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駅の隣は相変わらずの斜面でした。
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こんな立地を走っている宿命ですが、いろいろな不調でお休みされることとが非常に多く、お帰りなさいの旗がかけられていました。
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2019年の台風による土砂崩れか、2020年の倒木撤去作業かコロナか、思い当たるものが多すぎますが、帰ってきてくれてありがとうの気持ちです。
そして、乗ろうとする前にはぜひ動いていることをご確認の上で。

駅からは気になるトンネルが伸びています。
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これは井川駅からさらに奧、堂平駅まで貨物線が伸びていた時の跡
今は車庫として使われているそうです。

駅舎の中はこんな感じ。
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井川は南アルプス登山の玄関口にもなっているので、山の写真が多いですね。

窓口にかかる運賃表に東京までの運賃がかかっていてちょっと笑いました。
始発で起点の金谷駅に出るだけで既に16時、東京到着は18時半なんですが、買う人いるのかなぁ。

駅の入り口。木製の駅名板は雰囲気ありますよね。f:id:tmtmz:20210430205948j:image
この写真に写る自販機はお目当てのジュースが売り切れだったので、駅前道路脇にあった自販機でジュースを買ったら賞味期限が切れていました笑 こんなことあるんですね。

さて、緑あふれる駅前広場を通り抜けて駅前へ。
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駅前にバス乗り場はありますが、来るのはワゴン車を使ったコミュニティバスだけです。
定員を超えると乗れませんのでお気をつけて。

とはいえ、井川駅は井川地区の中心、井川本村からかなり離れています
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本村までつながる渡船もありますが、ダムの水位次第で運休。この日もそうでした。
歩くと1時間近くかかるようなので、綿密な計画が必要ですね。

というか、せかせかした時間間隔で動いたらいけないのかもしれません。

今回は駅から歩ける範囲をのんびりうろうろします。
こちらにも見どころはありますので。お店などはありませんが。

廃線小路

井川駅からまずは大井川鉄道廃線跡を利用したハイキングコースへ。
先ほど駅からトンネルが伸びていましたが、その線路道が散策路に整備されています。

井川ダム

まずは井川ダムを見ながら進みます。
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別名は井川五郎ダム
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五郎さんはダム建設の指揮を執った当時の中部電力の社長さんだそう。

おおきなダムです。
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このダム湖井川湖
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湖底には当時の井川村の中心部が沈んでいます。
補償は十分になされたようですが、実際の心境はどうだったんでしょう。

廃線小路

さて、井川湖を眺めながら進むと廃線小路井川湖畔遊歩道の入り口です。
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振り返るとシャッターの下りたトンネル。
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この向こうはきっと井川駅

前を向くと線路が残されています。
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気分は屋久島林道。この間見たスタンドバイミーかな。

ただ、枕木の間が埋めてあって屋久島ほど凸凹しておらず、かなり歩きやすいです。

これはそのまま当時の廃線の線路です。トンネルからまっすぐ延びるのでよくわかります。

井川湖を見ながらのハイキングは心地よい。
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途中にはイスとテーブルもありました。
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ここの2つだけでしたが、ほかに人もおらずお弁当を食べるには最適でした。

途中にはトンネルも。
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一見短そうですが、
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これでも内部は結構暗い。

いろいろ景色を眺めていると20分程度のハイキングはあっという間でした。

最後は堂平駅の跡地
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左手の平場も含めたところがおそらく駅跡地。

線路が土に埋もれたところで遊歩道も終了です。
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この後なにもなく終わってしまったのは残念ですが、もう少し歩いて次のスポットへ。

次回、井川にもある夢の吊り橋を渡ります。

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この旅は千頭駅からスタートしました。
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大井川鉄道井川線② 奥大井湖上駅で絶景写真を狙う

前回に引き続き、大井川鉄道井川線 南アルプスあぷとライン

今回は雑誌やネットでよく紹介される絶景が見られる奥大井湖上駅を散策します。

タイトルでハードルを上げすぎですかね。
でも、スマホでもそこそこきれいな写真が撮れることを思うと、やっぱり貴重なスポットでしょう。

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奥大井湖上駅

さて、前回千頭駅から乗ってきた列車で奥大井湖上駅に到着です。

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改めて紹介するまでもないですが、奥大井湖上駅はその名の通り、湖の上にある駅。
接岨湖に突き出た半島から湖にかかる奥大井レインボーブリッジにかけてプラットホームが置かれています。

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下りた場所は半島の部分。これだけを見ると普通の陸の駅のようですが、

列車を降りて進行方向、井川駅側も橋
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今までやってきた千頭駅側も橋。
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本当になんでこんなところに駅があるのか不思議な立地です。
変わった駅だから来てしまったんですが。

橋と橋の間にはちゃんと駅の設備があります。
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右に写るベンチの形がハートですが、これは奥大井湖上駅恋愛成就でも推しているから。

かつてこの駅で結婚式を挙げるイベントも行われたそうです。

その名残で鐘や
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鍵をかける場所があります。恋錠の当て字は無理やり感ありますね。
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千頭駅などで鍵箱を売っているらしいのでご興味ある方はどうぞ。

駅の施設から直結する唯一の陸地にはカフェ。
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列車待ちの時間つぶしにちょうど良いかもしれませんね。
やっていない日もあるようなので要注意です。

このほか、駅から歩いていける施設としては、接岨峡温泉までの遊歩道が橋を渡った先にあるようです。
が、歩いて行ったら50分くらいとはもはや最寄りではないのでは。。
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あっち、とか小さい字の書きっぷりを含めて、この看板の力の抜け具合は好きです。

もう一つ、ゆるい自販機もありました。
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たばこのように見せかけた茶箱の自販機。
実はこれ静岡県だと結構いろんな場所にあるんですよね。

撮影スポットへ

さて、そろそろ駅を見てブツクサいうのはやめて撮影スポットへ向かいましょう。

奥大井湖上駅から井川駅側にかかる橋に作られた遊歩道を歩きます。
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なかなか脅してくれる看板じゃないですか。どれくらい急な看板なのかな。

フェンス一枚を挟んで線路の隣を歩く経験も貴重な気がする。
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これは結構無理やり付けた感のある階段です。確かに急。
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かなりの高さから見下ろした写真を撮ると思うと、それだけ登らないダメか。

鉄道トンネルの真横を歩く経験もなかなか無い気がします。
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階段上からはこんな感じ。
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このアングルで列車が来る写真を撮るのもよさそうですね。
まぁここで列車を撮ったらもれなく乗り遅れますが。

階段を上ると遊歩道は一気にワイルドに。f:id:tmtmz:20210430205218j:image
少しの間この道が続くので、靴はちゃんとした方がよさそう。

遊歩道の看板。
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分かれ道には看板が置かれているのでなくても何とかなりますが、ご参考まで。

駅から20分ほどで撮影スポットに到着。

撮影スポットといっても公園ではなく、新道切り替えで使われなくなった旧道です。
車は入れないのでのんびり待てますが、見た目はただの道路で座れる場所はありません。

このまま列車が来るまでのんびり待ちます。

写真撮影

前言撤回。待ちきれずに、まずは駅だけ一枚。f:id:tmtmz:20210430205310j:image
下流域は濁流で不安でしたが、とても綺麗なエメラルドグリーンの水面
新緑赤い鉄橋とあわさってとても綺麗です。

ちなみに、大井川鉄道のこの日の運行本数は片道5本。
10:18発の井川行でついて狙うは11:05発の千頭行。
そのまま次の11:24の井川行に乗りますが、駅まで20分かかるので結構ギリです。

でも逃すと次は2時間後。。写真撮ったら急いで戻らないと。

とかいろいろなシミュレーションと、旧道をちょっとだけ探索していたら、来ました。
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お目当ての列車。

逃すまいと時計と睨めっこしていましたが、音で意外と分かるものですね。

駅に入るまでじっくり待って、、、
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いやーきれいですね。やっぱり絵になります。

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スマホでもこのレベル撮れるんですから、素晴らしい被写体です。
いやー来た甲斐ありました。

列車がいなくなるまで見ていたいところですが、時間が無いので待たずに駅へ。

帰りは一目散に戻ります。
下りだったので意外と時間がかからずにつきました。最後まで列車を見送っても良かったかな

改めて下から見るとあそこが撮影スポットですね。
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中央に少しだけ見えている平場です。いやー高いところまで登ったもんです。

橋の対岸、湖面ギリギリに昔の旧線跡が顔を出していました。
長島ダム建設で水没した地点ですし、湖底にはかつての生活の跡もあるんでしょうね。

とか振り返って、かつてに想いを馳せながら少しだけ待つと、井川行が到着。
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井川駅までお世話になります。 

次回、井川駅前を探索します。

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この度は千頭駅からスタートしました。
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大井川鉄道井川線① 日本唯一のアプト式鉄道に乗る

静岡中部のローカル路線、大井川鉄道南アルプスあぷとラインこと井川線へ。
SLが有名な大井川鉄道ですが、今回はもう一つの井川線に乗車するプチ旅です。

井川線南アルプスの山中に分け入るために急勾配を登る日本唯一のアプト式区間を持つ、日本一高い橋がある、などたくさんの特徴を持つ面白路線です。

まずは1回目、起点の千頭駅から乗ってみるところ。
アプト式区間はもちろん、そこまでの断崖絶壁にへばりつく路線はさながらアトラクションのようでした。

大井川鐡道井川線南アルプスあぷとライン

静岡県川根本町にある千頭駅から静岡市葵区にある井川駅までの25kmを結ぶ路線です。

市と町の名前だけを聞くと静岡市と郊外を結ぶようにも聞こえますが、路線愛称の通り南アルプスの山中に分け入る山間路線です。

終点の井川駅がある井川地区ものどかな山村で、ここも政令市ということに驚きます。

元は、1935年に大井川のダム建設のための貨物線として作られました。
1959年に大井川鉄道が引き継いで旅客営業を開始しています。

1990年、途中に長島ダムを建設するために線路を切り替え、これまで以上の急勾配区間が生じたため、アプト式鉄道が採用されました。

もともとのダム建設という用途から大井川に沿って人家も稀な山岳地帯を走る路線で、沿線には秘境駅もたくさんありますが、一方で貨物用トンネルにあわせて作られた小さな車両が、大井川のカーブを乗り越えてゆっくりと走る姿は観光客に人気の路線となっています。

千頭駅

旅の始まりは井川線の始発駅、大井川鉄道千頭駅から。
SLで有名な大井川本線の起点、金谷駅からは1時間15分程度です。
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HPによると車の場合は隣にある道の駅奥大井音戯の郷の駐車場も使用可能です。
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千頭駅からアプト式の終点、井川駅までの運賃は片道で1340円
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フリー切符は2100円と往復するだけでもこちらが安い設定です。
しかも2日使えますし。
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ちなみにこの日の井川行きは5本だけ。ちゃんと下準備しないと回れません。
大井川鉄道ならSLも一緒に乗りたくなりますが、SLは昼間にあるので一日で両方は残念ながら厳しいです。

千頭駅ホームへ。

こちらは大井川本線用のホーム
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SLが来るのもこちらです。
この時は元近鉄特急が止まっていました。元関西人には懐かしい色。

SL以外にも古い懐かしい車両がたくさん走っていて、列車好きの方には有名ですね。

井川線用ホーム 小さな車両にあわせた専用ホームです。
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写真ではサイズ感が伝わりにくいですが、第一印象は小さい、でした。

1番後ろから。写真手前ではなくて奥に向けて進んでいきますよ。
機関車が押して進みます。カーブも相まってなかなかに揺れが激しかった(笑)
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wikiによれば連結器を守る、損傷時のリスク軽減のためだそうです。

車両はこんな感じ。
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ドアは手動です。
コロナ対策で窓全開だったのでさながら風が気持ち良いトロッコ列車でした。

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途中には本当にトロッコスタイルの車両もありましたけど。

内部 座席は2人+1人。小ささがよく分かる席の少なさです。
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車両中ほどには車掌さんが乗るスペースも。
車掌さんは停車駅ごとに観光案内に乗客対応にと大忙しでした。

出発です。
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千頭アプトいちしろ駅

最初の目的地は絶景で有名な奥大井湖上駅。そこまでの車窓を楽しみます。

最初の川根両国駅では低いプラットホームと
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貨物列車。
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ここまでは街中ですが、ここから車窓が様変わりします。

川根両国駅を出てすぐの両国吊橋
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絶景で有名な夢のつり橋を始め、大井川には人道つり橋がたくさんあります。
そしてこのような名所を車掌さんが紹介して下さるので乗っていて飽きません。
走る列車の音がうるさくて聞き取りにくいのはご愛嬌

それにしても渡るの怖そう。

そしてここから車窓はずっと大井川
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川沿いギリギリを進んでいきます。

ちなみに、奥大井湖上駅はエメラルドグリーンの水と鉄橋、山のコントラストが有名なんですが、雨の翌日なので濁り水ですね。。不安。

沢間駅
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バスの待合所みたいですが、駅舎ですよ。

車窓には静岡らしい茶畑も広がります。
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あとから思うと茶畑が作れるほどこの辺はまだ開けていたんだなぁと。

沢間駅を過ぎて大井川と寸又川の合流点。名前を紹介されましたが忘れてしまいました。
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画面奥のきれいな水がこれから行く大井川。濁流じゃないかも。

次の土本駅は駅の周りの住民がみんな土本さん、平成初期まで太い道路が通じていなかった、などすごい話が目白押しの駅でした。

川根小山駅
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この駅も相変わらずバス停のような待合室

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眼下に広がる茶畑を見ているとすぐに川沿い断崖絶壁に戻って、

素晴らしい渓谷美
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エメラルドグリーンの川面と赤い鉄橋。
車掌さんからの紹介はありましたが、ここも十分絶景ですよね。

次の奥泉駅寸又峡温泉へのバス乗り換えなど拠点駅でした。
駅員さんもいて駅舎も立派で珍しく(失礼)乗り降りの多い駅。

そして次のお目当てアプトいちしろ駅

アプト式鉄道: アプトいちしろ駅長島ダム駅

アプトいちしろ駅へ到着。ここでアプト式鉄道の準備をします。
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準備の間、駅前に売りに来ていた柏餅に人が殺到していました。
まだ温かくてとても美味しかったです。

駅前を散策したいところですが、橋の向こうは発電所
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柏餅を買ったらあとは機関車の準備を眺めるだけ。
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今まで押してくれていた機関車の後ろにもう一台助っ人登場です。

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レールの間にギザギザのレールが見えるでしょうか。
このギザギザ(ラックレール)に歯車をかませて、傾斜でも滑り落ちない推進力を得ます。
実はアプト式はラックレールを使って登る登山鉄道の一種だそうですが、詳しい話はwikiをご覧ください。

4分ほどで準備完了。登り始めます。

何とか傾斜を撮りたい。
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ちょっとわからない。。。

こちらならわかるかな。
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奧の斜めの線が線路です。

90‰の傾斜、普通の道路でいう9%の傾斜です。
と思うとかなりですね。自転車でヒルクライムしている時によく見る傾斜ですし。

急傾斜に負けずにゴリゴリ登っていくと、右手にはダム。
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アプト式区間ができるもとになった長島ダムです。

そしてアプト式の終点長島ダム駅
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この駅で最後尾の機関車を切り離して、元の編成で先へ進みます。

そして見えてきたのはレインボーブリッジ
封鎖できませーん!のやつですね。古い
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真っ赤の鉄橋のどこがレインボーうブリッジだろうとは思いますが、実は封鎖できませーんの橋よりこちらの奥大井レインボーブリッジの方が先に命名されたそうですよ。

そして最初の目的地奥大井湖上駅に到着
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この駅で降りた理由はただ一つ、絶景写真を狙いに行きます。

続きは次へ。

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久野城 (静岡県袋井市) -沢山の曲輪がそのまま残る平山城

引き続き静岡のお城を巡ります。

こちらは昨年訪問した袋井市久野城
HPの量からするとおそらくマイナーといってよいところですが、遺構の残りもアクセスも地元の後押しも良いところでした。

地元に愛されるお城は良いところです。

お城:久野城 静岡県袋井市
HP: 久野城見学案内パンフレット/袋井市ホームページ
訪問日:2021年3月
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概要

久野城は、今川氏の遠江侵攻の拠点として、明応年間(1492-1501)に配下の地元の戦国武将、久野宗隆が築きました。

宗隆の孫、宗能の代で久野氏は徳川家康に属し、1590年の徳川家康の関東移封に伴い、下総に移封されます。代わって豊臣方の松平氏が城主となりました。

関ケ原の戦いの後、再び久野氏が入ります。
1619年には家康の甥である北条氏重が入り、移封の後、1644年に破城されました。

東海道が見渡せる地に築かれた街道監視の城で、今も曲輪や土塁、竪堀が多数残ります。

訪問記

袋井市にある平山城久野城へ。
バスでもアクセスできなくはないですが、車の方がアクセスしやすいですね。
駐車場も完備ですし。

駐車場にはしっかりとした説明板と縄張り図もあります。
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また、トイレ脇にパンフレットも完備。
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ありがたい配慮です。

パンフには見どころや
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見学ルートも書かれています。
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駐車場脇からさっそく登城。
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旗も立てられていて、保存会の方々の気持ちが伝わってきます。

平山城で標高も低いので、ほとんど登ることなくあっという間に曲輪に到着できます。

上がると早速北の丸
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左手の土塁は低くなっていますが、判別は可能。
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横堀が走っているはずですが、そちらはあまりわからず。。

久野城は北側が尾根続き、それ以外が湿地帯の立地のため、今いる北側は尾根や横堀で守りを固めていました。

さて、パンフの道順は一筆書きにならないので、ここでは時計回りに曲輪を回ります。ごめんなさい保存会の人。

横堀を抜けると東の丸
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パンフレットによると、松下氏時代の礎石建物跡が検出されています。
松下重綱はこの建物を江戸幕府の許可なく建築したため、移封、蟄居となりました。

先へ進むと大手に到着。
城の正面玄関たる大手は東側、東海道から油山寺(訪問記)への道に面して、松下氏の頃に整備されたと考えられています。当時は櫓門があったそう。
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大きな看板が目を引きますね。

大手脇では隅櫓の跡が検出されています。
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松平氏の頃と考えられる掘立柱の柱穴跡が見つかっています。

南側にはところどころ満開の梅?桃?の木。
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散策当時、周りはまだまだ枯草だったので、余計に色が映えます。
ちなみにこのあたりの南側は当時は湿地帯、今も水田地帯です。

本丸側は下からでもわかる曲輪がたくさん。
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これだけ曲輪がたくさん見えるのはなかなか無い気がします。尾根筋は二ノ丸ですね。

南端の南の丸に到着。ちょうど半分です。
当時から最も日当たりが良い曲輪で、城主の館がありました。
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久野氏の館も検出されています。

本丸へ

ここまで周囲を回ってきましたが、ここから本丸方面へ上がります。

南の丸隣にある高見
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やはり城主の館を守れる場所に作られたのでしょう。

見晴らしもバッチリ。東名高速の奧の東海道までよく見えます。f:id:tmtmz:20210307200854j:image
当時から東海道の監視が目的でした。

引き続き本丸を目指します。二の丸は細長く傾斜した曲輪
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本丸との境目には井戸がありました。
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こんな城の中心の高い位置に水が湧くとは。ちなみに今でも水が湧いているそうです。

ようやく本丸
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とはいえ、広さはこれまでの曲輪とあまり変わらず。
ただ、櫓台と井戸の付近や北側などに破城された跡があるようで、当時はもうちょっといわゆる本丸っぽかったのかな。

振り返ると二の丸の全景が見えます。
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ほぼ尾根そのままの細長い曲輪ですが何に使っていたのでしょうか。

二の丸からさらに一段下の三の丸もよく見えます
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こちらはそれなりの広さを誇ります。

と言うかよく残っていますね。本当に。
曲輪を見すぎてどこを見ていないかわからなくなりそう笑

忘れないうちに三の丸にやってきました。
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さらに降りて
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西の丸
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ここはパンフにも説明がないので何に使われていたか分かりません。。。

隣は主税(ちから)屋敷
地名からは家臣屋敷の存在が推測されています。
西の丸との境には土塁が描かれていますが、曲輪の境目が現地では分かりませんでした。。

主税屋敷の隣は北の丸、ということで一周ですが、最後にもう一つだけ。
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登っていくと、、

大堀切
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久野城最大の堀切です。尾根が続く北側と本丸を断ち切る重要な堀だったのでしょう。
まるで最近工事したかのようなサイズ感。

駐車場からのルートでは最初に目に入るので当然1回見ているんですが、メインディッシュは後に残すたちなので。。

感想

満足度 3/5

曲輪曲輪曲輪で立派に遺構が残るお城でした。
パンフレットや旗など、地元の保存会の方のご尽力がよく伝わるのも好印象。
平山城というかほぼ丘くらいの標高なので見て回りやすいのもありがたい。

あまりに曲輪が多くて頭がこんがらがるのと、現地には説明板はないので見学にはパンフレット必須です。

アクセス

久野城

百名城 山中城(40) 3/3 -本丸へ

3回に分けてお届けしてきた山中城の訪問記もようやく最終回。
本丸に向かいます。

前回はこちら

tmtmz.hatenablog.com

本丸がメインというお城も多い中、山中城はほかの見どころが多くて影が薄い気がしないでもない本丸。
ですが、やはりお城は縄張り全体を見て当時の考えを推し量りたいところ。
本丸、二ノ丸を見てようやく山中城の全体が見えた気がしました。

お城:山中城 静岡県三島市
HP:山中城跡公園 | 三島市観光Web
訪問日:2016年10月、2021年3月

訪問記

岱崎出丸、西ノ丸・障子堀と回ってきたあと、最後は本丸へ。
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この拡大図でいう右下の区画、北ノ丸、本丸、二ノ丸、三ノ丸を回っていきます。
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これだけでも普通のお城だと1周分ですね。

さて、現在地は地図の上部、西ノ丸。
北ノ丸へは山中の細い道を通って向かいます。
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このあたり、芝生とツツジの畝堀だったお城と同じ縄張り内とは思えません。

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谷を利用した堀(谷そのまま?)が走っています。

途中には谷を仕切った溜池が作られていました。
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ちょっと分かりにくいですが、、、やっぱり水の確保に向けた努力はすごい。

北ノ丸

空堀を見ながら進んでいくと、
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また畝堀が見えてきました。本丸堀
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写真左手の北ノ丸と右手の本丸を仕切る堀。
こちらは土が見えています。北の方にあるから草が生えないのかな。

まずは左手の北ノ丸へ向かいます。

北ノ丸は周囲を深い深い空堀に囲まれています。
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こう見ると一見浅そうですが、400年の歳月で埋まっていますので、ずっと深いはず。
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この辺りは畝堀ではないんですね。

北ノ丸全景
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割と広い曲輪。本丸側以外の三方に土塁が築かれています。

北ノ丸には、本丸とをつなぐ架橋がかけられていました。
天守櫓に次ぐ高地にあったことも含めて重要な曲輪だったと考えられています。

先ほどの北ノ丸堀。
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上から見るとその高低差がよく分かります。上がってくるのは厳しい高さですね。

天守

北ノ丸からの架橋で本丸方面へ。
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本丸に直結する橋というだけあって、万一の際には落とせる木橋が選ばれたんでしょう。

本丸堀から本丸(左)への高さもすごい。
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本丸に向かう前に天守に到着。
本丸からも一段高く、山中城では最高所に位置します。
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天守櫓には天守台が設けてあり、物見のための井楼、攻撃のための高櫓が立てられていたと推定されています。

ただ、現地では天守台はよく分からなかったかな。。

天守櫓と本丸の位置関係はこんな感じ。
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左手にみえる本丸と比べると天守櫓の高さがよく分かります。
あと、向かいに見える本丸北側の土塁の高さも。

当然ですが、北ノ丸もばっちり。
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見学ルートに沿って、次は本丸の一段下の兵糧庫のある曲輪へ。

途中には大杉 矢立の杉
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樹齢500年と推測されているので、当時からの生き証人です。
出陣の際にこの杉に矢を立てて勝敗を占ったことから矢立の杉と呼ばれているそう。

兵糧庫

本丸南側には兵糧庫や弾薬庫と言い伝えられる曲輪があります。

本丸からは一段低い曲輪に、
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平たい石と穴が検出されていて、礎石を用いた建物が建っていたと考えられています。

また、用途不明の大穴も4基検出されています。このあたりロマンが残っているポイント。
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今は兵糧庫っぽい形をしたトイレと、

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礎石が展示されています。

東側には諏訪駒形神社も置かれています。
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本丸

一段戻って本丸へ。

本丸は二段の曲輪からなっていて、周囲は高い土塁と堀に囲まれています。
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写真右手が北側の、奥が西側の土塁。いずれも高いです。
江戸時代の絵図では、藤棚が置かれているあたりに本丸広間が描かれているそう。

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下から見た北側土塁の高さも分かりますかね。

西側は二ノ丸につながる虎口
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こちらも厳重です。

そして本丸堀を挟んで二ノ丸へ。
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この本丸堀は、二ノ丸への土橋を挟んでV字の薬研堀と箱堀からなります。
箱堀側はここも畝堀。

二ノ丸と本丸の間には、途中で分断された土橋が検出されていて、当時も簡単な橋を架けて通っていたと考えられています。
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ということで現代も木橋と土橋でつなげられています。
本丸虎口が直線的というのは違和感ありますが、特別な施設は認められなかったとのこと。

二ノ丸

本丸から二ノ丸に入るとすぐに二ノ丸櫓台
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二ノ丸櫓台から二ノ丸を眺めます。
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二ノ丸は全体に傾斜した広い曲輪です。
本丸と比べるとずっと広く、本丸の機能の一部を持っていたと推測されます。

こちらもやはり北側は高い土塁に囲まれています。
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西側虎口を抜けると、最初に通った元西櫓や西ノ丸、障子堀方面への道にたどり着いて、ようやく山中城の復元された区画を一周です。

三ノ丸(宗閑寺 北条・豊臣武将の墓)

終わる前にもう少しだけ。三ノ丸を回ります。

三ノ丸は今は公民館やお寺ですが、ここに当時の北条、豊臣武将の墓が置かれています。
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苔むしたお寺の片隅に置かれています。
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大きな戦をした両軍が並んで祀られているのが、なんというか。

宗閑寺の参拝で、今度こそ山中城見学終了です。
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感想

満足度 5/5

障子堀をはじめとする畝堀群は有名になるだけあります。
また、それらを見学できるように継続的に整備していただいている点も含めて、満足度は非常に高いです。
ちゃんと寄付とかして協力しよ。

山城なので建物はありませんが、特に城好きでない方にも観光地としてお勧めできるスポットです。

行くときは事前に縄張り図を見て曲輪の配置を頭に入れておくと、いっそう見ていて楽しいと思います。

アクセス

山中城


  • アクセス
    電車・バス:JR三島駅からバス 山中城跡バス停下車すぐ 
    車:伊豆縦貫道 三島塚原ICより15分
      箱根新道 箱根峠ICより10分
      無料駐車場あり
  • スタンプ・開館時間
    山中城売店
    店内および店前においてあるため、24時間押せます。
    売店は10時~16時、月曜定休日です。
  • 城跡
    散策自由
  • 所要時間
    1~2時間
  • 付近のスポット
    近くの百名城だと小田原城、石垣山城、興国寺城でしょう。

    tmtmz.hatenablog.com

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百名城 山中城(40) 2/3 -障子堀でワッフルを+スタンプ

山中城の訪問記その2です。

岱崎出丸に続いて今回は山中城見学の中心部へ。

有名な有名な障子堀へも向かいます。
あと、初めて障子堀ワッフルを買いました笑

この記事はこちらの続きです。

tmtmz.hatenablog.com

お城:山中城 静岡県三島市
HP:山中城跡公園 | 三島市観光Web
訪問日:2016年10月、2021年3月
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訪問記

スタンプ

岱崎出丸からの続きです。
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この図でいう左側を見終えたところ。真ん中から右上に向けて進みます。

山中城は尾根筋に曲輪が点在していて、現地で縄張りをイメージしづらいので、拡大図で確認。

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三の丸堀、田尻の池、西ノ丸から西櫓に向かいます。

こちらのパンフで言う最長の戦国山城探訪コースで行きますよ。
https://www.city.mishima.shizuoka.jp/media/15020180_pdf_2017524_rad1753C.pdf

まずは戻って売店スタンプをゲット。

スタンプはお店の前に置かれていて、24時間押せます。ありがたい心遣いです。

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モデルはもちろん障子堀。これから見に行きますよ。
このお店で障子堀ワッフルを入手して、いざ中心部へ。

というわけで道を渡って反対側の曲輪群へ向かいます。
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ここは満車で車が置かなかった駐車場。
奥行きがないことがわかるかと思いますが、横にも広くないんですよね。

三の丸~田尻の池・箱井戸

先へ進むと最初は三の丸堀
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左手に空堀。実は右手にも空堀があって、通路は大きな三ノ丸堀の中央にある畝。
三ノ丸堀は畝を持った二重堀になっています。

でも横には畝が通っていません。この先の田尻の池・箱井戸からの排水を優先したのかな。

また、写真左側が三ノ丸のように見えますが、写っていない右手が三ノ丸です。
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振り返って一枚。

台風19号の影響でブルーシートがかけられています。
1年半が経ちますが、この時も工事中でした。
綺麗に整備していただいているから美しい堀を見られるんですよね。感謝。

先へ。田尻の池
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田尻の池は隣の箱井戸から水が落ちてくる構造になっています。
洗い場や馬の飲み水として使われていたと考えられています。

こちらは隣の箱井戸
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城兵の飲み水として使われていただろうと思われています。
雨上がりだからか田尻の池よりは水が澄んでいますね。

西ノ丸へ

さらに奥へ。西ノ丸へ向かいます。
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緩やかな坂を上っていくと、

途中には二ノ丸虎口。奥は二ノ丸
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右側の土塁はさすがに低い気がしますが、なかなか立派な虎口です。

奧に見える二ノ丸は傾斜した曲輪でなかなか居心地悪そう。。
でも実は本丸より大きな曲輪で、本丸機能の一部もあったのでは、とみられています。

ただ障子堀を先に見に行きたいので、二ノ丸はいったんここまで。
元西櫓方面の堀にかかる二ノ丸橋
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ここは橋脚台や柱穴が見つかっていて、それをもとにした橋が復元されました。

ここの堀も深い。
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反対に目を移すとやっぱり
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土が露出しているあたりが当時の姿に近いんでしょうかね。

元西櫓から橋を見返した景色はこんな感じだったのかな。
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先は元西櫓と呼ばれる小さめの曲輪。
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元は無名曲輪と呼ばれていました。

西ノ丸・西櫓

さて、そろそろ山中城で1番有名な区画へ

西ノ丸
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広い広い曲輪でした。

順路通りに来るとここに最初に辿り着きますし、見どころがたくさんあるので、西ノ丸と周りの障子堀だけ見て満足して帰っちゃう人もいるかも。

はい、初めて来た時の私です。
まぁ公式の短いコースもそう紹介されていますし。

西ノ丸は三方を土塁に囲まれて、緩やかに傾斜する東側には雨水を溜める溜池も作られていました。
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でも西ノ丸に建物跡は検出されていません。
開墾された可能性は強いものの、そもそも小屋くらいしか無かった、と考えられています。

西側の見張台に行きます。
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曲輪の上ですが、結構高い。

登って西櫓側から眺めます。西櫓は角馬出と言われる構造。
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四角い広場ですね。
写真左には土橋、右手には木橋が架かっていて、今いるあたりからも木橋が架かっていました。

武田流の丸馬出はよく見てきましたが、四角いこちらは北条流
ここまでくると勢力域が違いますね。

武田流丸馬出はこちら。

tmtmz.hatenablog.com

tmtmz.hatenablog.com

見張り台ですので、ちょっと横に目をやれば、やはり平野が一望できます。
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反対側。先ほどまでいた元西櫓、その奥の二ノ丸もよく見えます。
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ここから見ると本丸から西方面に曲輪が続いている構造が分かりますね。

いったん西ノ丸を出て周りを見学。

西ノ丸は周囲をぐるりと畝堀に囲まれています。
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ちょっと崩れていますが、かつてはこの土が露出していました。

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崩れた芝生で埋まっていますが、畝は高さ2mもあります。
西ノ丸上へは9mもあるそう。

そして見えてきましたね。
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障子堀

もうすこし焦らします笑
というか上から見たいので、西櫓に上がらないと。
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馬出なので当たり前ですが、西ノ丸の方が高く作られています。

そして、障子堀
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障子の桟の様な形をしていることからその名がつきました。
ということは言われずとも想像できますよね。

でもこの堀、中央の区画に水が湧いて、南北の堀に排水される仕組みになっているそう。
現地では分かりませんでしたが、用水池としても使われる堀が山城にあるとは。
いたるところに池がありますし、利水面でも良い場所を選ばれたんですね。

さて、現代では障子よりワッフルの方がなじみがある人もいるのでは。
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お決まりの構図。

このワッフル、最初の売店で売っていますので、同じ写真を撮りたい方はぜひ。いないか。

西櫓は西ノ丸と反対側を土塁に囲まれていて、建物の跡も検出されています。

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最前線ですから本当はワッフルとか言ってられない場所ですが、平和な世なので。

西櫓の周りもすべて堀です。西櫓堀。しかも畝堀。
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もう麻痺していますが、ここも相変わらず立派。
西櫓堀もやはり畝は高さ2m、堀底から西櫓までは9mもあります。

西櫓堀の西端、西木戸付近に城址
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なんでこんなに端っこにあるんでしょうね。
搦手口ではあるそうですが、見ずに帰っちゃう人も多いのでは。

ぐるっと反対側からもう一度障子堀。
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そういえばふるさと納税で障子堀に降りられるイベント参加権が得られたことがあったんですよね。
これを見ると次の機会があったら参加したいなぁ

さて、次回、残る本丸方面へ。

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